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2000/09/29
少年法改正について(談話)
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民主党・司法ネクスト大臣 小川 敏夫


少年非行問題は、単に少年法の改正によって解決できる問題ではなく、家庭や教育をはじめとする少年を取り巻く社会の様々な環境を整えることにより、その原因に根本から対処することが必要であり、非行の前兆行為を早期に発見する仕組みや、少年及び保護者が安心して相談を受けられる仕組みを設けるなどの具体的措置を講じるなど、社会全体であらゆる手当を尽くすべき問題である。

 非行に対し、刑罰をもって対処するよりも、少年の立ち直りによる社会復帰と、それによる再犯の防止によって犯罪から社会を守ろうとする現行少年法の理念は決して譲ることの出来ない基本原則である。

 本日与党3党が提出した少年法等改正案は、被害者への配慮や保護処分終了後における救済手続の整備を盛り込むなど、積極的に賛成できる部分もある。

 しかし、刑事処分可能年齢の引き下げや、16歳以上の少年の重罪事件についてのいわゆる原則逆送致については、少年法の理念を損なうことのないよう十分配慮する必要がある。

 刑事処分可能年齢の引き下げについては、付添人を必要的に付するなどの補充措置も必要であろう。そして、刑事処分相当とするには、社会的影響の大きい重大事件について、少年の矯正の可能性が著しく乏しい場合に限るように運用されることが望ましい。

 16歳以上の少年の重罪事件についてのいわゆる原則逆送致についても、その対象を故意殺人の事犯に限定し、更に裁判官の裁量を十分に確保した上で行う必要がある。

 また検察官関与については、現行の少年審判に検察官が出席して主張、立証を行うことは、予断排除の原則や、証拠の適正さの確保の観点から問題がある上、少年に必要以上の重圧感を与えることになると思われる。非行事実の認定に支障を来している現行法の問題に対処するには、他の裁判官による対審構造による事実認定手続を創設し、その手続において検察官が非行事実の主張、立証を行うとともに、付添人を必要的に付して少年の防御権を確保する方策を講じるのが適切である。

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