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1998/04/30
感染症予防・医療法案の参議院可決にあたっての談話
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民主党政策調査会長 伊藤英成
民主党厚生部会長  金田誠一

本日、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律案が、参議院国民福祉委員会において可決され、本会議採決を経て衆議院に送付されることとなる。民主党は、委員会においては病原体等の検査に関し国の責務を明確にした修正案に賛成し、修正部分を除く原案に反対したところである。

本法案は、100年前に制定された伝染病予防法を廃止し、あわせて重大な問題を内包したエイズ予防法を廃止して制定されるものであり、民主党はこのことは前進と評価している。しかし、本法案には、過去における「らい予防法」や「エイズ予防法」が著しい人権侵害をもたらした反省にたって、患者・感染者の人権が尊重され二度と過ちを繰り返さないための必要な措置と、現在は極めて脆弱な病原体の検査や医薬品の開発・提供等を国の責務とする等の措置が決定的に欠けている。このため、民主党は、この2点について強く修正を求めてきた。

その結果、病原体の検査体制の整備を国の責務とすることをはじめとして、基本指針の充実や5年後の見直し条項の追加等、医療に関する部分を中心に法案修正として合意に至った。この間、精力的に修正協議にたずさわってこられた関係各位には、心から敬意を表したい。

しかし、もう一方の重要な課題である患者・感染者の人権に関する部分については、具体的な前進をみるに至らなかった。基本理念の人権規定をより強化することをはじめ、医師等の責務の明確化、患者等への診断結果の通知などは今後の課題として残された。こうした重要項目を残したままでは、現状より前進ではあるにしても民主党として原案に賛成することはできない。

今後は、舞台は衆議院に移されることとなる。民主党は、過去における「らい予防法」や「エイズ予防法」の反省に立ち、患者・感染者の人権が尊重されるための修正を行うことに全力を尽くすことを表明する。

各党におかれては、参議院における態度表明を超えて、人権の観点から共通のテーブルにつかれることを強く希望したい。また、薬害エイズ事件の国の責任を明確にするにあたり、その最大の力となった国民各位におかれては、再度のお力添えを心から願うものである。

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