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1998/10/06
永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案骨子
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第一 総論

一 永住外国人を対象

 選挙権等を取得することができる者は、次のいずれかに該当する者(以下「永住外国人」という。)とする。

1. 出入国管理及び難民認定法上の永住者の在留資格をもって在留する者(いわゆる一般永住者)

2. 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法に定める特別永住者


二 選挙権等の取得に関する申請主義の採用

1. 永住外国人であっても当然に選挙権等を付与することとはせず、選挙権等を取得するには、住所地の市町村の選挙管理委員会に申請をし、永住外国人選挙人名簿の登録を受けなければならないこととする。ただし、一度永住外国人選挙人名簿への登録を受けた者は、別の市町村に転居した場合に改めて申請をしなくても新住所において選挙権を取得するものとする。

2. 永住外国人選挙人名簿の登録は、年齢満二十年以上の永住外国人(選挙犯罪等により公民権停止中の者を除く)で当該市町村の区域内に引き続き三箇月以上住所を有するものについて行うこととする。


三 付与する権利及び資格の範囲

1. 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙の選挙権(被選挙権及び国政選挙の選挙権は対象としない。)

2. 条例の改廃・制定請求、監査請求、解散及び解職の請求等各種の直接請求権、公職の候補者の推薦届出をする権利

3. 投票立会人、開票立会人、選挙立会人、人権擁護委員、民生委員、民生委員推薦会委員及び児童委員への就任資格



第二 永住外国人選挙人名簿

一 日本国民を対象とする選挙人名簿に準じ、選挙権を有する永住外国人を対象とする永住外国人選挙人名簿の制度を創設し、市町村の選挙管理委員会において調製及び保管を行うこととする。

二 永住外国人選挙人名簿の登録は、初めて登録を行う永住外国人についてはその申請により、登録されたことのある永住外国人については職権により行うこととする。


第三 選挙及び直接請求の手続

 永住外国人の選挙権の行使及び直接請求は、公職選挙法及び地方自治法の定めるところにより日本国民と同じ手続により行うこととし、これに伴い必要な規定を設けることとする。


第四 施行

 この法律は、永住外国人選挙人名簿の登録に関する部分は公布の日から一年以内で政令で定める日から、投票及び直接請求への参加に関する部分は公布の日から一年六月以内で政令で定める日から施行することとする。

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