食品安全基本法に関して
目的
国民の「生命及び健康の保護」に留まらず、「健康保持及び増進」とすることとし、食品のもたらす役割に基づく安全行政を積極的に位置付け。
基本理念
食品の安全性確保と消費者の関係を明記。(消費者の受ける利益)
基本的施策
従来行ってきた法案検討を踏まえ、1.食品表示の適正化(食品表示監視官制度)、2.トレーサビリティ(BSE、遺伝子組換え表示等を踏まえた追跡可能性の一般化)、3.輸入食品の生産流通実態把握(国際食料監視官制度)を取り入れた。
民意の反映、透明性の確保に関する施策を明記。(基本方針策定時の公聴会、食品リスク評価書作成時の公表および食品リスク評価に関する協議会等)
緊急措置計画
食品安全委員会は、食品による広範な健康被害が発生(または発生するおそれ)が生じた場合の対応を定めることを明記
検討事項
食品安全の概念へ、「安心・信頼」を加える
(例)現在の法制度では、JAS法に基づく表示や規格は安心・信頼には必要な事項であるが、安全と直結する概念ではないものと整理されている。今後の検討でも、食品の安全を「食品衛生」の概念に限定せず、生産者・事業者と消費者の信頼関係形成に必要な制度も含める方向で進める。
食品安全委員会に関して
設置
内閣府の外局(国家行政組織法第3条機関)として設置することとし、担当大臣を置き8条機関とする政府案に比して、独立性を高める。特に政治的な食品リスク評価を排除する。(食品添加物の緊急承認等)
所掌事務
食品安全委員会が、食品・添加物等の製造方法等の基準、食品・添加物等の成分の規格を定めることとし、リスク管理機関の裁量が及ばないようにする。
委員会委員
食品の安全性、食品リスク分析、消費者保護に知識を有する者から任命することとし、科学的安全性の検証とともに消費者心理を勘案した食品安全性の策定を行うこととする。
専門評価会議
関連する分野が多岐にわたることから、個別の食品リスク評価の実施は専門評価会議で行う。
食品安全委員会の規模(行政改革に関連して)
政府案では、事務局規模を200〜300名としている。これまでの党の検討過程では、300〜500名規模(非常勤職員を含む)としてきた。行革の観点に立てば、新たな行政機関となるが、国民の生命と生活の安全確保のためには必要不可欠な組織であると考える。
組織再編の議論として、リスク管理機関の一体化(農林水産及び厚生労働関係部署の統合等)が出てくるが、1.現在ある機関を前提に一刻も早く食品安全体制を整えることが肝要、2.欧州の事例を見ても最善な組織モデルが定まっていない、3.日本型食品安全行政組織は期限を定めて検討を続ける方が現実的、等の理由から、今回の提案ではリスク管理機関を含めた一体化は打ち出していない。
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