交通基本法案骨子のハブリックコメントにファックスやメールなどでご意見をお寄せいただき、まことにありがとうございました。いずれも真剣なご提案でありまして、私たちも皆様から寄せられた大きな期待をしっかりと受け止め、骨子を一部修正の上、法案としてとりまとめたいと考えております。よろしくお願いいたします。
<交通基本法案骨子への意見(概要)>
コメント数
■59件(2002年3月15日現在)
質問に対する回答
(問) 法案骨子では、日常生活に欠くことのできない円滑かつ安全な移動(=移動の権利)をすべての国民に具体的権利として保障することとしていますが、この点についてどのように考えますか。
(1)保障すべき (2)保障すべきだが法律で明記する必要はない
(3)保障すべきではない (4)その他
(1)21 (2)1 (3)2 (4)0
(問) 法案骨子では、現在ばらばらに計画されている、陸・海・空の交通整備のあり方について総合的に検討する「交通基本計画」を国が策定することにしていますが、この点についてはどのように考えますか。
(1)総合的な計画は必要 (2)現状でよい
(3)地方分権すべき (4)その他
(1)20 (2)0 (3)2 (4)2
(問) 法案骨子では、交通による環境負荷の低減を基本理念として掲げていますが、この点については、どのように考えますか。
(1)交通の環境負荷低減は必要 (2)現状のままでよい
(3)交通の発達による環境負荷は容認すべき (4)その他
(1)23 (2)0 (3)1 (4)0
(問) 法案骨子では、一般の公共交通機関の利用が困難である人たちに対して、個
別的な移送サービス(=STS)を地方公共団体が確保すべきであるとしていますが、
この点についてはどのように考えますか。
(1)STSの確保は必要 (2)地方が独自に判断すべき
(3)STSの確保は不必要 (4)その他
(1)13 (2)4 (3)3 (4)2
(問) 法案骨子では、交通条件に恵まれない地域についての交通施設の整備を国の施策として掲げています。過疎地域の公共交通の維持について、どのように考えますか。
(1)公共交通の維持は必要 (2)公共交通、特に鉄道の維持は不可欠
(3)国・地方の関与は最小限とすべき (4)市場に委ねるべき
(5)過疎地域に公共交通は不要 (6)その他
(1)14 (2)3 (3)2 (4)0 (5)2 (6)1
その他の意見
■目的(第1)
* 基本法で目指すべき方向性が明確になっていない
* 交通の社会的意義が増大していることを明記すべき
* 目的に、多岐にわたる交通モードを、国土交通体系全体の広い視野で捉え、モード間横断的に全体最適化を図り、総合的な国土交通体系の整備を推進することを目的とする旨をより明確にすべき
■移動に関する権利(交通権)(第2)
* 交通権を全ての人に保障すべき
* 交通権の概念があいまい
* 「健康で文化的な最低限度」の保障では不十分
* 交通権を法律で明記すると、明記されない部分を規制する口実になる
* 交通の確保は衣食住と同程度に重要
* 近くに安全に障害なく行き来できる交通政策が必要
* 性別、ハンディキャップの有無にかかわらず、外国人にも快適に公共交通機関を利用できる法案を策定すべき
* 移動の自由を保障する以上、国民生活に最低限必要とされる交通手段の提供は、「ユニバーサル・サービス」として位置づけられるべき(その維持のために発生する追加的費用については、全国の交通事業者に負担を求めるのが望ましい)
* 「移動」は権利であるが、「移動手段」は無制限な権利ではなく規制が必要
* 交通権は、環境への配慮も十分に行った上で保障すべき
* 移動制約者とりわけ、身体障害者に対する今現在の差別状況の打開をすべき
* フランスでは交通権を規定した「国内交通基本法」が策定されている
■基本理念(第3)
* 交通による環境負荷の低減は必要
* 基本理念に、「環境的・経済的に持続可能」を加えるべき
* 環境負荷を市場に組み込むために、炭素税の導入が必要
* 環境保護の視点が弱い
* 便利さの追求と同時に、環境への対策・人間の安全を考慮して、脱車社会を目指すべき
* 「過度に自家用自動車交通に依存する社会からの脱却」を基本理念にうたうべき
* 横断的政策決定の必要性を強調すべき
* 縦割り行政が解消されないのではないか
* 自転車を位置づけるべき
* 車椅子を位置づけるべき
* 基本理念実現のために国又は地方公共団体が責務を果たす際に必要な費用及び投資について、国又は地方公共団体の負担の範囲に関する考え方を定めておく必要がある
* 交通権の保障が経済問題にすり替えられるおそれがあるため、費用効果分析は不要ではないか
* 交通網の整備は、あくまでも利用者の視点に立って進められるべき
* 交通政策についても、受益者負担の原理をつらぬくべき
* 国際競争力維持及び強化ではなく、国際社会における地位の維持及び強化を図るべき
■国等の責務(第4)
* 責務規定があいまい
* 事業者の責務として、交通労働者の労働環境の維持・向上も規定すべき
* 単に市場に委ねては公共財が成り立つはずがなく、公共財への国家の責任と理念をはっきり本法案に盛り込むべき
* 国の責務として、「事業活動に従事する者の労働条件の適正化に関する必要な措置を講じる」との内容を盛り込み、事業者の責務として「国の講じる措置を遵守し、良質なサービスを提供する」との内容を盛り込むべき
* 国の役割に「市場を通じては確保できない移動を確保するための手段の多様化」を加えるべき
* 「交通」は、国・都市の基盤として捉え、政府・地方自治体が主体的に整備・維持を行うべき
* 当該事業が公的事業主体により実施される場合、その効果に関する公正な評価を促すために、適切な情報開示を行う責務があることを定めておく必要がある
■交通基本計画(第7)
* 総合的な計画は必要であるが、交通インフラの整備はこれ以上必要ない
* 社会の構造の青写真をまず作り、それを実現するための手段として交通体系を設計すべき
* 交通には優先順位が必要(通行上、安全面、予算配分、施設整備など)
* 交通基本計画は、交通利用者の利便性を重視し、一体的かつ効率的な交通網の整備を目指すべき(当該計画は、陸路・海路・空路の交通手段の連結及び相互補完機能を充分に考慮した上で、策定されるべき)
* 物流を担う交通機関を規定すべき(深夜電力を利用した鉄道輸送など)
* 環境負荷の大きい、エネルギー効率の悪い自動車による移動や物流は、必然的に使用できなくなるので、早い時期から使用を規制すべき
* 自動車関連税を使い、自家用自動車に頼らない交通網の整備が必要
* 適切な環境規制と共に、負荷分を市場価格に内部化する(環境負荷の多寡に応じて利用者の支払う価格に転嫁する)措置が必要
* 法律全体が中央集権的ではないか(地方分権色が薄い)
* 費用効果分析・事後評価について具体的に言及すべき
* 専門家による委員会の位置づけを明確にすべき
* 事業者や労働者、国民の代表を含めた有識者を委員とする審議会等を設置し、その意見を聴いて策定するなど、その手段をより具体的に記述するべき
* 計画策定の際の国民の意見聴取規定を具体的にすべき
* 交通政策の策定、実施にあたっては、運輸事業者の健全な自立経営に十分配慮し、公正で透明性のあるルールの下で執り行われるべき
* 県単位での住民投票を重視すべき
* 計画について、国と地方自治体の役割分担を検討すべき
* 交通基本計画の変更スパンを「随時」に変更すべき
■交通に関する基本的施策(第8)
* できる限り法制定の趣旨を各主体の施策において具体化すべき
* 必要な措置を講じない場合の制裁措置がない
* 国及び地方公共団体は諸施策の実施に当たり、事前に費用対効果を厳密に評価した上で、効率的な資源活用に向けた努力をすべき
* 物流に関する規定が欠けている
* 日本経済活性の根幹を握る物流体系の改革は最も重要
* 公共交通機関の料金が高い
* 交通施設に恵まれない地域の交通施設整備は地方自治体が行うべき
* 交通機関に恵まれない地域の交通機関の整備には金がかかりすぎる
* 過疎地の交通を維持するより移動困難者の転居を進めるべき
* 交通政策の策定、実施は、地方の事情にもっとも適合した形でなされるべきであり、具体的な政策策定は、可能な限り地方の当事者の参加によって行われるべき
* 具体的な交通政策の策定にあたっては、地方公共団体が主体となり、住民、利用者、運輸事業者の労使等、交通に密接に関わる当事者の参加による協議会を設置し、透明性ある協議プロセスの環境づくりを確保すべき
* 交通政策の策定、実施は広域連携も十分に視野に入れて対応するべき
* STSの費用負担については別途、検討する余地がある
* 移動制約者については、知的障害・精神障害を含めることを明記すべき
* 当該地域における生活密着型の交通手段の確保については、個別地域毎の利用者の利便性に応じた対策が講じられるべき
* 国の役割に「地域内に完結する交通に関する権限を地方に分権する」ことを加えるべき
* 国と地方の役割分担は、地方分権の趣旨に照らして、セグメント化すべき
* 移動制約者の身体の負担を軽減するだけではなく、精神的な負担の軽減も必要
* 地方自治体の施策にある「既存の公共交通機関」の「既存の」が不要
* 国・地方公共団体・事業者が交通に関する施策を行うにあたっては、利用者の声を反映し、関係者間の合意を形成する手続を採るべき
* 国・地方自治体・事業者が交通施策を行うにあたっての合意形成手続に関する内容を公開すべき
* 国・地方自治体・事業者の施策に対する利用者の異議申し立て手続が必要
■各交通モードに関する意見
1.総論
* 税金の無駄使い、環境破壊が交通施設設置の名を借りて行われている
* 鉄道、バス、自転車などの交通に切り替える政策を行うべき
* 道路予算の削減と整備新幹線を含む高速鉄道網の整備推進を行うべき
* 交通インフラの整備が日本では遅れている
2.鉄軌道
* 鉄道の活性化に対して鉄道会社に任せるだけではなく、地方自治体も積極的に責任を持つべき
* 女性専用車両をつくるのであれば、男性専用車両もつくるべき
* 鉄道内での犯罪防止のために鉄道の各車両内に警備員を配置すべき
* 鉄道駅におけるホームドアの設置を推進すべき
* 鉄道駅舎のバリアフリー化を進めるべき
* 新幹線整備計画が採算や地方の活性化とは無関係で利権の温床と化している
* 在来線の強化拡充をすべき
* 在来線を高架化等により完全に道路網と分離すべき
* 在来線を物流の中でもっと利用し、環境問題やエネルギー問題の一つの解決手段とすべき
* 市街地でのLRTの導入を行うべき
3.バス
* 自治体公共バス利用促進のために、所得に応じて、「自治体治体公共バス(市町村営バス)の利用および輸送推進目的税」を導入し、バス料金を無料とすべき
4.自動車・道路
* 都市部における交通量の規制を行うべき
* 自家用車による通勤等自動車利用を法律で規制すべき
* 1世帯の自動車保有台数に制限を設けるべき
* 優遇税制やTDM活用による「政策誘導」によって、自動車の使い方を見直させるようにすべき
* 個々の自動車利用から自転車・バス・鉄道など利用への転換をすべき
* 郊外駅でのパークアンドライド方式の推進を行うべき
* 何でも大型トラックで運ぶ今のやり方は間違っている
* 電気自動車を促進すべき(バスも含め)
* ディーゼル車に使用される軽油への優遇をやめ、むしろ重課税すべき
* 無駄な道路が多い
* 高速自動車道路の延長・拡張を行うべきではない
* 高速道路の無料化を行うべき
* アスファルト一辺倒の道路整備をやめるべき
* 車椅子利用者の交通確保のために、段差解消・電柱撤去を行うべき
* 歩行者、自転車、車・オートバイの完全分離を行うべき
* 駐車違反は厳罰化すべき
* 自動車及び自転車の路肩不法駐車、はみ出した店の看板を取り締まるべき
* 電信柱の地下施工、信号への工夫等も謳うべき
* 歩きやすい道をつくるため、歩道や道の側溝についての配慮が必要
* 自動車交通事故による経済的損失も考慮に入れるべき
* 交通事故を激減させるべき
5.自転車
* 自転車の利用を促進すべき
* 自転車にやさしいまちづくりを目指すべき
* 都市内の移動は自転車を基本とすべき
6.飛行機・空港
* 飛行機が上空に撒き散らすジェットガスは温室効果が非常に高い
* 小型飛行機の発着可能な空港の整備を進めるべき
7.船舶・港湾
* 地方の港はがら空きで釣堀化している
■その他
* 国内の観光資源の開発を進めるべき
* 人口の都市集中・一極集中が問題ではないか
* 「交通基本法」の成立と、施行後の総合的な交通政策の策定、実施の実効性確保にむけ、積極的なPR運動を展開すべき
* 交通安全対策基本法は、交通基本法の下部法規にすべき
* 日常生活に密接に関与した法案にしてもらいたい
※ 同趣旨のご意見はまとめて記載しております
※ 法案と全く関係ないと思われるご意見は省略しました
以 上
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