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2001/02/20
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案
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 参議院の共生社会調査会の下に、昨年の4月に「女性に対する暴力に関するプロジェクトチーム」を設置することができ、多くの方からヒアリングも重ね、民主党案なども参考にし、法案作りを進めてきました。
 これまで27回にわたってプロジェクトチームでつっこんだ議論をした結果、被害者の人権を守る新しい法律の案をまとめることができました。
 接近禁止等の保護命令と、被害者の相談や一時保護に24時間体制であたるセンターの設置を柱としたものです。
 とにかくこの国会で最低限のものは盛り込んだ法律を作り、3年後に見直す規定も盛り込みます。
 3月末か4月初めには国会提出を予定しています。

 以下が法案の骨子です。


配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案骨子(案)の概要

 この法律案は、配偶者からの暴力が、犯罪となる行為であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかったこと、配偶者からの暴力の被害者の多くが女性であり、個人の尊厳及び男女平等を侵害する行為であること等にかんがみ、配偶者からの暴力の防止並びに被害者の保護及び自立支援を図るために制定するものであり、その概要は次のとおりである。

一 国及び地方公共団体の責務

 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有するものとする。


二 配偶者からの暴力相談支援センター

1. 都道府県は、婦人相談所その他の施設において、当該各施設が配偶者からの暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。
2. 同センターでは、配偶者からの暴力に関する相談に応じ、被害者及びその家族に対し、カウンセリング、一時保護、自立して生活することを促進するための情報提供、シェルター(被害者等を居住させ、その配偶者から生命・身体に危害を加えられることを防止する施設)の利用についての情報提供等を行うものとする。


三 被害者の保護

1. 通報等

(1) 生命又は身体に危害を及ぼすと認められる配偶者からの暴力を受けている者を発見した者は、配偶者からの暴力相談支援センター・警察官に通報するよう努めるものとする。医師等については、配偶者からの暴力による傷病者を発見した場合に、その者の意思を尊重しつつ、通報できることを明らかにする。
(2) 医師等は、配偶者からの暴力による傷病者に対し、配偶者からの暴力相談支援センター等の利用についての必要な情報を提供するよう努めるものとする。

2. 配偶者からの暴力相談支援センターによる保護

  配偶者からの暴力相談支援センターは、通報・相談を受けた場合において、必要があると認めるときは、被害者・その同伴する家族の一時保護・一時保護の委託をするほか、被害者に対し、同センターの業務の内容について説明・助言を行い、必要な保護を受けるように勧奨するものとする。

3. 警察官による保護

  警察官は、通報等より配偶者からの暴力が行われていると認めるときは、法令の定めるところにより、暴力の制止等配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


四 保護命令

(1) 被害者が更なる配偶者からの暴力により生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、6月間の被害者への接近禁止又は2週間の住居からの退去を命ずることができるものとする。
(2) (1)の申立ては、一定の事項を記載した申立書を、被害者又は配偶者の住所等を管轄する地方裁判所に提出して行うものとする。
(3) 裁判所は、被害者が配偶者からの暴力相談支援センター・警察に保護等を求めた事実があるときは、当該機関に対し、保護等を求めた際の状況及び当該機関が執った措置の内容を記載した書面の提出・説明を求めることができるものとする。
(4) (3)に掲げる事実がないときは、申立書に、公証人の面前で宣誓の上で認証を受けた配偶者からの暴力に関して作成された供述書を添付するものとする。
(5) 裁判所は、(1)の事件については、速やかに裁判するものとする。
(6) 命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するものとする。

五 その他

1. 民間シェルター等に対する必要な援助についての規定を置くものとする。
2. 職務関係者の配慮及び研修、教育及び啓発、調査研究の推進に係る規定を置くものとする。



女性に対する暴力に関するプロジェクトチーム活動経過

(1)平成12年4月26日共生社会に関する調査会理事会の下にプロジェクトチーム設置
座長、副座長の互選
(2)平成12年5月10日今後の進め方について協議
(3)平成12年5月17日各省庁に対する資料要求、活動計画について協議
(4)平成12年5月24日勉強会 近藤恵子氏(女のスペース・おん世話人代表)
阿部裕子氏(かながわ・女のスペース"みずら"事務局長)
各省庁に対する資料要求決定
(5)平成12年7月5日強会 警察庁、法務省、厚生省
(6)平成12年7月7日勉強会 柴田幸子氏(神奈川県婦人相談員)
岸信子氏(東京都女性相談センター所長)
(7)平成12年7月31日勉強会 寺尾美子氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
総理府、法務省、厚生省
(8)平成12年8月4日勉強会 長谷川京子氏(弁護士)
増田生成氏(国立国会図書館専門調査員)
(9)平成12年8月9日今後の進め方、新規立法作成について協議
(10)平成12年9月7日勉強会
新規立法のたたき台作成のための討議
(11)平成12年9月26日新規立法のたたき台作成のための討議
(12)平成12年9月28日勉強会 戒能民江氏(お茶の水女子大学生活科学部教授)
(13)平成12年10月26日新規立法のたたき台作成のための討議
(14)平成12年10月30日新規立法のたたき台作成のための討議
(15)平成12年11月6日新規立法のたたき台作成のための討議
(16)平成12年11月13日新規立法のたたき台作成のための討議
(17)平成12年11月27日新規立法のたたき台作成のための討議
(18)平成12年12月13日新規立法のたたき台作成のための討議
(19)平成12年12月26日AM新規立法のたたき台作成のための討議
(20)平成12年12月26日PM新規立法のたたき台作成のための討議
(21)平成13年1月18日新規立法骨子作成のための討議
(22)平成13年1月30日新規立法骨子作成のための討議
(23)平成13年2月6日新規立法骨子作成のための討議
(24)平成13年2月13日新規立法骨子作成のための討議
(25)平成13年2月15日新規立法骨子作成のための討議
(26)平成13年2月20日新規立法骨子作成のための討議

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