民主党・無所属クラブ
自由党
日本共産党
社会民主党・市民連合
政府予算について、内閣官房報償費及び外務省報償費を大幅に減額するとともに、その使途の適正化策を確立すること、無駄な公共事業等を削減し、国民生活に安心をもたらす各種施策の充実を図ることは、国民が求める喫緊の課題である。よって、野党4会派は、政府及び与党3党に対し、政府予算を撤回し下記の観点に立って編成替えを行うよう共同して要求する。
記
一 内閣官房報償費及び外務省報償費等の仕組みの抜本改革と適正額への大幅削減
* 内閣官房報償費及び外務省報償費等のいわゆる機密費については、先般発覚した不正流用事件なども踏まえ、その仕組みを抜本的に改革するとともに、大幅に削減する。
二 公共事業の削減(削減額8,800億円)
* 公共事業等予備費の全額削除
* 整備新幹線予算の昨年並への減額、空港整備事業費、ダム事業費、道路整備特別会計繰入分、港湾整備事業費、海岸整備事業費、農業農村整備事業費等の1割から3割減などの大幅な削減
* 個別補助金を整理し、その相当額を地方公共団体に一括して交付する方向とする。
三 児童手当所得制限緩和による追加支出額の削除(削減額240億円)
* 児童手当の支給対象年齢を義務教育就学前児童に限定したまま、所得制限を大幅に緩和することによって支給対象児童を拡充するという与党案については、財源手当てがないのみならず、支給対象年齢を超える児童のいる低所得世帯との不公平を拡大するものであることから、当該追加支出相当額を削減する。
四 ODAのあり方の見直しによる予算の節減、防衛費は前年度並とする。(削減額280億円)
* ODAについて、インフラ関係事業を縮減して人道援助、人材・企業育成等関連事業向け資金協力に重点化し、平和と環境、人権、民主化を考慮したものとするとともに、民間(NGO)との連携強化による実施態勢の見直しを図ることにより、国際協力銀行出資金を前年度比マイナス10%に抑える。
* 防衛関係費については、防衛庁の調達コストの削減や補給業務の効率化、事務経費の無駄の削減などにより前年度並とする。
五 特殊法人の資金調達について政府保証債の縮減
* 特殊法人に対する政府の債務保証については、不要な事業の廃止・縮小など、それぞれの事業の見直しとあわせ、可能な限りいっそうの縮減を図ることとする。
六 雇用環境改善策、仕事と家庭の両立支援策、福祉施策、バリアフリー施策、
教育関係施策、大都市交通・防災・環境関係施策などの充実(追加額4,200億円)
* 未就職卒業者等早期就職支援事業、非自発的離職者への訓練延長給付、介護人材確保助成金の拡充など介護分野における人材育成、総合的な個別的労使紛争処理システム整備などの雇用環境改善施策
* 保育所整備の前倒し、育児・介護休業制度の拡充、介護休業取得時の社会保険料の免除、看護休暇・短時間勤務制度の義務化と取得促進策、男性の育児休業取得支援策などの仕事と家庭の両立支援施策
* 無年金障害者の救済、出産費用の公的保障の拡充、デイサービスやショートステイを中心とする介護保険制度の基盤拡充、保健所への医療事故相談窓口の設置などの福祉・医療施策
* ホームからの転落事故防止ホームドア、ホーム下転落時退避場所、列車緊急停止安全装置等の設置等、鉄道安全対策の促進、歩道・交差点・歩道橋・鉄道駅・公共施設等のバリアフリー化の促進、障害者のパソコン購入補助などのバリアフリー施策
* 30人学級の早期実現、無利子奨学金の拡充、老朽校舎改修などの教育関係施策
* 道路などの立体交差事業の促進による交通の円滑化及び安全対策の推進、踏切保安設備の整備、密集市街地の再生などの大都市圏における交通・防災関係施策
* 緑のダム、ダイオキシン対策など廃棄物処理施設整備、フロン回収、ディーゼル車対策などの環境関係施策
* 有珠山噴火・愛知水害などを含めた被災者生活再建支援の大幅拡充、三宅島等避難民の就職支援、有明のり被害対策などの人災・自然災害対策等
* 海難事故防止に関する調査研究
* 留学生無償支援の拡充、草の根無償支援の拡充などの国際交流施策
* その他、消費生活センターへの支援、地方バス生活路線維持費補助の増額、地方鉄道の安全対策に対する支援など
(参考)
削減・抑制額の合計額 約9,300億円程度
歳出増額の合計額 約4,200億円程度
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