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1998/05/28
パキスタンの核実験実施について
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民主党幹事長 羽田 孜

本日、パキスタンは、バルチスタン州チャタイにおいて初の地下核実験を実施した。我が国をはじめ世界各国は、再三にわたりインドへの対抗措置として核実験を行うことを自制するよう強く求めてきた。にもかかわらずパキスタンが核実験を実施したことは、極めて遺憾であり、憤りをもって強く抗議する。

日本政府は、パキスタンに対してODAや円借款の停止など断固たる措置を講ずるべきである。また、国連においてパキスタンに対する制裁・非難決議を採択することを政府に提案する。民主党は、あらゆる核実験と核兵器の開発に反対している立場から、あらためてパキスタンやインドなど未加盟国が核拡散防止条約(NPT)と核実験全面禁止条約(CTBT)に参加するよう強く求める。

インドに引き続いてパキスタンが核実験に踏み切ったことにより、核拡散の脅威が現実のものになろうとしている。これまでの核保有国主導による核不拡散体制がある意味で行き詰ってきていることも遺憾ながら事実であり、新しい核拡散防止体制の設立に向けた国際会議の開催を呼びかけるなど、唯一の被爆国である日本がリーダーシップをとることが歴史的に求められている。

インドの核実験以来、日本政府の対応は、後手後手で中途半端なものであり、その結果、日本がインド・パキスタン両国に対しても国際社会に対しても意味のある影響を与えられなかったことは慙愧に堪えない。いまや、橋本内閣に日本外交の舵取りを任せることができないことは明白である。

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