民主党
(税 制)
1.税制支援を認めるNPO法人の要件
1. 法人格を取得してからの年数
* 特定非営利活動法人格を取得して1年が経過している団体とする(ただし、1年未満の法人についても、仮認定の制度を検討する)
2. 活動要件(支出・収入要件等)
* 支出要件
o 特定非営利活動に対する支出が、支出全体の50%以上であること
* 収入要件
o 市民からの会費・寄付金、財団や基金からの助成、政府・自治体からの補助金、不特定多数を対象とした特定非営利活動による収入の合計が全体の収入の3分の1以上を占めること
* 活動要件
o 法人がその法人の役員等(社員、その親族を含む)との間での金銭の貸付、資産の譲渡、財産の運用、事業の運営等に対して特別の利益を与えないこと
o 資金源、資金募集プログラム、事業内容、有料サービスの料金体系、サービス提供要件などが、団体の目的や不特定多数性(主たるサービスが一般に開かれていること)に適合すること
o 他の団体の実質的な支配にある場合には、その支配関係が目的に沿ったものであること(他の団体の隠れ蓑的団体ではないこと)
* 情報公開
o 役職員の給与(それぞれ上位5名)の公開
o 資金源、資金募集プログラム、事業内容、有料サービスの料金体系、サービス提供要件など
2.税制支援の適正を審査する機関
1. 国税
【A案】 独立した第三者機関を設置する
* 認定は、認定の過程を明らかにし、NPOに対して説明責任を課す
* 認定に対する再審査手続を保障する
* 認定手続だけではなく、認定後の事後チェックを重視
* 独立した第三者機関が3年ごと(ただし、初回は2年とする)に認定を見直し、その際には税務当局と連携する(意見を聴取する)
【B案】 都道府県知事が認定する
2. 地方税
* 各地方自治体の裁量(条例)に委ねる(チェックの体制を含めて)
※ 「第三者機関を設置できる」とする方法も考えられる
3.税制支援制度の内容
1. 課税対象・税率
・課税対象
* 法人税法上の収益事業につき課税する
※ ただし、本来事業と密接不可分の事業については非課税措置を検討する
※ その際には、みなし寄付金控除の割合も再検討を要する
※ 将来的には、すべての事業に課税し、本来の活動への支出については損金算入する方向で検討する
・税率(現行30%、ただし800万円まで22%)
* 公益法人並(22%)とする
2. 寄付金枠
・寄付の枠組み
* 他の寄付制度とは別の枠を認める
・個人の寄付金枠
* 所得控除と税額控除の選択を認める
o 所得控除
所得の20%までとする
o 税額控除
所得税額の25%または12万円のいずれか低い額とする
税額控除は、寄付金の50%とする
o 全体の寄付金枠の制限〜総所得金額の25%まで
* 「1万円を除いた額」という制限は廃止する
* 年末調整の対象とする
o 法人の寄付金枠
* 損金算入限度額の50%の範囲内で、一般の損金算入限度額とは別枠でその寄付金を損金への算入を認める
3. みなし寄付金控除
* 法人税法上収益事業での所得については、その所得を非収益事業に支出した場合は、所得の40 %までの支出額をみなし寄付金として収益事業の損金に算入できることとする
4. 利子・配当等の源泉所得税
* 収益事業については課税、本来事業については非課税とする
5. 地方税
・個人住民税
* 地方自治体に委ねる
・法人住民税・法人事業税
* 地方自治体に委ねる
6. ボランティア活動の費用についても控除を認める
7. 検討課題
・相続税
・NPOに不動産を寄付した場合のみなし譲渡所得税
※ 上記の特定非営利活動法人に対する優遇措置に限定せず、公益寄付金税制の抜本改正により、税金の使途を国民自らが選択できる税制によるNPO支援税制を構成すべきとの提案があり、今後検討を進める。
(その他)
1.通信(インターネット、郵便)
・ 通信料金の割引、インターネットプロバイダ設立の支援等を検討する
・ 第三種郵便とは別に、NPOが利用しやすい郵便割引制度を創設する
2.法人の立ち上げ資金の融資など
3.その他
以 上
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