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2001/05/24
民主党地方分権公聴会〜関連資料/百花繚乱の地方(まち)を創る(地域振興政策案)
≪従来型公共事業偏重のまちづくりから福祉・環境・NPO重視のまちづくりへ≫
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 「老後の不安」「財政の不安」「経済・雇用の不安」という3つの不安を解消するという民主党の目標を都市部はもとより地方中小都市や農村においても実現する。そのために、「中央集権・全国一律・地方の東京依存」という戦後型構造から、「地域主権・多様性・自立した地方」という構造に転換する。
 民主党は、このようなシステム転換のための地方分権・地方財政改革プログラムを提示するとともに、従来型公共事業に偏った地域振興に代わる21世紀にふさわしい地域振興の方向性を提案する。

1.地方分権・地方財政改革プログラム

{内容別紙}
  このことの実現は、「百花繚乱の地方」「多様で自立した地方」を実現するための前提条件。その他、地方自治体の行政能力(政策形成能力)の向上、情報公開原則の徹底などが必要。

2.地域振興の方向性および自立経済体系づくりへの支援

特に、50万社を超える建設会社における約600万人の雇用が、今後半減すると言われており、地方での働く場を確保することが必要になる。

(1)福祉・医療産業

* 高齢化率の急速な高まり(15%→30%)が予想される中において、民主党は、全ての地域で年金の不安を解消する。年金は、相対的に高齢者の多い地方中小都市・農村にとっては重要な経済的資源となる。(基礎年金の全額国庫負担、厚生年金の現行給付水準維持)

*参考
島根県での産業連関をベースにした解析例→県下公共事業100億円の
波及効果は総生産では170億円、県民所得では50億円増。一方、年
金100億円では、総生産では90億円だが、県民所得は130億円増。

* 介護基盤を優先的に整備する。従来型公共事業より介護サービス基盤の整備の方が雇用効果は2倍高い。また保育・子育てサービスの拡充を通じて、雇用の拡大を図る。

* 地域密着型の規制改革で、特に、高齢者向けサービス産業を起こす。例えば、ハイヤーを複数の人々で常時借り上げこれをシェアして利用する「生活空間移動産業」、健康維持のために必要な情報や知識を総合的に提供してくれる「健康増進産業」など。

(2)環境・農業産業

* 従来のダム一点張りの治水対策を転換し、森林を間伐、下草刈り、枝打ちなどで再生させる「緑のダム構想」。継続的に山の手入れが必要となり、雇用が発生する。

* 民主党は、農政の重点を「農業土木偏重から所得補償・環境保全型農業重視」へ転換する。具体的には、農産物自由化の影響を最も大きく受ける専業農家、環境保全型農業に取り組む農家、条件不利地域の農家に対して、明確なルールに基いた所得政策を行う。さらに、いわゆる「中抜き支援」により、消費者と直結する農業経営者・グループを支援する。

* 資源循環時代を迎えて、全国の数万事業所がある解体業は、これまでの解体・古鉄回収から部品取り・リビルド化・シュレーダーダストの資源化機能を備えなければ生き残れない。民主党は、こうした業態転換を強力に支援する。

* 土木建設業も国土・都市建設の時代から更新・再編の時代に入る中で、旧来型の形態での事業経営が難しくなる。森林管理や河川、湖沼、沿岸環境の再生などに繋がる「環境復元型公共事業」を推進する。また、高速道路や下水道施設などの維持管理に関して、多くが外郭団体などに利権事業化しているが、こうした事業を全て当該地方産業が直接、または開かれた体制で担えるようにする。

(3)NPO

* 就業形態として見逃せないのがNPO。世界的にみれば2000万人がNPOの雇用されている。また、わが国においても非農業雇用者の3.5%が NPOに雇用されていて、その数は急激な伸びを示している。介護・生涯教育・地域交通・文化振興・環境保全などにおいてNPOによる雇用の拡大を図る。
民主党は、そのためにも、税制などのNPO支援策を提案している。民主党案では、NPO法人の約9割が税制優遇の対象となる。

(4)その他

* 起業家支援。創業5年以内の中小企業の税制優遇、中小企業設立資金の負担軽減、女性起業家支援など、会社の設立が容易となる環境を整備する。

* 観光産業の振興。観光産業は、従来型の団体主流の観光から、個人・趣味グループによる観光へと形態が変化しながら拡大している。また、中国・韓国・台湾など国際的な観光市場の拡がりもみられ始め、地方において新たに期待できる産業の一つ。地域の観光資源(自然・文化・町並みなど)育成や国際的な観光時代に向けた地域資源の形成を支援する。

* 地域金融機関による資金円滑化。地域に円滑に資金供給を行うことを金融機関の責務として明確化し、これを定期的に評価する法律案を準備中。

ほかに、地域商業・工業の各振興策、遊休工業団地対策、産業創出・起業創出のための地方大学活用策など。但し、民主党は、補助金・負担金の大部分を自治体に一括交付するなど地方自治体への裁量権の大幅な移行を行う。従って、地域産業政策は基本的には地方自治体が主体であり、中央政府は、上記実現のための環境整備を行う。

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