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1999/05/21
地方分権一括法案について
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T 地方分権一括法案についての基本的評価

 豊かな成熟社会の到来とともに、市民と地域の自律的なネットワークが社会の活力を形成する時代を迎えている。また、都市や地方の住民が国境を越えて直接世界と結びつく時代でもある。このような新しい時代には、地域の自主性と市民自治のエネルギーが社会のソフト面での重要な基盤を構成することとなる。民主党は、このような観点に立った分権改革を大胆に進めることこそ、21世紀の新しい国づくりの基本であると考える。

 分権改革とは、単なる制度改革や行政システムの再編を意味するものではなく、国民・住民の納める税金の使い道や行政サービスのあり方について住民の監視が行き届き、住民がその決定に関与できる仕組みや環境を作り上げることこそが重要である。つまり、分権改革の目的は、地域の自己決定と自己責任という自治の基盤をつくり出すことにある。これらの視点を欠いたまま国・地方の形をあれこれといじりまわしてみたり、効率優先の画一的な制度改革を上から押しつけるような議論は、「みせかけの分権あって自治なし」という状況をもたらすだけであり、今日求められている分権改革とはまったく異質のものといわなければならない。

 さて、地方分権改革のための取組みは、周知のように1995年の地方分権推進法の制定によって新たな一歩を記した。この法律によって発足した政府の地方分権推進委員会は、96年12月に提出された第一次勧告で、「機関委任事務の廃止」と「国と地方との間の対等・協力関係」の確立を高らかに謳い上げた。民主党は、これらがまさに明治近代化以来の中央集権システムを根底から変革する可能性を秘めた改革であるとの観点から、地方分権推進委員会の取り組みに注目し、これを積極的に応援してきた。

 しかしながら、今般提出されたいわゆる地方分権一括法案の内容は、あまりにも期待外れの出来ばえといわざるを得ない。

 第一に、本法案の最大の柱である機関委任事務制度の廃止と、それにともなう事務の再編成については、100年以上にわたってわが国の中央集権型行政システムの象徴となってきた同事務を廃止し、それらのほとんどをいわゆる「現住所主義」に基づいて自治体の事務と位置づけたことは評価できるものの、その自治体の事務の自治事務と法定受託事務への区分に際して、中央省庁の頑強な抵抗によって、「原則として自治事務」という考え方からは著しく後退を余儀なくされ、半分近い事務が法定受託事務と区分され、また地方事務官制度のように地方分権の趣旨に逆行して国の直接執行事務と区分されたものも少なくないことである。法定受託事務の定義そのものについても、法案に規定された内容は、委員会の勧告や政府の計画から大きく変更されている。

 第二に、国の自治体に対する関与のあり方の見直しについては、機関委任事務の廃止に伴い、従来の国から自治体に対する包括的な指揮監督権を廃止するとともに、事務区分に応じた関与の類型を地方自治法に一般ルールとして規定したという点は評価できるものの、地方自治法上、自治事務の処理について各大臣からの是正の要求をできることとし(従来は内閣総理大臣のみ)、かつこれに対して自治体に是正・改善の措置を講ずることを義務づけるなど、自治事務について現行法よりも強い国の関与の道を開いていること、いくつかの個別法改正において自治事務に対する国の直接執行などの例外的関与を設けていることである。

 第三に、国の自治体に対する関与について、自治体の執行機関が新たに創設される第三者機関である国地方係争処理委員会に審査の申出を行い、勧告等を受けることができることとされたが、この組織の独立性や権限が十分とはいえないことである。

 第四に、国から地方への権限委譲はわずか35法律の改正にとどまったこと、国から地方への税財源移譲や委員会第五次勧告に盛られた国の直轄公共事業の範囲の縮減など公共事業改革についてはすべて棚上げされたことである。

 以上の通り、本法案は、地方分権推進にとって半歩前進をもたらすものであることは率直に評価するにしても、その内容は本来求められている分権改革という趣旨からは著しく不十分なものと言わざるを得ない。民主党は、これらの不十分点については、個別法改正部分も含めて十分な国会審議を行い、法案修正、今後の方向性の明確化などを行うことが必要であると考える。



U 地方分権一括法案において修正等を要する項目について

1. 新たな事務区分の下での地方自治制度に関する事項

* 法定受託事務の定義の変更(修正)

o 勧告(計画もほぼ同旨)は、「事務の性質上、その実施が国の義務に属し国の行政機関が直接執行すべきではあるが、国民の利便性又は事務処理の効率性の観点から、法律又はこれに基づく政令の規定により地方公共団体が受託して行うこととされる事務」としていたが、法案では「国民の利便性又は事務処理の効率性」という文言が消え、代わって「国においてその適正な処理を特に確保する必要」という文言が用いられ、国の自治体に対する広範な関与を予定する定義となった。また、勧告等に比べて当該事務をなぜ自治体が処理するのかの説明も見当たらない。勧告の文言に沿って定義を修正すべきである。(地方自治法2条 9項)

* 法定受託事務に一律3年程度の期限を付す(修正)

o 法定受託事務については、各個別法の事務区分規定に一律に3年程度の期限を付し、引き続き法定受託事務とする必要があるか否かを再度国会審議する(期限の到来によって事務区分規定が失効すれば法改正しない限り自動的に自治事務に区分変更される)こととすべきである。

o 今後、新規立法等における法定受託事務の創設を厳に抑制することを明記すべきである。

* 個別法改正部分における法定受託事務の書きぶりの変更(修正もしくは確認答弁)

o 個別法における法定受託事務の規定の多く(政令により法定受託事務の指定を行うことを予定する規定についてはおそらくすべて)が、従来の機関委任事務と見紛う書きぶりとなっており、当該法定受託事務について地方自治体議会の条例制定権が及ぶか否かが法文の文言上からは不明確になっている。「○○大臣の権限に属する事務」等を「主務大臣が行うこととされている事務」等に、「都道府県知事(市町村長)」を「都道府県(市町村)」に修正すべきである。もしくは、当該法定受託事務が自治体の事務であり、自治体の条例制定権を阻害するものではないことを各個別法すべてについて明確にする必要がある。

* 政令による法定受託事務創設の限定、内容の明確化(確認答弁)

o 一定の事務を政令委任によって地方公共団体が処理することとし、かつ法定受託事務とするというような場合には、法律によるコントロールは限りなく希薄となるおそれがある。政令委任による法定受託事務の創設については、個別法改正部分での審議を通じてできるだけ内容をあらかじめ明確化させる必要がある。また、これまで通達・告示で行われていたものが政令化される場合には、それによって自治体への拘束が強まるおそれがあるため、政令の内容はできるだけ緩やかなものにさせる必要がある。

* 法定受託事務となる事務の削減(修正)

o 河川法改正において、二級河川に関して都道府県が処理することとされている事務(流水占有料等の徴収に関するもの等を除く)及び第16条の3の規定に基づき市町村が処理することとされている事務を都道府県又は市町村が処理する法定受託事務とすることとしているが、二級河川については一の都道府県内で完結していることがほとんどであり、その管理については国が本来果たすべき役割であるとは言いがたい。委員会第五次勧告でも国庫補助金の廃止が盛り込まれるなど、二級河川の管理に関する国の関与の意義は薄れつつある。これらのことから、当該事務については、自治事務とすべきである。(河川法の関係規定)

o 個別法に根拠規定を置く社会福祉法人や私立学校の認可が法定受託事務とされたが、民法上の公益法人の設立許可自体が自治事務とされたこと、制度の全国的整合性の確保や憲法89条[公の財産の用途制限]の要請については法律で認可基準等を適切に規定することにより十分充たすと考えられるため、これらは都道府県等の処理する自治事務とすべきである。(社会福祉事業法29条1項、私立学校法31条1項)

o 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正部分において、産業廃棄物処理行の許可・監督等は法定受託事務とされたが、全国的整合性は法律で許可等の基準を適切に定めることにより確保できると考えられるため、都道府県及び市町村の自治事務とすべきである。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律 14条、18〜19条の4等)

* 国の直接執行事務となる事務の削減(修正・修正検討)

o 駐留軍用地特別措置法における土地等の使用・収用に関して都道府県知事・市町村長が処理している事務を内閣総理大臣の直接執行事務にすることとしているが、現在その是非を検討中。(駐留軍用地特別措置法13〜14条)

o ガス事業法、電気事業法における土地の立入及び植物の伐採の許可等に関して都道府県知事が処理している事務を通産大臣が行う国の直接執行事務にすることとしているが、当該規定がトラブルがあった時のみを想定しており、ほとんど発動されることのない事務であることを踏まえ、当該規定を削除すべきである。(ガス事業法43〜44条、電気事業法58〜61条)

o 物価統制令における統制額の指定を国の直接執行事務にすることとしているが、同令が昭和48年以降発動された実績がなく、発動要件も厳しくなっていることから、同令そのものの存在意義が薄れていることを踏まえ、今後3年程度の期間内に同令の必要について廃止も含め再検討を行うべきである。(物価統制令)

* その他(修正)

o 学校教育法において、基準の設定等の事務を行う監督庁は、当分の間、文部大臣、都道府県教育委員会、都道府県知事とされていたが、今回の改正においてこの監督庁を文部大臣、都道府県教育委員会、都道府県知事と明確化することとしている。しかし、これは従来からの中央集権的教育行政の現状を追認するのみで、地方分権の方向への改正とは言いがたいことから、これらの改正部分については期限を付して改めて抜本的見直しを行うこととすべきである。(学校教育法の現行106条に係る各条)

o 生活保護法において、保護の実施機関が「要保護者」の自立助長のための相談及び助言を行うことができる(自治事務)旨が規定されることとなったが、勧告・計画では「要保護者」ではなく「被保護者」の自立助長のための相談・助言等の援助事務を自治事務とすることとされていた。法案の書きぶりでは、、「要保護者から求めがあったとき」「相談に応じ、必要な助言をすることができる」という規定の仕方であり、たんに現状の窓口事務をそのまま記述したに過ぎないことから、勧告・計画通り「被保護者」と改めるべきである。(生活保護法27条の2)

2. 地方事務官制度の見直し

* 地方事務官の地方移管(修正)

o 機関委任事務として都道府県、市町村で事務執行している社会保険行政について、法案では、「国の直接執行事務」と事務区分を整理し、地方事務官を厚生事務官とすることとしている。しかし、国の直接執行事務とすることについては、地方分権の推進に逆行し、中央省庁のスリム化に反するだけでなく、・現在全国3,300自治体の窓口と312の社会保険事務所で行われている事務を、もっぱら社会保険事務所で事務執行することとなり、地域住民に対するサービスは低下する・そのため、国民年金の未納・未加入によるいわゆる空洞化が一層進み、ひいては年金制度の破綻を招きかねない――という問題がある。したがって、地域住民の利便性や事務の効率化の観点からも、都道府県及び市町村の法定受託事務として事務執行すべきである。(健康保険法、船員保険法、社会保険診療報酬支払基金法、厚生省設置法、社会保険医療協議会法、社会保険審査官及び社会保険審査会法、厚生年金法、国民健康保険法、国民年金法、健康保険法等の一部を改正する法律、国民年金法等の一部を改正する法律等の関係規定)

o 現在その事務に携わる職員(地方事務官)については、都道府県の職員とすることとし、そのために必要な経過措置を設ける。(地方自治法、地方公務員法、地方公務員等共済組合法等の関係規定)

3. 普通地方公共団体に対する国の関与の縮減

* 自治事務への新たな関与条項の削除(修正)

o これまでも自治事務について内閣総理大臣からの是正の要求が認められていた(現行地方自治法246条の2)が、法案では、国から是正の要求があった場合の「自治体の是正改善義務」が新設されている上、関与の主体も内閣総理大臣から「各大臣」に変更された。これらは、自治事務に対する国の関与を現状よりも強化するものであり、少なくとも自治事務についての是正の要求に対する自治体の是正改善義務の規定は削除すべきである。あわせて、個別法上の同旨の確認規定も基本的に削除すべきである。(地方自治法245条の5、個別法上の同旨の確認規定=不当景品類及び不当表示防止法9条の6;2項、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律28条3項、同5項、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律38条3項、同5項、漁港法19条4項、港湾法38条7項、同44条5項、同47条2項、道路法26条3項、同75条4項、土地区画整理法126条2項、道路整備特別措置法 15条5項、住宅地区改良法33条2項、新住宅市街地開発法41条3項、流通業務市街地の整備に関する法律44条3項、都市再開発法126条3項、新都市基盤整備法60条3項)

* 自治事務への代執行・基本類型外関与の排除についての規定の明確化等(修正)

o 「関与の基本原則」で、自治事務について、代執行と基本類型外の関与を横並びにした上で「できる限り」これらを受けないようにしなければならないとしているが、少なくとも代執行は自治事務については「できる限り」という曖昧な表現ではなく、あってはならない旨を明確にすべきである。(地方自治法 245条の3)

* 自治事務についての個別法上の国の指示・直接執行規定等の削除、要件の厳格化(修正・修正検討・確認答弁)

o 個別法上設けられる自治事務への指示などの基本類型外の関与は、地方自治法上の関与の基本原則で「できる限り」受けることのないようにしなければならないとされているものであり、全般的にその要件等の厳格化、不要な規定の削除を行うべきである。

o 個別法としての地方自治法改正部分において、自治大臣が地方自治体の組織・運営の合理化のために指示・実地検査等を行うことができるとする規定があるが、自治大臣と地方自治体との関係といえども基本的に地方自治法上の関与の一般ルールに従うべきであり、こうした規定は削除すべきである。(地方自治法252条の17の5;2項、同252条の17の6〜7)

o 自治事務への基本類型外の関与である個別法上の指示については、政府の分権推進計画でも「国民の生命、健康、安全に直接関係する事務の処理に関する場合」「広域的な被害のまん延防止の観点からの事務の処理に関する場合」等特に必要と認められるときに限るとされている。これに対して、いくつかの個別法上、「国の利害に重大な関係がある事項に関し、必要があると認めるとき」等に指示をできるとする規定が置かれているが、上記の計画の例示よりも要件が漠然としており、国のどの程度の利害かも判然としないことから、具体的に限定・明確化を図るべきである。(国土利用計画法13条1項、建築基準法 17条1項、同8項、土地収用法27条3項、土地区画整理法3条4項、都市計画法24条1項等)

o また、上記指示に都道府県等が従わない場合に、自治事務への基本類型外の関与である「国の直接執行」を行い得るとする個別法上の規定については、最も権力的な関与である法定受託事務への代執行と同様の効果を持ち、自治体の権限に対する侵害の程度がきわめて大きいことから、計画通り「国民の利益を保護する緊急の必要がある場合」に厳しく限定すべきである。(国土利用計画法13条2項、建築基準法17条7項、同12項、土地収用法27条4 項、土地区画整理法3条4項、都市計画法24条4項等)

o 自治事務への国の直接執行のうち、国が都道府県知事と並行し、相互に密接に連携して民間機関等への報告徴収・立入検査・処分等を行うことができるとする規定についても、特に処分性のあるものについては計画通り「国民の利益を保護する緊急の必要がある場合」に要件を厳格化するとともに、不要の規定については削除すべきである。(児童福祉法59条の5、※あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律13条の2、医療法71条の 3、身体障害者福祉法43条の3、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律51条の13、毒物及び劇物取締法23条の3、国民健康保険法45条の2、同 119条の3、知的障害者福祉法30条の2、薬事法81条の2、老人福祉法34条の2、母子保健法27条、※柔道整復師法25条の2、廃棄物の処理及び清掃に関する法律24条の3、介護保険法203条の2、※国際観光ホテル整備法12〜13条、同44条等。※は規定自体を削除すべきもの)

* 行政監察に関連する地方公共団体の業務に対する調査規定の削除等(修正)

o 総務庁設置法改正部分において、行政監察に関連し、第一号法定受託事務に該当する地方公共団体の業務の実施状況について総務庁が調査を行い得ることとされ、この場合、あらかじめ関係地方公共団体の意見を聴くこととされているが、当該規定については、削除するか、自治体が調査を拒否できることとする。(総務庁設置法4条1項13号の2、5条6項)

* 個別法による法定受託事務についての代執行(代行)規定の削除等(修正検討)

o 法定受託事務についての代執行は、地方自治法の関与の一般ルールで執行可能であり、個別法による代執行等の規定は削除するか、もしくは自治体が裁判に持ち込める規定を個別法に追加することを検討する。(駐留軍用地特別措置法のうち都道府県の法定受託事務とされる事務に関する部分、自衛隊法103条 1項ただし書き、農地法89条3項、公共用地の取得に関する特別措置法38条の3)

* 第三者機関=国地方係争処理委員会の組織強化等(修正)

o 法案の内容では、独立性、権威性に欠けると言わざるを得ないことから、3条委員会に格上げするとともに、その権能として、勧告ではなく裁定を行い得ること(あるいは、「必要な措置を講ずべきことを勧告する」を「是正又は改善すべき具体的な措置を勧告する」と改め、勧告を具体的措置内容に及ぶことができるものとする)等とすべきである。また、勧告の別添資料で提案されたように、親委員会が事案ごとに適切な委員を選任するという方式も取り得ること等の修正を行う。(地方自治法250条の7〜20)

4. 必置規制の見直し

* 都道府県・市町村都市計画審議会についての政令による基準の削除(修正)

o 現在、都道府県に設置される都市計画地方審議会については、委員として任命すべき者が政令の基準によって学識経験者、国の関係行政機関の職員などと定められており、本法案でも、都市計画地方審議会の名称を変更した都道府県都市計画審議会及び今回新たに法定され設置しうることとなる市町村都市計画審議会の組織及び運用について「政令に定める基準」に従うよう規定されている。自治事務に対するこのような規制は地方分権にまったく逆行するものであり、特に市町村都市計画審議会については、従来各自治体の判断で行われていた住民からの公募委員の登用等ができなくなるなどのおそれもあることから、当該部分については削除することとする。(都市計画法77条、同77条の2)

5. 地方公共団体の行政体制の整備・確立

* 議員定数に係る法規定の削除(修正)

o 法律案では、議員定数の条例化といいながら法定上限の引き下げにより減数を強制している。分権の観点からは、議員定数はもっぱら条例で定めることとすべきであり、当該規定を削除すべきである。(地方自治法90条、91条2項、同3項)

* 臨時議会招集請求要件の緩和(修正)

o 勧告は臨時議会招集請求要件の緩和を求めたが、自治省はこの点を現行法の「付議すべき事件」の特定についての解釈問題と矮小化し、法案には盛り込まなかった。地方自治体は、国とは異なり首長と議会が二元代表制をとっていることに鑑みると、地方議会の議長にも臨時議会招集権限を付与することとするのが適当である。(現行地方自治法101条「普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集する。議員定数の四分の一以上の者から会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集の請求があるときは、当該普通地方公共団体の長は、これを招集しなければならない。」)

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