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1998/11/12
民主党の基礎年金保険料引き下げ提案と消費税問題について
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民主党

(1) 高齢社会の進展に伴い、現役世代への税負担の集中を緩和し国民が薄く広く負担を分かち合う税制として、消費税は今後ますます重要な役割を果たすことになると考えられる。近い将来において、基礎年金や介護、高齢者医療等の財源を賄うために消費税の一部を福祉目的税とすることも政策上の重要な選択肢となっている。景気対策を理由に消費税率を一時的に引き下げることは、このような将来のあるべき税制の方向に逆行するものであり、再び税率を引き上げる際に多大な政治的困難を伴うことに比して経済的効果がさほど期待できないことからも、政策としての適切性・合理性を欠き、到底賛成できない。



(2) 民主党は、所得減税とあわせて基礎年金の国庫負担率を1/3から1/2に引き上げ、これによって国民年金保険料を1人月額約3,000円(年額 36,000円)、厚生年金保険料率を1%(これを労使折半、1人平均約1,800円(男子加入者の平均給与月額の0.5%、年額21,600円)ただちに引き下げる。これは、将来の基礎年金財源全額税方式への移行を一部前倒しで実施するものであり、未加入者や保険料滞納・免除者の増大によって崩壊寸前にあるといわれる国民年金・基礎年金制度の財政を安定化させると同時に、所得税非課税世帯や法人にも経済的効果をもたらす。



(3) 基礎年金国庫負担率の1/2への引き上げと保険料引き下げのために必要な財源は年間2.2兆円であり、消費税1%分の正味の税収に相当する。また、昨年春に引き上げられた消費税率2%のうち1%は地方自治体の住民向けサービス等の財源に充てられる地方消費税である。民主党は、消費税の一時引き下げよりも、その財源を基礎年金等の福祉財源や地方財源の安定化に充てることによって、将来にむけた国民生活の安心の基礎を確立する方向に政策を一歩進めるべきであると考える。



(4) 同時に、来年4月で10年を迎える消費税については、消費税の持つ逆進性緩和策の検討、帳簿方式からインボイス方式、高過ぎる免税点の引き下げ、簡易課税制度(みなし仕入れ率)等について思い切った見直しを行い、真に国民に信頼される公正かつ透明な税制に改革することが不可欠である。

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