トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2001/10/04
今回の同時多発テロに関わる国際的協調行動(米国等への後方地域支援活動など)をとるための特別措置への取り組み
記事を印刷する

民主党

 今回の大規模な同時多発テロは、通常のテロの概念を遥かに超えた卑劣かつ残虐な行為であり、その撲滅には、従来の枠組みを超えた新たな取り組みが必要になったと認識すべきである。今回の米国で起きた大規模なテロに対して、すでに国連では安保理決議第1368号で米国の個別的自衛権の行使を理解し、世界各国が支持を表明している。わが国も国際社会が行う協調行動に対して一致協力して取り組むべきである。
 
 わが国が、今回の米国を始めとした世界各国が参加する国際的な活動に参加・協力していく場合、現行法では周辺事態法やPKO協力法等が想定され、非軍事的な任務として、医療、輸送、被災民支援等が重要である。しかし、例えば周辺事態法は、日本の平和と安全に重大な影響を及ぼす恐れのある周辺事態を対象としていることから、直接の適用はできない。また事態の変化によってはPKO協力法だけでは十分な対応ができない。従って、具体的な活動のあり方や条件等を定める新たな法律の制定が必要であると考える。
 
 当該任務については、日常的な訓練等を行っている自衛隊の活用が、他の行政機関よりも合理的であると考える。また、わが国の活動は、憲法で認められていない武力行使との一体化を避けるため、安全が確保されている地域で実施されるが、テロの特性からなお不測の事態も想定されうるからである。
 
 ただし、新たな法律を制定する場合であっても、その法律の実際の適用や活動の開始に当たっては、犯人の特定や具体的な証拠、及び国際社会でのテロ撲滅への協調行動の根拠となる新たなる国連安保理決議等を求めていく必要がある。

(1) 犯人の特定
 今回の同時多発テロに関して、米国等への後方地域支援活動などの国際的協調行動に自衛隊が取り組むためには、国民の理解が不可欠である。法治国家として、犯人の特定とそのための証拠等の提示を米国や国際機関等に対して強く要求するべきである。


(2) 米国を含む国際協調行動の枠組み
 今回の大規模なテロ行為が、国際社会の平和と安全に対する重大な脅威との認識の下、今回の自衛隊の派遣を含めたわが国の行動は、あくまで国際社会の平和と安全を守るための米国をはじめとする世界各国及び国連などの国際機関による一致連帯した協調行動の枠組みの一環であり、それがわが国の国益に資するとの位置付けを明確にする。

(3) 国連安保理決議
 今回の国際協調行動が、米国はじめ国際社会全体としての一致した意志のもとで、国際ルールに基づき実施されることを担保するために、さらなる国連安保理決議等を粘り強く求めていく。

(4) わが国の活動について
 上記3点を踏まえ、わが国が行う支援に関する新法の制定にあたっては、以下の方針で臨む。

<1> 時限立法
1) 1年を経過した日に効力を失う。
2) 1年経過後も対応措置が必要な場合、別に法律で定めるところにより延長できることとする。
3) 1年より前に対応措置を実施する必要がないと認められるに至ったときは速やかに廃止する。

<2> 国会の関与
1) 原則として事前に「基本計画」の包括的な承認を原則とする。基本計画に定められた対応措置の実施前に、これらの対応措置について事前の承認を得る。
ただし、緊急の場合は、事後速やかに国会の承認を得ることとする。
2) 計画実施承認から6ヶ月経過後に国会報告を求める。

<3>  任務の場所的範囲
1) 武力行使との一体化を避けるため、「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」とする。
2) 受入国の同意を前提条件として、他国領域での活動も認めることとする。
3) ただし、テロの特性及び活動範囲が、周辺事態法に規定されていた公海上を越えて、活動が陸上に及ぶことになり得ることから、さらなる限定が必要かどうかを検討する。

<4>  輸送・補給活動
自衛隊が行う輸送・補給には、武器・弾薬を含めないこととする。

<5>  被災民に対する医療活動を含む支援活動
被災民に対する支援活動については、医療活動を含め行うことができるものとする。

<6>  捜索救助活動
周辺事態法に準じて行うことができるものとする。

<7>  武器使用基準
  自衛隊の武器使用基準は、周辺事態法第11条(自己又は自己とともに当該職務に従事する者の生命又は身体の防護)、自衛隊法第95条(武器等防護のための武器使用)、自衛隊法第100条の8(自己又は自己とともに当該職務に従事する隊員又は当該邦人若しくは外国人の生命又は身体の防護)、PKO協力法第24条(1項:自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員の生命又は侵害を防衛するための武器使用、4項:上官命令による武器使用)の規定を参考とする。


以上

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.