民主党代表 鳩山由紀夫
おはようございます。昨日の選挙で再選をいたしました鳩山でございます。3期目の挑戦の目的、言うまでもありません。政権交代を実現して民主党政権を実現をする。そのためにすべての使命を果たしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
代表選挙は、ごらんの通りまことに厳しい戦い、正々堂々とした戦いを行いました。まずは、一緒に日本の未来のためにと候補者となって戦われた横路孝弘候補、また菅直人候補、そして野田佳彦候補、まことに見事な戦いをされたことを心から健闘を讃えたいと思います。本当にご苦労さまでございました。(拍手)
私どもは四者四様にそれぞれの思いを、この日本のためにと競い合ったわけでありますが、当然のことながら、いまの日本の現実を踏まえ、これではいかんと。したがって政権交代を一日も早く実現させなければいけない、その思いはみんな同じでございました。これからもそれぞれの政策に多少の違いがあるにせよ、それは乗り越え、十分に政策的に党としての方向を出すことができる、そのことを確認をした、確信を持つことができた選挙であったと私は信じています。
その意味で、今回の代表選挙、皆様方がそれぞれの候補者の熱心なご支援をされたことはまことに正しかった行動であり、評価をされるべきであり、そしてその結実はこの国の未来を思い、民主党が一丸となって政権交代のために戦う姿勢をつくる、その一点だと私は確信をしています。今日まで四者四様の戦いではありましたが、これからは相手は小泉自民党政権である。いかにして小泉内閣に対峙をするか、その姿勢を強烈に示して政権交代を実現をさせる、その一点に集約できます。どうかそのために、いままでの戦いをむしろ未来に向けての民主党のさらなる結束力を高める方向に、皆様方が全力をお尽くしくださいますように、鳩山から心からお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いをします。(拍手)
皆様方のこの戦いで得たエネルギーを、鳩山自身もしっかりと皆様方のエネルギーを賜りながら先頭に立って戦ってまいることをお誓いをいたします。
私が今日あらためて皆様方にお話を申し上げたいこと、民主党としての結党の精神というものをいま一度確認を申し上げたい。特に新人の候補者の皆様方には、結党当時にまだおられなかった方がほとんどでありますから、私の方から民主党の結党の由縁をしっかりとここでもう一度確認を申し上げたい。
なぜ民主党の存在が必要なのか。自民党が善政を行い政権を担い続けているのならば、必ずしも民主党としての存在は必要なかった。私たちの同志の中でも自民党から飛び出てきた人、社民党から飛び出てきた人、民社党から、あるいは日本新党から、社民連から、さまざまな思いでかつての政党を飛び出し、民主党という党に結集をしてきた仲間たちでございます。なぜ結集をしたか。それは一点に尽きます。自民党の政・官・業の癒着体質というものは、この国をまことにおかしな方向に進ませていく最も大きな元凶であり、これを打破することが至上命題である。それぞれの過去を捨てて未来に向けて結集をした集団が民主党です。
したがって、民主党のこれからの行く道も明らかに自民党政権の政・官・業癒着を絶つ。既得権というものに、しがらみの中で身動きのとれなくなった現代の社会を一掃させるという大変大きな役割を担っています。
小泉改革を検証すれば、あの改革だと唱えていた小泉さんでも構造改革はできなかった。小泉さんになって株価が1万3000円台から9000円台、150兆という国の富が小泉内閣になっていつの間にか消えていっている。国家予算の2倍が小泉内閣になって消えているということを考えれば、小泉内閣の経済姿勢は明らかであります。本来ならばいち早くやらなければいけない不良債権の処理が、いまだかつて、加速、加速と言いながら不良債権の額こそ加速こそすれ、一向に減らない。その理由は明らか。言うまでもありません。まさに小泉内閣、小泉さん自身が大蔵族、銀行族、族議員に染まっています。まさにこれこそ政・官・業癒着の象徴です。私たちは景気浮揚一つとってみても、現政権ではできない、そのことを確信せざるを得ない。
つい4日ほど前、私は大田区の中小企業の方々のところへ伺ってまいりました。宇佐美登さんのご案内で、たとえばプラスチックの成形加工の工場、4〜5人でなさっています。技術力は世界に負けない、ここの工場だけの独自の能力を持っている。でも、いつ倒産するかわからない。現実に一度倒産の危機があった。住民の皆さんが、それはいかんということで支え合って、何とかその技術をいまだに保っているという状況。本来ならば中小企業がこの国を支えてきた、中小企業の皆さんこそ土台骨になってこの国を支えてきたはずなのに、その方々がいま塗炭の苦しみを味わっている。
自殺をしておられる方が1年間に3万人を超しているということは、あの9月11日のアメリカにおけるテロで亡くなられた方の10倍を超えています。あのテロの10倍を超える生命が日本の経済の現実の中で失われているということを私たちはもっと深刻に考えなければなりません。だとすれば、やはり政・官・業の癒着で金融機関に対して血が回らないいまの日本の現実を踏まえ、私たちは政権交代を実現させなければならない。
外交問題もそうだ。北朝鮮に小泉総理が行かれた。国交正常化交渉、私は正しく進むのであればそのことは歓迎したい。でも、あまりにも外務官僚主導のもとで心もとない。人の命というものの尊さがどこまで本気でわかっておられるのか、まことに心配。それだけじゃありません。アメリカの単独行動主義に対して、小泉内閣はアメリカの政策には常に追随するのみ。自分自身の発想というものを持ち合わせていない。
経済においても、外交においても、安全保障においても、この国の尊厳というものがいまきわめて失われてしまっている。この状況を一刻も早く正すためにも、民主党がもっと力を持たなければならない。たくましくならなければならない。そして「たくましくなれ」というのは国民の皆さん、そして民主党の皆さん、鳩山に対する大きな期待でもあろうかと思う。私自身もいままでの発想を捨て、新しい自分自身を皆様方のご協力のもとで力強く見出していくことをここでお誓いを申し上げます。
一番大事なことは、このように政権交代を一刻も早く実現しなければならないときに、党としてのまとまりがまだ不十分ではないかと言われてしまうこと、後ろ指を指されることだけは絶対に避けなければならない。
私たちは今日この会場におられるお一人お一人、大変すばらしい能力をお持ちの皆さん、そのすばらしい能力を最大限に発揮をさせることが鳩山自身の大きな使命だと理解をしています。そのためにお力をお貸しいただきたい。非力であることを私自身も十分に理解をしているだけに、どうぞ皆さんのお力をいただいて、大きなたくましい民主党に、皆さん方のハーモニーによってお育ていただきますように、心から期待を申し上げたい。
そのためにも、まず私たちが最も激しく、強く行動しなければならないことは、こちらにおられる新人、また捲土重来を期してご努力しておられる方々の全員当選を実現させることです。現職の皆さんも当然でありますが、さらに加えて新人、捲土重来の候補者の皆様方に、何としてもご自身の力ではい上がってきてもらいたい。そのことこそ政権交代のまさに大きな潮だということをご理解を願いたい。
そのために反省すべきことも多々あります。どうもいままでの執行部は新人に対して十分な配慮がなかったのではないか、そんなお叱りもいただきました。先ほどは新人の皆さんの総意ということで、「どうぞ新人の候補者に対して最大限の配慮をしてもらいたい。そうであれば鳩山体制を激しく支えますから」、大変ありがたいお言葉も頂戴をいたしたところであります。
われわれは一心同体です。われわれが一心同体の気持ちになることによって、一人一人のそれぞれの立場を理解をする中で、皆様方の当選をめざして最大限の努力をぜひとも現職の議員の皆さん、協力をして実現をしていただきたい、そのことを強く求めます。
さて、私が申し上げたいこと、この政党の心というものをぜひ皆様方に共有をしていただきたい。ある意味で政党文化と言ってもよいかと思います。今日までは私たちはある意味でやや自信を失いかけていたかもしれない。どうも支持率というものに惑わされて、このまますぐに政権を獲れないのではないか、そのように思っておられるかもしれない。決してそんなことはありません。私たちはもっと自信を持つべきです。結党して4年、おかげさまで183名の国会議員を擁する民主党になりました。ある意味で一人一人の集団から出発をしたその民主党がここまで来たということ、国民の皆さんが辛抱強く民主党という党を支え続けてくださっているということを、私たちは自信を持って、むしろ誇りを持って信じたい。
そしてそのためにも、これからも安全保障の議論、憲法の議論、一つ一つ、今日までも議論をしてまいりましたが、さらにあらゆる問題に対しても、タブーを設けずに議論を進めてまいりたい。そして議論を通じて皆様方の意思を一つにまとめさせていただきたい。時には激しく議論をすることも私は大変重要なことだと思っています。議論を通じて国民の皆さんの意思を確認をしながら、政党としての意思をつくり上げていく。そしてつくり上げた以上は、その意思に対してみんなで協力をするという政党文化を、ぜひ皆さん、つくり上げていただきたい。
新しい時代にふさわしい民主党として再出発をしていくために、それこそたくましい民主党になったとご理解をいただくのは、むしろその一点だと私は確信をしています。それだけにどうぞ大いなる議論のもとに、議論を尽くして、一つの方向に政党としてたくましく育て上げていこうではありませんか。ぜひ皆様方のご協力をお願いをいたします。
その意味で、きょうは皆様方に一つだけご理解を願いたい。皆さんが一丸となって党の運営に当たっていただくためにも、私の同志として中野寛成さんに幹事長をお願いを申し上げたい。(拍手)
私も友愛精神、中野寛成さんからむしろ学ばせていただきました。友愛というもののやさしさだけではなく、強さ、あるいは厳しさというものを教えていただいたのが中野寛成さんだと私は理解をしています。それだけにこの党の運営を一つにまとめていく作業、大変に重大な作業でありますが、大いに私は中野寛成さんに期待をいたしておりますだけに、皆様方のご理解とご承認を願いたい。あらためてよろしくお願いいたします。(拍手)
先ほどから申し上げておりますように、お一人お一人が大変な能力をお持ちであることを私も十分に理解をしています。皆様方の能力が最大限に発揮できるような新体制をつくり上げてまいりたいと思います。ぜひとも皆様方のお知恵もおかりをしたい。いろいろなお声も聞かせていただく中で、新体制を力強く発足を申し上げたい。ぜひともご協力をお願いをいたします。
最後に、まず私たちが最初の難関として乗り越えなければならないのは、言うまでもありません、10月27日に行われる補欠選挙でございます。きょうも7名の候補者にこちらにおいでをいただいておりますが、7名の補欠選挙、まさに天下分け目の戦いになります。自民党の、あるいは自民党だけではありませんが、自民党を中心とする政治と金のスキャンダル、不祥事によって行われる補欠選挙も数多くあります。このような補欠選挙に、いまこそ政・官・業の癒着打破の民主党こそ、補欠選挙の候補者として最も戦うべき、そして勝利を得るべき人材であるということを、国民の皆さんに確信をしていただきたい。そのためにもぜひ皆様方に重ねて補欠選挙に向けての最大限のご注力をお願いを申し上げたいと思っています。
党に対しても鳩山自身に対しても、さまざま改革の思いが寄せられています。党の機構改革を含めて1カ月以内に皆様方にあらためてご提示を申し上げたいと存じます。
また、先ほど中野寛成幹事長、お願いを申し上げた次第でありますが、その他の人事に関しましては、ぜひ皆様方に近々両院議員総会を開かせていただく中でお認めをいただきますように、お願いをいたします。
重ねて、この国の危機的な状況を皆様方の大きなお力の結集によって、明るい未来の展望が開ける日本に変えていく作業、これこそわれわれ民主党の最大・最高の責務だと任じて、新たに発足をいたします鳩山体制に皆様方のお力を賜りますように、重ねてお訴えをさせていただいて、私からの御礼を含めた皆様方への誓いとご協力のお願いのごあいさつといたします。
ありがとうございます。(拍手)
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