トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2002/10/31
子どもの安全のための学校をめざして〜学校施設の耐震改修対策〜
記事を印刷する

民主党

【はじめに】


 学校は、子どもたちの学習の場、生活の場であり、その伸びやかな成長と生命・身体の安全が最大限確保されていることが最低限の要件です。しかし今日の学校現場は、施設の老朽化問題、学校給食の安全性問題などに加え、最近では「シックスクール症候群」と呼ばれる学校での化学物質過敏症も深刻な問題となっています。特にハードとしての安全な学校施設のあり方を考えるうえで、「防災面での対策」と「シックスクール対策」は極めて重要な課題と言えます。
 民主党は、前国会(154国会)にシックスクール対策を含む「シックハウス対策関連2法案」を提出しましたが、残されたもうひとつの重要課題である「学校施設の防災対策」についても議論を重ね、法案の取りまとめ作業を続けてきました。


【現状】


 現在、公立小中学校施設の65%は現行の耐震設計基準(81年)施行以前の建築であり、43%が耐震性がないと推計されています。また、教育現場の報告や新聞等マスコミの報道でも、建物の老朽化からくる床のひび割れ、雨漏り、壁や天井の崩落、または耐震性に問題がある事例が数多く指摘され、極めて危険な状態にあると言わざるをえません。このような状況を放置しておくと、安全であるべき学校で人命が失われることになりかねません。また、学校は子どもたちが日常的に過ごす場であるとともに、災害時における地域住民の緊急避難場所としても活用されることからも、一刻も早い整備が求められています。
 

【現行制度の問題点】


 現在、公立小中学校の施設整備は「義務教育諸学校施設国庫負担法」により老朽等の改築は3分の1が国庫負担がとなっています。また、「地震防災特別措置法」により耐震補強については2分の1の嵩上げ措置が行われています。しかし、施設整備の取組みは設置者である自治体の判断によるため、財政状況の厳しい自治体ほど整備が遅れる傾向にあります。消防庁の調査結果から類推すると、現行耐震基準以前に建築された学校施設の70%は耐震診断すら実施されていないと考えられます。子どもの通う学校施設の実態を、多くの保護者が知らされずにいるのです。


【党の政策】


 民主党は地方分権の視点から、まず国の補助金を使途の限定されない「一括交付金」に改革し、自治体が必要な事業を効率的かつ的確に行えるようにすることを主張しています。将来的な学校施設整備のあり方についてはこのような基本姿勢を明確にした上で、防災上の緊急措置として以下の法整備を行います。

(1) 公立小中学校等の耐震診断を義務化する。
 現行の耐震基準施行以前に建築された学校施設の耐震診断を早急に行う必要があります。そのため、該当する公立学校の耐震診断を義務化します。なお、経費については全額国庫負担とします。診断の結果が公表されることで、耐震補強を必要とする施設をもつ当該自治体には相当のインセンティブとなると思われます。

(2) 5年間に期間を限定し、耐震改修の国庫補助率を嵩上げする。
 耐震診断の公表で施設整備に踏み切ろうとする自治体の背中を押すために、学校施設の耐震改修に係る国庫補助率を5年間に限り変更します。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.