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2001/03/02
平成13年度予算案への反対討論/海江田 万里議員
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民主党・無所属クラブ 海江田 万里

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、平成13年度一般会計予算、平成13年度特別会計予算及び平成13年度政府関係機関予算に反対し、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合提出の予算の編成替えを求める動議に賛成する立場で、討論を行います。

さて森総理、私は昨日の予算委員会でも指摘しましたが、日本中に、森総理に辞めてほしいという声が満ち満ちています。自分の行くパーティーでは支持する人でいっぱいだと強弁しているが、その会場を一歩外に出れば、退陣を求める声であふれているはずです。森総理は今度の土曜日、日曜日に街頭に出て、その声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

そしてイギリスのエコノミスト誌の論説などにもあるように、世界から見ても、今やわが国にとって森総理が総理の座に居座りつづけること、そのことが日本が変わることができないことの証拠になって、わが国の存在を危うくしている。このことに気づいていただきたいと思います。

そして株価は今日も下落を続けています。市場が予算に期待をするのなら予算がまさに衆議院を通過しようとするときに株価は上がらなければいけないわけですが、最近の株価の相次ぐ下落は、市場は本予算に少しも期待していないということの証左であります。森総理の在任中の日経平均株価の下落率は今日の終値で40.08%(12,261円80銭▲419円86銭)。吉田茂首相以来の戦後歴代総理の就任時と退任時の株価を比較すると、これまではワーストワンは海部さんでした。しかしそれは在任期間がちょうど平成バブルが崩壊した最中で、同情されるべき事情もあります。けれども森内閣は、民需にようやく火がともり、方向性とすれば景気が上向いていく中でのバトンタッチでした。同情すべき事情はありません。森総理はこのままでは戦後の歴代総理で一番株価を下げた総理ということで歴史に名を残すことになります。それがイヤなら、今、直ちに辞意を表明することです。

もちろん、私どもは、森総理が辞めれば全て問題が解決するとは思っていません。森総理が退場しても、森総理を産んだ体質をそのまま残して、自・公・保の連立政権がそのまま続いたのでは、国民の安心と経済の回復は得られないということをはっきりと申し上げておきます。

昨日逮捕された村上正邦前参議院議員についても、そもそも村上前参議院議員はKSDの資金によって、彼自身が証人喚問で証言した「もみがら党員」によって、国会議員の座を買った訳でありまして、彼がKSDの資金をいくらもらって、国会でどんな質問をしたかという以前に、彼の議員の地位そのものがKSDの資金によって買われたもので、そのことを許してきたのが自民党だということを忘れてはいけないと思います。

そしてKSD問題で、私どもは、村上前参議院議員と額賀衆議院議員を予算委員会で証人喚問すべきだと要求してきましたが、与党は私どもをはじめとした野党の声に耳を一切貸さずに、とにかく予算案の審議を急ぐばかりでした。

更に加えて、外務省職員の機密費横領事件についても、本人がまだ身柄拘束をされていないにもかかわらず、私どもの証人喚問要求に、与党は首を横に振るばかりです。新聞各紙の社説での指摘を待つまでもなく、国会はもちろん予算の審議も大事ですが、同時に政治家あるいは公務員にかけられた多くの疑惑に対して真相を究明することもきわめて大事です。

先ほどの予算委員長の報告には触れられませんでしたが、今国会の予算委員会での審議では証人喚問などの野党の要求は一切退けられ、数々の疑惑の真相究明に対する国民の期待を大きく裏切ることになったということを忘れてはなりません。

さて、平成13年度(2001年度)予算案に反対する私どもの基本的な立場ですが、総理や財務大臣は口を開けば「今度の予算は景気対策に軸足を置いている」と述べていますが、問題は軸足を置く足元の地盤が今や泥沼の状態です。まず泥沼の状態をしっかりとした土壌にする必要があります。それが構造改革です。この構造改革を怠って、いくらケインズ型の財政出動をやっても、それは軸足どころか全身が泥沼の中に埋まってしまうことになります。日本では「失われた10年」の間に、国と地方の借金は400兆円も増えました。しかしわが国の経済は相変わらず低迷しています。なぜでしょうか。それは、思いきった構造改革を先送りし、不良債権の抜本処理に手をつけることなく、安易にかつ非効率な財政出動を続けていることの当然の帰結です。

 具体的に、本予算案には、数多くの問題が含まれております。「我田引鉄」の北陸新幹線に代表されるようなムダな公共事業の問題など、その一つ一つを取り上げていたら私の持ち時間がいくらあっても足りません。

限られた時間ですので、たったひとつだけ指摘させていただきます。それは、いわゆる機密費に関する問題であります。外務省要人外国訪問支援室の松尾克俊元室長が、機密費を横領したのではないかという疑惑は、松尾氏個人の不正ではなく、総理官邸と外務省による組織ぐるみの不正ではないかという疑いが、ますます深まっています。額に汗して働く国民の血税を食い物にする、政府・与党の金権腐敗体質に対し、国民の怒りは頂点に達しています。機密費の実態が明らかになりつつあるにもかかわらず、その機密費を含む本予算案を修正しようともしない以上、本予算案に賛成することは到底できません。

 これに対し、野党4会派提出の予算の編成替えを求める動議は、機密費の大幅削減はもちろん非効率な公共事業も削減する一方で、国民の将来不安を取り除く雇用や社会保障、教育、環境、災害対策などの分野への歳出を手厚くするなど、国の資源配分を大きく変えることを主張しており、政府・与党は真摯に耳を傾けるべきだと考えます。

最後に一言申し上げます。与党の皆さんは国民の負託を得て国会に来ているわけですが、その国民の多くは今度のような予算を通すことを期待して国会に送ったのでしょうか。またたった1割の支持しか得ていない森首相を支持するために国会に送ったのでしょうか。

そのことをしっかりと考えた上で、私たちが提出した動議に賛成してくださるようお願いして、私の討論を終わります。

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