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2002/06/06
「石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案」及び「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案」に対する本会議質問
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山田敏雅

 民主党の山田敏雅でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表しまして、ただいま議題となりました本法案について質問いたします。(拍手)

 質問に入ります前に、一言、私の意見を申し述べたいと思います。

 私は、広島県の出身でございます。私の親戚、知り合い、原爆で被爆された方が身近におられます。小さいころから、その体験を聞かされてまいりました。

八月六日には、あの原爆が投下されたその場所、その時間において、数万人の方と一緒に集います。心から世界平和を願うものであります。

 しかし、今般の福田官房長官の発言は、私たちの、本当に日本が世界平和を追求する唯一の原爆体験国である、この国家としてのアイデンティティーを踏みにじるものであります。

 福田長官は反省されているようですけれども、しかし、これから、我が国の外交政策上、こんなことで本当にいいのでしょうか。私は、辞任をもって責任をとられるのが一番適当であると考えますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。(拍手)

 さて、行政改革についてお尋ねいたします。

 私のもとに、内部告発がございました。ある公団で働いていらっしゃった方でございますが、若い方で、既にこの公団を退社されました。この方の内部告発によりますと、この公団の理事の方、幹部の方の働きぶりについてでございます。

 この公団の理事の方は、朝十一時に出社されます。一時間、新聞を読んで、昼になると二時間から三時間、昼休みをとられます。三時ごろ、会社に帰ってこられて、一時間、夕刊を読んで、四時に退社されます。この理事の方の年収は二千数百万円、三年間いると三千万円の退職金。

 このような理事の方が数百人、数千人いらっしゃいます。国民の常識からいうと、二千数百万円の年収というのは、普通の中小企業の社長でも取ることはできません。もし、二千数百万円の年収を取られるのであれば、相当の才能があって、本当に死に物狂いで働く方でないと、会社はその年収を払うことはできません。

 では、この多くの理事のこの勤務状況は一体どうして生まれたのでしょうか。もし、監督官庁が働いているのであれば、直ちにこの理事は首であります。なぜ、首にならないのでしょうか。

 私は、通産省で働いておりました。今回の石油公団のトップの方にも、私がお世話になった先輩の方がいらっしゃいます。もし、私が通産省のこの監督の責任者であって、この方たちに、あなたたちは働かないからきょうから首だ、そんなことは決して言うことはできません。それは、七十七の特殊法人すべての監督官庁に言えることではないでしょうか。

 今回の石油公団の三十五年間に行われたことを細かく見れば見るほど、余りにもずさん、余りにもいいかげん、国民の税金を本当に湯水のように使った、これを見ることができます。

 そこで、平沼大臣、お伺いいたします。

 このような、役所のOBが天下って公団、特殊法人の幹部にいる場合、法律上、これは所管官庁が監督するのですが、制度上、法律上はあるけれども、実態上、ワークしたためしがない。このことについて、平沼大臣、国民の代表である政治家として御意見を聞かせていただきたいと思います。

 福田官房長官、これから改革を進められるその責任者として、この同じ質問にお答えいただきたいと思います。

 さて、片山大臣、去年の十二月、特殊法人等整理合理化計画が発表されました。ほとんどの特殊法人は独立行政法人になるというのがございます。きょう現在、五十七の法人が独立行政法人に変わりました。

 しかし、この独立行政法人、皆さん御存じのとおり、完全な焼け太りでございます。役員ポストの数が大体倍ぐらいにふえました。この五十七を数えてみましたけれども、役員ポストが百ふえました。そして、九百人の人員が増員になりました。これは行政改革と言えるのでしょうか。

 この独立行政法人の致命的な欠陥は、独立行政法人にして経営責任を持たせる、すなわち、あなたに任せます、そのかわり第三者評価委員会で経営責任を追及しますということです。しかし、今、この五十七の法人を見ましたように、任せられた法人は、役員の数をふやします、人員の数をふやします。そして、監視すべき第三者評価委員会は、実質上、役所が指名したメンバーでございますので、本当に経営責任を追及する立場にはありません。

 片山総務大臣、このまま小泉改革がどんどん進んで、今回の石油公団もそうですが、独立行政法人がどんどんふえていったら、一体、我が国の行政改革はどうなるのでしょうか。正確にお答えいただきたいと思います。

 次に、石油公団について質問いたします。

 ここに、石油元売大手の幹部の意見があります。こういうふうにおっしゃっています。この石油公団は「役人の天下りだけのための存在で、設立の目的を果たしていないのだから、廃止の声が上がるのもやむを得ない」。また、石油連盟の岡部敬一郎会長は、最近の会見で、「公団的機能は終わったのかもしれない」、こう発言されております。

 石油業界、この身内の中から、何でこんな冷たい意見が出るのでしょうか。それは、中にいる人たちが、この石油公団がやってきた三十五年間を見て、これは国民の血税のむだ遣いと天下りの道具でしかなかった、こう思っていらっしゃるからではないでしょうか。

 一体、石油公団の設立の目的と国策は何だったのでしょうか。三十五年前、メジャーに支配された石油、これを自主開発して、そして日の丸原油を三〇%まで上げよう、これがナショナルセキュリティーだ、この目的であったはずであります。二兆円の資金が投入されました。その結果、一兆四千億円が不良債権化し、海の藻くずになりました。その結果、中東依存度は八七%、過去最高の中東依存度になりました。これは、この法律、この公団の目的そのものと反対の方向に結果がなったのではないでしょうか。

 自主開発についてお尋ねします。

 一二、三%の自主開発原油が入っているということになっておりますが、その中身はほとんどが中東からであります。一体、最初の目的はどこに行ったのでしょうか。そして、その中で最も生産量の多いジャパン石油開発、これは生産しているにもかかわらず、三千二百億円の赤字を持っています。

 これは極めて単純なことであります。当初、相手国政府との交渉で、二五%の権益を差し上げます、こういう約束で発足いたしました。しかし、いつの間にか、相手国政府の権益が六〇%になりました。したがって、我が国のシェアは一二%。数千億円の資金をかけて、一二%しかもらえない。しかも、その上に、高いロイヤルティーを請求されました。したがって、この最大の自主原油の産出会社でありますジャパン石油開発は、このような膨大な赤字をつくってしまいました。

 石油ショック以降、産油国の態度は変わりました。産油国の中で産出する石油については国有化しよう、こういう考えのもとで行われております。このようなわずかな、そして二兆円もかけた自主開発油田から、本当に石油危機が起こったときに我が国に石油が来るということは、可能性としてはほとんどないと思います。明確に言えば、この自主開発は完全に失敗であります。

 平沼大臣、今、この法律を読み上げられました。自主開発は必要である、こういう御意見であります。私が今言いましたこの自主開発の実情についてよく理解していただいて、なぜ自主開発が必要なのか、国民の皆さんにわかりやすい言葉で、明確に御説明いただきたいと思います。

 最後に、国家エネルギー戦略でございます。

 御存じのように、我が国は、間もなく、京都議定書を批准いたします。この京都議定書は、参加国の中で日本が最も不利な条件をつけられております。専門家の意見を聞けば聞くほど、この京都議定書の達成は不可能であるということがわかってまいります。

 その結果、我が国は、排出権取引において、数兆円のお金を払わなければいけない。国民に新たな負担を強いるわけであります。今後の環境エネルギー政策、この自主開発で本当にいいのでしょうか。平沼大臣、お答えいただきたいと思います。

 私は、今後のエネルギー政策は、エネルギー政策と呼ばないで、環境エネルギー政策と呼ぶべき時代に入ったと思います。(拍手)

 私の持論は、七千万台の日本の自動車、これを、排気ガスのない国にしよう、すなわち、電気自動車で置きかえるべきだと思います。石油の埋蔵量は、あと四十年で枯渇すると言われております。枯渇しないでも、四十年で需給が非常にタイトになります。遅かれ早かれ、石油を使わない車を使わないといけない時代が来る。それであるならば、世界に先駆けて、バッテリーとモーターだけで走る電気自動車を我が国で普及させるべきではないでしょうか。しかも、バッテリーとモーターは、日本が世界で最高の技術を持っています。これを量産化すれば、新しい産業として世界に輸出することができます。

 それだけではなく、この電気自動車は、深夜に充電いたします。御存じのように、四〇%近い原子力発電は、二十四時間、発電しております。この深夜に充電することによって、総エネルギー効率が二五%上がります。石油の原油の輸入量を大幅に減らすことができます。石油公団がやったことよりもはるかに効率的に、ナショナルセキュリティーを達成することができます。

 私の試算では、一千億円で数十万台の電気自動車を普及させることができます。数十万台の規模であれば、今考えられるバッテリー、モーターが大幅にコストダウンを図れ、その後、経済的に見合うマーケットを創出することができます。

 これは、平沼大臣に私は委員会で二回ほど御提案いたしました。きょうは、本会議でこの点についてお答えいただきたいと思います。

 最後に、石油公団は、直ちに、きょう、全面的に廃止すべきものだと思います。ありがとうございました。(拍手)

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