民主党 経済産業ネクスト大臣 北橋 健治
7月19日、福岡県筑豊地区の石炭じん肺患者と遺族が損害賠償を求めた「筑豊じん肺訴訟」控訴審で福岡高裁は、石炭じん肺訴訟としては初めて国の賠償責任を認める判決を下した。
これに対して、政府は、福岡高裁判決を不服として、最高裁に上告する方針を固めたと報じられている。もしこれが事実だとすると、提訴から16年を経て原告の8割近くが亡くなり、国は患者の救済に努める必要があるとの原告団、弁護団、支援者などの切実な声を無視するものであり、極めて残念である。
十分な保安対策を欠いたまま石炭の増産政策が採られ、じん肺の発生を十分予想できたのに、国が有効な手立てを講じなかったことは明らかである。福岡高裁が、国の責任を認めたことは理に適っている。労働者の生命・健康の安全を確保する義務は雇用主にあるが、重大な危険が存在し、それを承知の上で、与えられた権限を行使しなかった場合に、行政が責任を問われるのは当然である。
民主党は、「筑豊じん肺訴訟控審判決」について、政府は上告を取りやめ、全国のじん肺患者に救済の手を差し伸べる努力を、可能な限り急ぐよう強く要請する。
以上
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