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1998/11/12
民主党の所得減税と「子ども手当」創設の考え方について
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民主党

(1) 民主党は、当面する個人所得減税については、今後のわが国における民間の経済活力を高めるとともに、未来への不安を解消し、国民生活の安心感を高める中長期的な税制改革の方向に沿って、これを部分的にであれ前倒し実施するという考え方で進めるべきと考えている。



(2) 民主党は、3年以内の納税者番号制度の導入と総合課税化を明確にし、各種控除等の見直しによって課税ベースの拡大をはかりながら税率を引き下げるという大前提の上で、所得税の5段階の税率を現行の10〜50%から8〜40%に一律2割引き下げるとともに、最低税率の適用上限を課税所得330万円から400 万円に引き上げることを提案する。

現在、国の所得税と地方の個人住民税の合計最高税率は65%であるが、国・地方の法人所得課税の実効税率が40%台であること、主要先進国の個人所得課税の最高税率が押し並べて40〜50%台の水準であることなどに照らして依然高い水準といわざるを得ない。終身雇用を前提とした年功賃金・退職金制度に代わって年俸制等を採用する企業が徐々に増えていることなどを考えても、年々の勤労所得に対する課税のあり方を見直す必要性が増大している。



(3) この税率引き下げ等の減税とあわせて、扶養児童に係る扶養控除を廃止して、社会保障制度上の児童手当に代えて、「子ども手当」を創設する。児童手当は、児童の扶養・育成に必要な費用の半分は社会が負担すべきであるという思想に基づいて西欧諸国で定着している制度であり、わが国でも1970年代はじめにスタートしたが、財政事情等の都合によって縮小が繰り返されてきた。民主党は、この児童手当に代えて、「子ども手当」を創設し、西欧諸国並みに18歳(学生は23歳)まで第1子・第2子に毎月1万円、第3子以降に毎月2万円を支給する(現行制度は支給対象が3歳未満児童に限られ、支給額も上記の半額にすぎない)。年収制限はサラリーマン家庭で年収額1,200万円程度までに引き上げる(現行は約620万円)。

所得税の扶養控除等の人的控除は、家族構成等の事情に応じて課税所得を調整するという一種の社会政策的配慮に基づく制度であるが、税制をきわめて複雑なものにしているだけでなく、実際には高額所得者ほど税の軽減額が大きくなるという根本的欠陥がある。したがって、これらを見直し、本来の社会保障制度に置き換えていくことは、税制の簡素化に資すると同時に、真に必要な社会保障を充実することを意味している。



(4) 上記の所得減税と扶養控除廃止・「子ども手当」創設を一体のものとして実施することにより、子育ての経済的負担の重い中・低所得階層の実質的な減税額(所得税減税額+児童手当給付額)の厚みを増すことが可能となり、98年特別減税後と比較した負担増もほぼ解消する(サラリーマン標準世帯の課税最低限は 361.6万円(98年特別減税後491.7万円)から209.6万円に下がるが、「子ども手当」給付によって実質的にはむしろ負担減となる)。

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