民主党政調会長 菅 直人
本日、与党三党は島根県・中海干拓事業の中止などを含む233の公共事業の見直しについて取りまとめ、政府に要望を行った。
今回の見直しは、先の総選挙で民主党が掲げた「公共事業抜本改革」の主張を有権者が支持したのを見て、与党が駆け足でまとめあげたものであるが、我々の主張を一部受け入れたことは評価する。
しかし、わが党が少なくとも5年で2割、10年で3割の公共事業費削減という中・長期的目標を打ち出し、そのための具体策として「公共事業コントロール法」の制定をはじめとする一連の政策を用意しているのに対し、与党三党の政策は具体的数値目標もなく、単なる目先の改革ではないかという疑念がぬぐえない。
そもそも先の総選挙で亀井政調会長は「バラマキの何が悪い」と発言し、今回の検討会の発足に際しても、公共事業費の総額については見直さない旨を明言している。国・地方自治体の財政状態が逼迫する今日において、質的転換のみならず量的削減は公共事業改革の主要課題である。にもかかわらず総額の温存を前提とする自民党の姿勢は、到底理解することができない。
自民党が本気で公共事業の抜本見直しを行うのであれば、まず、来年の参議院選挙でムダな公共事業官庁の象徴である建設省や農水省出身者の比例名簿登載を取りやめるべきである。これができないのであれば、自民党の公共事業見直しは単なる選挙目当ての見せかけにすぎないことが、あらためて明白になるであろう。
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