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2002/05/14
「エネルギー政策基本法案」に対する修正要求
〜「環境との調和」「国民参加」を前提とした新時代のエネルギー政策を実現するために
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民主党

1.自然エネルギーのさらなる重視
与党案では、化石燃料以外のエネルギー利用への転換が盛り込まれている。当然のことであるが、地球環境保全の視点もふまえ、自然エネルギー・再生可能エネルギーへの積極的な転換をうたう内容とすべきである。そのため、第3条(環境への適合)に、「太陽光、風力等」と具体的な文言を加える。

第三条 エネルギーの需給については、エネルギーの消費の効率化を図ること、太陽光、風力等の化石燃料以外のエネルギーの利用への転換及び化石燃料の効率的な利用を推進すること等により、地球温暖化の防止及び地域環境の保全が図られたエネルギーの需給を実現し、併せて循環型社会の形成に資するための施策が推進されなければならない。


2.市場原理の活用の明確化
与党案では、市場原理の活用を基本理念の一つとしている。当然のことであるが、敢えて2項でブレーキをかけるような枠組みは問題である。まず、2項を削除するとともに、安定供給の確保、環境への適合との関連から、「前2条の政策目的を考慮しつつ」という文言を加える。

第四条 エネルギー市場の自由化等のエネルギーの需給に関する経済構造改革については、前二条の政策目的を考慮しつつ、事業者の自主性及び創造性が十分に発揮され、エネルギー需要者の利益が十分に確保されることを旨として、規制緩和等の施策が推進されなければならない。
2 前項の施策の推進に当たっては、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持及び発展並びに地域及び地球の環境の保全のため、前二条の政策目的が損なわれないよう十分配慮されなければならない。


3.基本計画を国会承認事項に
民主党の政策でもうたっているように、エネルギー基本計画作成を国会承認事項とすべきである。このため、第12条に、基本計画作成については、国会の承認を義務付ける文言を加える。これに伴って、関連するその他の条文を修正する。

第十二条―4(新) 内閣は、閣議決定をしたときは、エネルギー基本計画を国会に提出し、その承認を受けなければならない。


第十二条―5(旧第十二条―4) 経済産業大臣は、前項の規定による閣議の決定国会の承認があったときは、遅滞なく、エネルギー基本計画を公表しなければならない。


4.時宜に応じた基本計画の見直し
与党案では、少なくとも5年ごとに基本計画を見直すことを促す条文が盛り込まれている。しかし、5年ごとの見直しでは、柔軟かつ機動的なエネルギー政策を実現することは困難と考える。時宜に応じた基本計画の見直しを推進するため、第12条を修正し、3年ごとの見直しを担保する条文に改める。

第十二条―5(3.が実現すれば、第十二条―6になる) 政府は、エネルギーの需給をめぐる情勢の変化を勘案し、及びエネルギーの需給に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも三五年ごとに、エネルギー基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。


5.基本計画作成に向け国民及び地方の参加の場を設定
与党案では、エネルギー基本計画の作成等に当たって、国民や地方公共団体の意見を幅広く聞くための措置がしっかり明記されていない。基本計画作成に際して、政府が国民の意見を聴くための措置を明記する。そのため、12条−3を加筆修正する。

第十二条―3 経済産業大臣は、関係行政機関の長の意見を聴くとともに、及び総合資源エネルギー調査会の意見を聴いて聴き、併せて地方公共団体の意見を求めるほか、広く国民の意見を聴いて、エネルギー基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。


6.「エネルギー需給」の中の「需給」という表現を削除
与党案には、「エネルギーの需給」という表現が多く見受けられる。少なくとも、第2条1項、第12条5項の「需給」という表現は削除すべきと考える。

第二条−1 エネルギーの安定的な供給については、世界のエネルギーの需給に関する国際情勢が不安定な要素を有していること等にかんがみ、石油等の一次エネルギーの輸入における特定の地域への過度な依存を低減するとともに、我が国にとって重要なエネルギー資源の開発、エネルギー輸送体制の整備、エネルギーの備蓄及びエネルギーの利用の効率化を推進すること並びにエネルギーに関し適切な危機管理を行うこと等により、エネルギーの供給源の多様化、エネルギー自給率の向上及びエネルギーの分野における安全保障を図ることを基本として施策が講じられなければならない。


第十二条―5(3.が実現すれば、第十二条―6になる) 政府は、エネルギーの需給をめぐる情勢の変化を勘案し、及びエネルギーの需給に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに、エネルギー基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。


7.「エネルギー自給率の向上」という表現を削除
エネルギーの安定供給に加えて、エネルギー自給率の向上という表現が盛り込まれているが、ほとんど同じ内容を繰り返すことになり、後者は不要と考える。第2条の「エネルギー自給率の向上」という表現を削除する。

第二条 エネルギーの安定的な供給については、世界のエネルギーの需給に関する国際情勢が不安定な要素を有していること等にかんがみ、石油等の一次エネルギーの輸入における特定の地域への過度な依存を低減するとともに、我が国にとって重要なエネルギー資源の開発、エネルギー輸送体制の整備、エネルギーの備蓄及びエネルギーの利用の効率化を推進すること並びにエネルギーに関し適切な危機管理を行うこと等により、エネルギーの供給源の多様化、エネルギー自給率の向上及びエネルギーの分野における安全保障を図ることを基本として施策が講じられなければならない。


8.エネルギーに関する情報公開を促進
エネルギー政策の策定に当たっては、徹底した情報公開が不可欠である。国による情報公開を促進するための項目を第14条に追加する。情報公開と団体活用は別の話になるので、営利団体に触れた個所を移動する。

第十四条 国は、広く国民があらゆる機会を通じてエネルギーに対する理解と関心を深めることができるよう、エネルギーに関する情報の積極的な公開に努めるとともに、営利を目的としない団体の活用に配慮しつつ、エネルギーの適切な利用に関する啓発及びエネルギーに関する知識の普及に必要な措置を講ずるように努めるものとする。この場合においては、営利を目的としない団体の活用に配慮するものとする。

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