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2000/12/01
第150国会(臨時)を終えて(談話)
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民主党幹事長 菅 直人

本日、72日間にわたる第150国会(臨時)が閉会しました。民主党は今臨時国会を振り返り、冷静に総括し、国民のみなさまの期待に応えるべく一層努力したいと考えます。

自民党内の比例順位を上げるための党費肩代わり問題に端を発した参議院選挙制度改悪法案が与党の強行によって成立しました。しかし、数の力で国会のルールを無視し、党利党略で参議院議長まで犠牲にして、選挙制度改悪を図る与党・森内閣に対して、民主党をはじめとする野党が最大限の抵抗を示したことにより、与党の醜い姿が国民の前に赤裸々に暴露され、森内閣支持率が止めどなく下降する原因を創り出しました。

右翼との交友・覚醒剤にかかわる警察情報漏洩などの疑惑を招きながら、国会でウソの答弁を繰り返した中川官房長官問題では、民主党が調査にもとづき事実関係を鋭く追及することにより、疑惑と腐敗をひたすら隠し、庇おうとする自民党と森総理の無責任かつ退廃した体質が明々白々となり、中川長官は辞任を余儀なくされました。

また、あっせん利得処罰罪法、補正予算、そして、警察法改正、少年法改正、IT基本法などの法案が、与党3党の議席数のみを根拠にして成立しました。しかし、その政策的失敗、矛盾は明らかであり、民主党は常にそうした点を鋭く追及しながら、具体的かつ建設的な対案・修正案をもって誤りを正す努力を重ねることを基本に審議に臨み、幾つかの法案においては修正が実現しました。

 民主党は、国会が言論の府の機能を発揮し、与野党が熱心な議論を積み重ねることを追求しました。しかし、与党は議論を省略した強行採決を繰り返し、森総理は終始一貫して議論を回避し、党首討論はわずかに2回開催されただけに終わりました。補正予算、重要法案審議も十分なものとは到底言えません。日本人拉致疑惑にかかわる「第三国発見案」発言など、自らの失言に脅え、失言を開き直りつつ議論から逃避する森総理の姿勢は、国民の内閣不信、国際的信用失墜の要因になっています。

臨時国会を概観するなら、1.衆参一体・党内一致結束して国会活動を展開できたか、2.与党・森内閣の失政、腐敗堕落ぶりが鮮明となったか、3.野党4党の協力・共闘はすすんだか、4.野党第一党としての責任を果たしえたか−という問いかけに対して、民主党は全党一丸となり努力し、大きな成果をあげえたとお答えすることができると確信します。

もちろん、国民のみなさまからご覧になって、野党の力不足と感じられる点もあったかと思います。そうした点については率直にお詫びを申し上げるとともに、真摯に反省と総括を行う中で次への飛躍をめざしてまいりたいと考えます。
KSD疑惑など自民党政治家を巡る疑惑の解明が通常国会に持ち越されていることを肝に銘ずる必要があります。景気回復・雇用安定に向けて構造改革政策を推進する努力を重ねるべきことは言うまでもありません。

1.法案に対する態度決定における党内の議論と意思決定手続きをさらに充実させる、2.民主党の政策の鮮明さ、わかりやすさをさらに追求する、3.衆参の党及び統一会派議員団の活発な討議と合意形成、団結形成を一層推進する−今国会の総括と反省を踏まえ、今後さらに改善していかなければならない点も全党で確認しなければなりません。

しかし、今国会で私たち民主党は常に衆参一体、一つの方針の下に微動だにせずたたかい抜き、4野党協力も最後まで貫徹されました。私たちが提出した森内閣不信任決議案は否決され、ただちに解散・総選挙に追い込むことはできませんでしたが、その過程の中で自民党の自浄作用の喪失、内部崩壊のはじまりが明らかになる中で、国民は内閣支持率に示されているとおり森内閣を不信任するに至っています。

臨時国会は閉会しましたが、国民の声を背景とした民主党をはじめとする野党の72日間のたたかいによって、森内閣は気息奄々たる状態に至り、自民党政治の終焉を求める声は澎湃として起こっています。
民主党は、こうした世論に応えるためにも森内閣を退陣に追い込み、参議院選挙のみならず解散・総選挙の早期実施によって新しい政治を誕生させるという、歴史的事業を21世紀の幕開けの年に実現させることをめざします。

 今臨時国会の成果と反省点を民主党全体で確認し、鳩山代表の下、全党一丸となって新しいたたかいに臨んでいきたいと考えます。

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