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2000/02/29
建設省は新河川法の意義を尊重し、河川審議会答申を遵守せよ(談話)
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民主党ネクストキャビネット
社会資本整備担当大臣 前原 誠司

1月23日に実施された「吉野川可動堰の是非を問う徳島市住民投票」結果は、莫大な費用を要する可動堰計画への反対の意思表示であるとともに、現第十堰の存在が市民に広く受け入れられていることをも示している。つまり従来型近代工法による河川管理の方法によることなく、先人の知恵ともいうべき現第十堰を補修する方法をとることで、自然環境や地域風土との調和をめざす徳島市民の姿勢が明らかになったともいえよう。しかし建設省は依然として可動堰化計画を撤回する様子はない。これは今回の住民投票結果を軽視する姿勢のあらわれであるばかりか、旧態依然たる河川行政から建設省が脱却しきれていない事実を如実に示すものである。

平成9年に改正された河川法では、法律の目的として、治水・利水に加えて「河川環境の整備と保全」が位置付けられるとともに、河川整備計画の作成にあたり地域住民等の意見を反映させる手続きが整備された。また、徳島市住民投票のわずか2日前、本年1月21日に河川審議会は「河川における伝統技術の活用はいかにあるべきか」を答申した。これによれば、わが国河川行政のあり方について「もっぱらコンクリート等を多用した近代工法」にもとづいていると指摘し、今後は「コンクリートで固められた護岸などに見られるような現代技術の行き過ぎとそれへの過信を是正し、現代技術と伝統技術をバランスよく融合し活用することが重要」としており、河川行政の抜本的転換を強く迫る内容となっている。

しかし現在の建設省の姿勢を見る限り、新河川法や審議会答申の精神はまったく活かされていない。吉野川の河川管理について建設省が目指すのは、市民の意思とはかけ離れた「近代的工法」による可動堰計画であり、現第十堰については古くなったから取り壊すという姿勢に変化はない。また吉野川以外に目を向けてみても同様である。例えば熊本県の川辺川ダム建設事業では、「近代的なダムがかえって人為的な洪水を引き起こしかねない」との住民の批判の声があるにも関わらず、本年中の本体工事着工を目指す建設省の姿勢に変化はない。このように旧態依然たる河川行政が全国で今だにまかりとおっているのが現実である。

河川管理のあり方については、地域住民の意向を十分に取り入れたうえで、山林の保全や伝統技術の活用など、環境と調和した手法が必要であり、新河川法や審議会答申もその方向性に合致したものである。行動を伴わない言葉だけの理念に意味はない。吉野川において建設省自らが、行動をもって河川行政のあり方を変えていくよう、強く求めるところである。

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