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2002/04/19
自然エネルギー発電促進法案要綱
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第一 目的(第一条関係)

この法律は、自然エネルギー発電を促進するための措置を講ずることにより、枯渇しないエネルギー資源の有効な利用及び温室効果ガスの排出の抑制による地球温暖化の防止を図り、もってエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保及び環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の構築に資することを目的とすること。


第二 定義(第二条関係)

この法律において「自然エネルギー発電」とは、次に掲げる発電をいうこと。
  一 太陽光発電
  二 風力発電
  三 水力発電(政令で定める出力以上の発電設備によるものを除く。)
  四 地熱発電
  五 バイオマス(農業、林業又は製材業において産物、副産物又は廃物として生ずる薪材、木くず、わら、家畜の排せつ物その他の有機物を全部又は大部分とする有機物(当該有機物から得られる液体又は気体を含む。)をいう。)を燃料として利用して行う発電
  六 一から五までのほか、自然現象又は生物体に由来する枯渇しないエネルギー資源による発電であってこれによる電気の供給の促進を図ることが第一の目的に照らし特に必要なものとして政令で定めるもの


この法律において「電気事業者」とは、電気事業法第二条第一項第二号に規定する一般電気事業者、同項第六号に規定する特定電気事業者及び同項第八号に規定する特定規模電気事業者をいうこと。


第三 国の責務(第三条関係)

国は、自然エネルギー発電を促進するために必要な財政上、金融上及び税制上の措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。


国は、自然エネルギー発電による電気の供給の安定化、自然エネルギー発電の技術水準の向上及び費用の低減等のための研究開発の実施及びその成果の普及に努めなければならないものとすること。


国は、教育活動、広報活動等を通じて、自然エネルギー発電の促進に関する国民の理解を深めるよう努めなければならないものとすること。


国は、自らの事務及び事業に関し、その建築物に自然エネルギー発電のための設備を設置する等自然エネルギー発電を促進するための措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。


国は、自然エネルギー発電の促進を図るための国際的な連携の確保、技術協力の推進その他の国際協力を推進するために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。


第四 地方公共団体の責務(第四条関係)

地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じた自然エネルギー発電の促進のための施策を推進するよう努めなければならないものとすること。


地方公共団体は、自らの事務及び事業に関し、その建築物に自然エネルギー発電のための設備を設置する等自然エネルギー発電を促進するための措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。


第五 自然エネルギー発電を行う者の責務(第五条関係)

 自然エネルギー発電を行う者は、自然エネルギー発電の安定化及び効率化を図ることにより、自然エネルギー発電の促進に資するよう努めなければならないものとすること。


第六 電気事業者の責務(第六条関係)

 電気事業者は、自然エネルギー発電を行い、及び自然エネルギー発電による電気の供給を促進するための措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。


第七 電気の使用者の責務(第七条関係)

 電気を使用する者は、自然エネルギー発電の促進について理解を深めるよう努めるとともに、自然エネルギー発電による電気を使用するよう努めなければならないものとすること。


第八 供給目標(第八条関係)

 政府は、自然エネルギー発電の促進の見地から、自然エネルギー発電による電気の供給の目標(以下「供給目標」という。)を定め、これを公表しなければならないものとすること。

供給目標は、自然エネルギー発電の種類ごとの電気の供給量の目標、自然エネルギー発電による電気の供給量が電気の総供給量に占める割合の目標その他自然エネルギー発電による電気の供給に関する事項について、地球温暖化対策の推進に関する法律第七条第一項の地球温暖化対策に関する基本方針を踏まえ、経済全般の動向、自然エネルギー発電に係る技術水準その他の事情を勘案するとともに、循環型社会形成推進基本法第九条に規定する基本原則に配意して定めるものとすること。


経済産業大臣は、供給目標の案を作成して閣議の決定を求めなければならないものとすること。


経済産業大臣は、供給目標の案を作成する場合には、あらかじめ、関係行政機関の長に協議し、経済財政諮問会議の意見を聴くとともに、自然エネルギー発電を行う者及び電気事業者の意見を代表すると認められる者並びに学識経験のある者の意見を聴かなければならないものとすること。


第九 自然エネルギー発電の認定(第九条関係)

 自然エネルギー発電を行う者は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に申請して、その自然エネルギー発電が自然エネルギー発電の種類ごとに政令で定める基準に適合する旨の認定を受けることができるものとすること。


第十 自然エネルギー発電供給促進計画(第十条関係)

 電気事業者は、供給目標を踏まえ、経済産業省令で定めるところにより、自然エネルギー発電(第九の認定に係るものに限る。第十一から第十三までにおいて同じ。)による電気の供給の促進についての計画(以下「自然エネルギー発電供給促進計画」という。)を作成し、これを公表しなければならないものとすること。


電気事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、前年度における自然エネルギー発電供給促進計画の実施の状況を公表しなければならないものとすること。


第十一 買取り約款(第十一条関係)


電気事業者は、自然エネルギー発電の種類ごとに、その電気の買取りに係る料金、期間その他の買取り条件について、経済産業省令で定めるところにより、約款を定めなければならないものとすること。


1の買取りに係る料金の額は、自然エネルギー発電の種類ごとに、自然エネルギー発電による電気の買取りに代えて電気事業者が自ら発電を行うこととした場合に追加的に必要とされる発電費用の単位当たりの額として経済産業省令で定めるところにより算定した額に相当する額を下らない額を定めるものとすること。


電気事業者は、1の約款(以下「買取り約款」という。)を定めるに当たっては、自然エネルギー発電の促進に資するよう配慮するものとすること。


電気事業者は、買取り約款を定め、又は変更したときは、経済産業大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならないものとすること。


第十二 補助


国は、自然エネルギー発電のうち、経済性の面における制約から普及が十分でないものであってその促進を図ることが特に必要であるものとして政令で定めるものについては、政令で定めるところにより、当該自然エネルギー発電に係る設備を設置する者に対し、予算の範囲内において、当該設備の設置に要する費用の一部を補助することができるものとすること。(第十四条関係)


国は、自然エネルギー発電による電気の売渡しについて、予算の範囲内において、必要な補助を行うことができるものとすること。この場合において、補助の基準単価、補助対象者及び補助対象量は、経済産業大臣が実施し、第九の認定を受けた者が応札する入札により決定するものとすること。(第十五条関係)


国は、電気事業者に対し、政令で定めるところにより、自然エネルギー発電による電気の買取りによって負担することとなる費用について、予算の範囲内において、必要な補助を行うことができるものとすること。(第十六条関係)


第十三 その他

 系統連系(発電設備の電気事業者の電力系統への連系をいう。)に関する指針の策定、経済産業大臣による指導及び助言並びに報告の徴収その他必要な事項を定めるものとすること。


第十四 附則

この法律の施行期日等について定めること。

関係法律について所要の改正を行うこと。

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