鳩山由紀夫幹事長は19日午後、党本部で定例の記者会見を開催し、共謀罪の強行採決を諫めた河野衆議院議長の発言や、靖国神社参拝問題をめぐる安倍官房長官の発言などについてコメントした。
鳩山幹事長はまず、共謀罪をめぐる動きについて、河野議長が、民主・自民・公明各党の国会対策委員長を呼んで会談を行った内容について言及。議長が、先日の党首討論において、慎重に十分な時間をかけて審議を行い、強行採決は基本的にすべきではないなどという総理の答弁があったことも引用しながら、特に共謀罪は「国際条約にもとづく国内法の整備であり、与野党が激突をする形はいかがなものか」として、「もっと慎重に時間をかけてやりなさいという言葉があった」ことを紹介。「それを受けた形で、今日は激突は回避」され、「与党による共謀罪についての強行採決は無くなった」ことを指摘した。
その上で鳩山幹事長は、「議長の言葉は大変重いものだ」として、医療制度改革関連法案では強行採決があったが、「これからはこのような重要法案に対して、強行採決はされるべきではない」とするとともに、「決して強行的な採決を行ってはならないということが、議長によって発言をされ、その方向で与野党で決着を見た」と指摘。「来週においてもそれ以降においても、強行採決は無くなったとわれわれは判断をしている」と与党側の動きに厳しく釘を刺した。
与党側が出した再修正案についても、「必ずしも十分なものではない」とし、「字面を変えても内容はほとんど変わらない」との厳しい見方を展開。わが答案を完全に丸飲みするという方向になることを期待するとした。更に鳩山幹事長は、この問題に関して記者団の質問に答え、「来週以降も、もし与党側が今のような状況の下で修正のそぶりを見せて強行に採決しようとするならば、衆参挙げて阻止をしなければならないと考えている」との考えを示した。
安倍官房長官が昨日の記者会見で、自民党総裁選で靖国神社参拝問題は議論すべきではないなどと発言したとされる問題についても鳩山幹事長は言及し、この問題は「国内問題でもあるが、海外からも大変注目されている問題だ」とし、「こういった問題こそ、大いに議論されて然るべきだ」と指摘。安倍官房長官の発言を、「信じられない発言」だと批判した。
緊急事態法に関して与党側が、法案にする必要はないという返事を松本剛明政策調査会長に対して返してきたことも鳩山幹事長は取り上げ、「大変けしからん話で約束違反だ」と厳しい口調で批判。3月14日付けで、渡部恒三国会対策委員長と自民党の細田国対委員長との間で、4月中をめどに三党間の調整に努め、その結果を踏まえ、政府をして速やかに法案の作成作業にあたらせ、今国会中に法案の成立をめざすとの文言を署名入りで交わしている事実を指摘した。そして鳩山幹事長は、やりたくないものは先延ばしして、結局潰してしまえという常套手段だとし、「約束違反に対しては断固抗議をする」と厳しい口調で語った。
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