1 改正理由
銀行救済のための超低金利政策は、消費者金融等の急速な業容拡大をもたらした。貸金業者は数%という超低金利で資金を調達する一方で、利息制限法で定められている15〜20%をはるかに超える金利で貸し付けている。この原因は、現行の出資法・利息制限法・貸金業規制法に大きな問題があり、債務者よりも貸金業者に有利な法体系となっていることにある。そこで、今般、民主党は出資法・利息制限法・貸金業規制法を改正し、貸金業者の無法な高金利を是正することにより社会的公正を実現するとともに、金融仲介機能の健全な発展を図るものである。
2 改正内容
1. 出資法上限金利の引下げとグレーゾーン金利の解消
利息制限法の上限金利(年15〜20%)と出資法の上限金利(年40.004%)の間はグレーゾーン金利と言われ、違法だが罰則がない。そこで、出資法の上限金利を現行の利息制限法の上限金利並に引き下げ、年20%を上回る金利は罰則付きで明確に禁止する。
2. 遅延損害金の上限の引下げ
利息制限法は、遅延損害金の上限を上限金利の2倍までと定めているが、悪質業者による悪用を防ぐため、これを上限金利の1倍までに引き下げる。
3. 制限超過利息に関する特例の廃止
利息制限法は、債務者が任意に支払った制限超過利息の返還を請求できないと定めているほか、貸金業規制法は、債務者が任意に支払った制限超過利息を有効な弁済とみなすと定めているが、グレーゾーン金利の解消に伴い、これらの特例は廃止する。
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