民主党NC環境大臣 小宮山 洋子
政府の地球温暖化対策推進本部は19日、新しい「地球温暖化対策推進大綱」を決定した。
新大綱の決定過程が国民に全く明らかにされないまま決定されたことについては、極めて残念である。京都議定書目標達成計画の策定にあたっては、国民の実質的な参 加が図られるよう、強く求めるものである。
この新大綱には、政府の基本的な考え方と、削減目標量・施策などが示されているところではあるが、削減目標量は、単に目安として設定されているにすぎず、削減のための対策についても、どのようにしてこれらの施策を推進するのかについては、具体策が見られない精神論にすぎない。また、部門別削減目標については、基本的には旧大綱を踏襲しているだけであり、真剣な見直し作業が行われたものとは思われない。さらに、吸収源についても、日本に与えられた枠(3.9%)を全て使うことになっているが、その科学的根拠については全く示されていない。
これまでも民主党は、京都議定書における日本の削減目標(1990年比6%削減)の達成については、国内における人為的排出の削減を原則とし、環境税等の経済的措置の導入を早急に行うべきであり、吸収源問題については、補完的な措置であることを認識し、限定的なものだけが吸収源として認められるような客観的・統一的基準によるべきであると主張してきた。
ところが、今回の新大綱においても、相変わらず数字あわせと精神論を続けているだけである。これでは、そのほとんどを補完的措置である京都メカニズム(排出権取引等)に頼らない限り、日本が課せられた京都議定書の削減目標達成することはできない。政府は、このような目安にすぎない数値を並べ、あたかも簡単に目標が達成できるかのような幻想を国民に抱かせるのではなく、炭素税の導入などの具体的措置より、日本国内での温室効果ガス削減施策を強力に実施すべきである。これにより、環境負荷の少ない持続可能な社会を構築し、真の日本再生を図るべきである。
以 上
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