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2001/11/19
建築物の居室内における空気環境の保全に関する法律案骨子
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1 目的


 この法律は、建築物の建築又は建築物若しくはその居室の大規模な修繕若しくは大規模な模様替に際して、特定有害物質が放散される建築物の居室について必要な規制をすることにより、当該居室内における空気環境を保全し、もって国民の健康の保護を図ることを目的とする。


2 特定有害物質


 「特定有害物質」とは、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンその他の建築物の建築等に際し使用される建築材料等に含まれる化学物質であって、居室内に放散されることにより人の健康の保護に重大な影響を与えると認められるものとして政令で定めるものをいう。


3 規制基準


 (1) 規制基準は、建築物の居室内に建築材料等から放散される特定有害物質について、政令で定める。

 (2) 規制基準は、建築物の居室内に建築材料等から放散される特定有害物質の濃度について、特定有害物質の種類及び建築物の種類に応じて定める許容限度とする。


4 建築主及び工事施工者に対する規制


 (1) 建築主及び工事施工者(建築物の工事の請負人又は請負契約によらないで自らその工事を行う者)は、建築物を建築する場合又は建築物若しくはその居室の大規模な修繕若しくは大規模な模様替をする場合においては、当該建築物の居室内に建築材料等から放散される特定有害物質の濃度が規制基準に適合するものとしなければならない。

 (2) 建築主は、(1)の工事が完了したときは、省令で定めるところにより、都道府県知事(政令指定都市、中核市その他の政令で定める市町村又は特別区にあっては、当該市町村又は特別区の長。以下同じ。)による検査を申請しなければならない。
  * 政令で建築基準法により建築主事を置く地方公共団体を定める。

 (3) (2)の申請は、(1)の工事が完了した日から(4日)以内に行わなければならない。

 (4) 都道府県知事が(2)による申請を受理した場合においては、都道府県知事は、その申請を受理した日から(7日)以内に、当該工事に係る建築物の居室内に建築材料等から放散される特定有害物質の濃度が規制基準に適合しているかどうかを検査しなければならない。

 (5) 都道府県知事は、(4)による検査をした場合において、当該建築物の居室内に建築材料等から放散される特定有害物質の濃度が規制基準に適合していると認めたときは、省令で定めるところにより、建築主に対して検査済証を交付しなければならない。


5 改善命令


 (1) 都道府県知事は、建築物の居室内に建築材料等から放散される特定有害物質の濃度が規制基準に適合しないと認めたときは、当該建築物の建築主又は工事施工者に対して、相当の猶予期間を付けて、当該建築物の修繕、模様替又は違反を是正するために必要な措置を講ずることを勧告することができる。

 (2) 都道府県知事は、建築主又は工事施工者が(1)の勧告に従わないときは、当該勧告による措置を講ずるよう命ずることができる。

 (3) (2)に違反した者に対して罰則を科する。


6 その他


 (1) 研究の推進等
   国は、
  イ 特定有害物質が建築物の居室内に建築材料等から放散されることによる居室内の空気環境及び人の健康に及ぼす影響に関する研究
  ロ 特定有害物質の放散の測定方法に関する研究
  ハ 居室内に建築材料等から放散された特定有害物質の除去に関する研究
  を推進し、その成果の普及に努めるものとする。

 (2) 国の措置
 国は、特定有害物質による建築物の居室内の空気環境の汚染の防止又はその除去等を推進するため、これらに関する啓発及び知識の普及、資金の融通又はあっせん、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

 (3) 地方公共団体の措置
 地方公共団体は、国の施策に準じて、特定有害物質による建築物の居室内の空気環境の汚染の防止又はその除去等を推進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (4) 学校等の建築物についての特例
 学校、病院、官公庁施設その他の不特定又は多数の者が利用する建築物の建築主及び工事施工者は、当該建築物を建築する場合又は建築物若しくはその居室の大規模な修繕若しくは大規模な模様替をする場合においては、当該建築物の居室以外の部分についても、当該部分に建築材料等から放散される特定有害物質の濃度が規制基準に適合するよう努めなければならない。


以 上

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