トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2001/08/27
第19回参議院議員通常選挙について
第174回常任幹事会確認
記事を印刷する

1. 選挙の結果

 21世紀初めての国政選挙である第19回参議院議員通常選挙は、7月12日に公示され、同月29日に投票が行われた。今回の参院選は、比例区選挙に非拘束名簿方式が採用された初の選挙である。
 民主党は今次選挙を、参議院における政権与党の過半数確保を阻止し、次期総選挙において政権交代を実現するための前段選挙と位置づけ、総力を挙げて取り組んだ。


1. 【候補擁立】選挙区で公認35人、推薦12人、比例区で28人の候補を擁立した。その内訳は、前職20人、新人55人、また、男性56人、女性19人であった。
  選挙区では、20の全複数区において公認候補を擁立し、27の1人区においては、14選挙区で公認候補、12選挙区で推薦候補を擁立した。比例区では、全国的な活動や全国組織を基盤とした候補、全国的にも著名で民主党らしいメッセージ性をもった候補、特定地域での集票を見込める候補など28人を擁立した。

2. 【選挙結果】選挙区で公認18人、推薦2人、比例区で8人が当選した。その内訳は、前職13人、新人15人、また、男性25人、女性3人であった。当選者数は、改選22議席を上回る26議席を得ることができたが、前回参院選で獲得した27議席には及ばなかった。比例区選挙における得票は約899万票(得票率16.42%)となり、前回参院選時の約1200万票(得票率21.75%)より約300万票(得票率にして5%)の減少、総選挙時の約1500万票(得票率25.18%)より約600万票(得票率にして9%)の減少となった。

3. 【選挙協力の結果】参議院における与党の過半数割れをめざし、自由党、社民党、無所属の会3党との間で1人区を中心に積極的な選挙協力協議を行い、13選挙区で4党協力が実現した。また、2党間でも無所属候補を中心に自由党との間で7選挙区、社民党との間で4選挙区の選挙協力を行った。しかし、選挙結果は、4党協力区で無所属1人、2党協力区では、民主公認2人、自由公認1人の当選に終わり、十二分な成果をあげるには至らなかった。

4. 【選挙結果の評価】今回の選挙は、本年4月の小泉内閣発足を契機に国民の自民党への不信と批判が一気に小泉内閣の期待へと逆転し、同党の大勝という結果となった。しかし、一方においてはいわゆる「小泉ブーム」に対する国民の疑念・躊躇が、前回参院選より2%低い、56.44%という史上3番目に低い投票率に現れたと考えられる。民主党は、「小泉ブーム」という逆風の中で改選議席を増やしたが、1人区では一部を除いて自民党に敗北し、比例区においても民主党が強いという都市部を含めて得票は後退し、比例区8議席という厳しい結果に終わった。自民党・小泉政権に対して国民にわかりやすく民主党の対決姿勢を示し、与野党対峙を鮮明にするという大きな課題が残されており、引き続き党の政策路線の鮮明化を追求していく必要がある。


1. 選挙対策における問題点

1. 【候補者擁立・選挙態勢】昨年の衆議院選挙終了後、直ちに候補擁立を開始した。幾つかの選挙区における候補者擁立については難航したものの、選挙区における候補者の擁立を比較的順調にすすめた。
しかし多くの選挙区において、候補者を中心とした多様な連携軸を創り出し、幅広い選挙態勢を確立し選挙結果に結実させることができず、今後の課題として残った。
 比例区候補者の擁立については、清新さ、男女共同参画社会への志向、幅広い階層の代表などの観点を加味してすすめたが、非拘束名簿方式に対応し、活用しながら選挙戦を展開することにおいて一歩遅れをとり、擁立方法・支援体制等について課題を残した。

2. 【選挙運動】選挙区では、これまでの経験を踏まえ、態勢づくり、運動量ともに前回参議院選挙よりは前進させることができたものの、「小泉ブーム」に耐えうるものでなく、党組織の脆弱性を克服し、党の実力を強化していくことが、今後いよいよ重要な課題となっている。都道府県連・総支部・地方自治体議員の拡大等、地域の党組織の整備強化を、総選挙に向けて一層推進していく必要に迫られている。
  比例区では政党名選挙による全体の底上げと個人名選挙における比例区票の拡大をめざして取り組みをすすめたが、前回参院選・総選挙時より総得票数を減らす結果となった。特に個人名選挙は、有効な選挙戦を展開したとは言い難く、非拘束名簿方式を戦う選挙戦略、戦術について今後一層の検討が必要である。

3. 【宣伝・キャンペーン】森前政権当時から、党への支持拡大をめざして政権奪取運動委員会や男女共同参画委員会を中心として多様な取り組みを展開したが、衆議院小選挙区毎のポスター掲示をはじめ事前の活動の遅れもあり、全国的には十分なものとならなかった。政党ポスターやチラシ、CM等についても、地域の実情にあった改善や、党の基本姿勢をより印象的に、鮮明に宣伝していく工夫が求められている。

4. 【選挙区と比例区の連動】非拘束名簿方式に対応した比例区選挙と選挙区選挙の連動については、相互に相乗効果を発揮させる十分な連携とはならなかった面がある。基本となる選挙区選挙を担いうる党の主体的態勢の確立と併せて、非拘束名簿方式に対応した比例区選挙対策の改善策の検討が必要である。また、空白区、推薦候補者の選挙区における比例区票獲得の活動について弱さがあったことも否めない。

5. 【支援団体との連携】民主党組織が各地で必ずしも十分に整備されていない中で、連合や産別労働組合を中心とした支援団体の取り組みは、選挙戦の原動力となり、特に複数区において大きな成果があった。今後民主党地域組織の脆弱性を克服しつつ、地域における労働団体との協力関係をさらに進めていきたい。 
各種団体等との連携は、一部の地域や団体との協力関係を除いて全国的には依然として不十分であり、今後の党活動の大きな課題として残されている。
  また多様な比例区候補者の擁立によって、新たに連携可能な様々な分野を開拓できた。これらの分野については日常的な活動を通じ、今後より一層太いパイプを築き上げていくべきである。

6. 【選挙協力】今回の選挙協力により、1人区を中心として野党の協力体制を築きえたこと自体は成果であったと言える。しかし結果としては国民に与野党対峙をアピールすることができず、十分なものとならなかったことを踏まえ、次期衆議院総選挙に向けて、野党協力のあり方や内容・方法等について十分に検討し、今回の結果を教訓としていかなければならない。


1. 今後の課題

 今回の参院選の結果は、当初目標とした参議院における与野党逆転は実現せず、大変厳しい結果となった。しかしながら改選議席を上回り、次期総選挙における足がかりを残すことができたと言える。自民党・小泉政権の遠からぬ破綻は明らかであり、次期衆議院選挙において、政権交代をかけてたたかう民主党の役割と責任は、より重要なものとなっていることは論を待たない。
政権交代を実現するため、民主党は、より一層国民の期待に応えうる政党として前進しなければならない。

以上

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.