第一 一人制による審判手続
一 家庭裁判所は、裁判(観護措置決定に対する異議の申立てに関する裁判及び第四の事実認定手続を除く。)を行うときは、一人の裁判官でその事件を取り扱うものとすること。(少年法第三条の二関係)
二 一の審判についての裁定合議制度に関する改正規定を削除するものとすること。
第二 観護措置期間の延長に関する改正規定の削除
少年鑑別所に収容できる期間の延長に関する改正規定を削除し、現行法のとおりとすること。(少年法第十七条関係)
第三 検察官への送致に関する規定の修正
一 検察官への送致のとき十六歳に満たない少年の事件については、調査の結果、罪質が重大で、かつ、刑事処分以外の措置によっては矯正の目的を達することが著しく困難であると認められる場合でなければ、検察官に送致する決定をすることができないものとすること。(少年法第二十条第一項関係)
二 家庭裁判所は、人を殺した罪の事件であって、その罪を犯すとき十六歳以上の少年に係るものについては、調査の結果、保護処分その他の刑事処分以外の措置を相当と認めるときを除き、決定をもって、検察官に送致することができるものとすること。(少年法第二十条第二項関係)
三 家庭裁判所は、一の決定をするには、少年に弁護士である付添人を付さなければならないものとすること。(少年法第二十条第三項関係)
第四 保護事件における事実認定手続の創設
一 家庭裁判所は、非行事実の認定のため必要があると認めるときは、当該非行事実につき、決定をもって、事実認定手続を開始することができるものとすること。(少年法第二十二条の二第一項関係)
二 事実認定手続は、保護事件の審判に関与した裁判官以外の裁判官によって構成される家庭裁判所(以下「事実認定裁判所」という。)が行うものとすること。
三 事実認定手続は、検察官が非行事実の立証を行うなど、刑事訴訟手続に準じたものとすること。
四 事実認定手続における証拠については、刑事訴訟法の規定を準用するものとすること。
五 事実認定手続は、公開しないものとすること。
六 事実認定裁判所は、少年に弁護士である付添人を付さなければならないものとすること。
七 事実認定裁判所は、非行事実の有無及び内容について、決定をもって、認定をしなければならないものとすること。
八 七の決定は、事実認定手続の開始決定の日から五十日以内にこれをするよう努めなければならないものとすること。
九 事実認定手続において確定した決定により認定した事実は、保護事件の係属する家庭裁判所を拘束するものとすること。
十 事実認定手続に関し、必要な規定を設けるものとすること。
(少年法第二章第二節の二関係)
第五 検察官の関与に関する改正規定の削除
審判手続に対する検察官の関与に関する改正規定を削除するものとすること。
第六 検察官による抗告受理申立制度に関する改正規定の削除
検察官が関与した事件の審判の決定に重大な事実誤認がある場合等における検察官による抗告受理申立制度に関する改正規定を削除するものとすること。
第七 十六歳未満の受刑者の処遇に関する改正規定の修正
十六歳未満の少年に対し、少年院において刑を執行できる旨の改正規定を削除し、十六歳未満の受刑者に対しては、少年刑務所において、所定の作業に代えて、必要な教育を授けるものとすること。(少年法第五十六条関係)
第八 その他
その他所要の規定の整備を行うものとすること。
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