民主党『次の内閣』
経済財政政策担当ネクスト大臣・経済戦略会議座長
仙谷 由人
小泉政権が発足して2年が経過した。「改革なくして成長なし」と叫んで国民の支持を得た小泉政権だが、改革が進んでいないことは、今日の経済情勢からも明らかである。バブル崩壊後最安値の株価に代表されるように、この2年間は、わが国経済にとって、バブル崩壊後の「失われた10年」の中でも最悪の2年間だと言わざるを得ない。
小泉政権2年間の「実績」
項 目 就任前 就任後 増 減
名目GDP 513.0兆円※ 1 499.6兆円※2 ▲13.4兆円
名目GDP成長率 ▲0.3%※1 ▲0.6%※2 ▲0.3ポイント
国と地方の長期債務 642兆円※1 705兆円※2 63兆円
勤労者世帯実収入 558,424円※1 531,268円※2 ▲27,156円
完全失業者 319万人※1 360万人※2 41万人
完全失業率 4.7%※1 5.4%※2 0.7ポイント
企業倒産 18,926件※1 18,928件※2 2件
自己破産 139,280件※1 214,634件※3 75,354件
不良債権 43.4兆円※1 53.0兆円※4 9.6兆円
日経平均株価 13,973円※5 7,699円※6 ▲6,274円
東証時価総額 390.7兆円※5 231.8兆円※6 ▲158.9兆円
※1 2000年度実績 ※2 2002年度実績(見込み) ※3 2002年実績
※4 2001年度実績 ※5 2001年4月26日終値 ※6 2003年4月25日終値
小泉総理は、構造改革は順調に進んでいる、改革の成果が現れるまでには時間がかかるなどと強弁しているが、もはや国民はその言葉を信じてはいない。総理が言葉を弄ぶ間にも、1日50社が倒産し、85人が自殺に追い込まれている。小泉総理は、今こそ自らの経済失政・経済無策を率直に認め、責任を明らかにすべきである。
わが国経済再生のためには、既得権益構造を壊して税金の使い道を変えることと、金融不安をはじめとする諸問題を早急に解決していく以外に道はない。民主党には、そのための政策はもちろん、何よりも、口先だけの小泉総理とは違って、その覚悟もあることを強く申し上げる。
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