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2001/10/25
セーフガード問題について(経過報告)
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民主党 経済産業ネクスト大臣 北橋 健治


セーフガードPT(松本龍座長、小平忠正副座長、細野豪志事務局長)を設置し、セーフガードの問題について討議を続けてきた。関係省庁、関係団体からヒアリングを行うとともに、党内での論議を深めてきた。

日本が中国産品に対して、ネギ、生シイタケ、イグサ(畳表)のセーフガード(緊急輸入制限)を暫定発動したことは、WTOのルールに基づくものであり、緊急やむを得ざる措置だったと受けとめる。一方、中国政府が対抗措置として自動車、携帯・自動車電話、空調機の日本製品3品目に特別関税を課す結果となったことは憂慮すべき事態と考える。報復措置はWTOでは認められておらず、WTO加盟を申請している中国がかかる措置をとったことは納得できない。

日本政府は日中間の貿易摩擦解消のため、本発動決定の先送りすることを視野に、中国と協議を重ねる方針であり、今月21日の日中首脳会談では話し合いで解決することを改めて確認している。200日の暫定発動が終わる11月8日までに協議がまとまらなくても本発動(最長4年間)に移行せず、協議を続ける公算がある。なお、セーフガード調査期間終了の12月21日が途中の節目になると思われる。

セーフガードは期限が決まっており、本来は、その間に構造改革で国内産業の競争力を高めることが目的である。仮に、本格発動したとしても、セーフガード終了後の3品目産業の姿を明らかにすべきである。「ビジョンと戦略なき本格発動」になってはならない。コストの面で中国とどこまで競争できるのか、農業に加えて流通の構造改善も大胆に進めるのか、安全性という点で国内産品の優位性をはっきり位置付けるのか、消費者の理解と利益をどう考えるのか等々、政府の見解を示すべきである。

今日の事態を招来したことについては、政府のお粗末な対中外交にも責任があると考える。両国の経済交流は拡大、相互依存が強まっているだけに、さらに対立を拡大することは回避しなければならない。ワカメ、うなぎなど民間レベルの日中協議で、中国側が自主的に輸出を削減する方向で解決をみた例があることにも鑑み、日本政府に対し、中国政府と粘り強く話し合いを行い、当面は、貿易制限的な措置をとらなくても事態を収拾できるよう努力を続けるよう求める意見が強かった。さらに、繊維の分野についても、政府としての方針を明らかにすべきである。

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