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2001/03/31
「危険運転致死傷処罰法案」骨子について
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犯罪被害者法制プロジェクトチーム
座長   細川 律夫
事務局長 山花 郁夫


[法案制定の背景]

 一昨年11月、東名高速で幼い姉妹2人が酒酔い運転のトラックに追突され死亡した事件、昨年4月、大学生2人が酒気帯び無免許の乗用車にはねられ死亡した事件で、それぞれ4年、5年半の懲役という判決に対し、法定刑が軽すぎるのでは、との声が高まりました。約26万人の署名が集まるなど世論が大きく動き、ほとんどの人が重罰化すべきであると考えていることが分かりました。

 一審を破棄し懲役4年の判決を維持した東名高速事件控訴審判決のなかで、裁判長らは、「飲酒運転等により死傷事故を起こした場合に関する特別類型の犯罪構成要件の新設、関連規定の法定刑の引き上げ等の立法的な手当をもってするのが本来のあり方」との異例の言及をしています。

 こうしたなか、警察庁でも昨年、道路交通法改正案のなかに、危険運転致死傷罪の新設を考え、パブリックコメントを求めました。それに対して、ほとんど反対意見はなかったのですが、法務省が道路交通法でなく刑法の業務上過失致死傷の改正等を検討すべきだと言ったため、政府内の一致が見られず、今回の改正は見送られ、来年の通常国会までに結論を出すということになってしまいました。

 被害者遺族や支援者の方々からは一刻もはやい法制化をという声があがっています。このような世論の盛り上がりのなか、立法府としての素早い対応が要請されていると考え、今回の法制化に至ったものです。


[法案骨子の内容]

●法案の名称 「危険な運転行為に起因して人を死傷させる行為の処罰に関する法律案」
●内容
酒酔い運転、麻薬等運転、共同危険行為等、酒気帯び運転、過労運転、無免許運転に起因して人を死傷させたときは、10年以下の懲役若しくは禁固、又は100万円以下の罰金に処するものとする。

免許再取得の禁止=道交法改正により、この法案の対象者で免許を取り消され又は拒否された場合、現在最高5年の免許取得禁止期間を、最高10年とする。

 法律自体は一条のみの簡単なものです。これによって、今まで刑法の業務上過失致死傷ということで最高5年の刑だったものが、最高10年に引き上げられます。


[ちょっと一言]

 交通事故根絶のためにすべきことは数多くあり、法定刑の引き上げは被害者・遺族の感情、及び世論を考慮したものです。何でも犯罪者の量刑を重くしろというものではありません。
民主党としてはこれにとどまらず、犯罪被害者法制の確立(特に「犯罪被害者基本法」の制定)、交通安全対策及び交通事故原因調査制度の見直し、自動車交通量の抑制を含む交通体系の検討(現在「交通基本法案」の策定を準備中)、車歩道の分離・信号機等の施設整備等、今後ともあらゆる可能な施策を追求してまいります。

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