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1998/05/13
財政構造改革法の凍結・抜本的見直しについて
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民 主 党 政策調査会長 伊藤 英成
平和・改革 政策審議会長 坂口  力
自 由 党 政策審議会長 野田  毅

1. 民主党、平和・改革、自由党の野党三会派政策責任者は、「財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止に関する法律案」(財革法凍結法案)を共同で国会に提出することを合意した。

2. 現行の財政構造改革法は、わずか5か月前に政府・与党が野党の反対を押し切って成立させたものである。金融不安が高まる中での「デフレ財政政策」が個人消費や企業の設備投資を冷え込ませ、その悪循環によって過去最高の企業倒産や失業率に象徴される「政策不況」の一層の深刻化を招いたことは、もはや疑う余地がない。「日本発世界恐慌」の危険性が国際社会から強く警告されるほど、橋本内閣が経済の先行きを見誤り、経済政策の舵取りを決定的に間違った責任は極めて重大である。

3. 政府は、特別減税の積み増しなどの景気対策を行うとして、財政構造改革法の改正案と補正予算案、減税関係法案等を国会に提出した。しかし、一時的な特別減税の積み増しでは、消費刺激効果はさほど期待できない。

 われわれ野党三会派は、当面の経済運営は景気回復を最優先とし、場当たり的な特別減税の繰り返しではなく、税率構造の見直し等による大規模な恒久減税の実施をはじめとする積極的な施策をためらうことなく実施すべきであると考える。現行の財政構造改革法及び政府の改正案では恒久減税に対応できないことは明白であり、現行の財政構造改革法については施行を一時停止し、その間に経済情勢の変化を踏まえつつ、財政構造改革のあり方を含め、現行法の抜本的見直しを行い、真の財政構造改革を進める方策を明確にする必要がある。

4. 共同提案する法案の概要は次の通り。

(1) 財政構造改革法は、2年間施行を停止する。

(2)施行停止期間中に、財政・経済の状況の変化を踏まえて、財政健全化目標及びその達成期限その他財政構造改革のあり方について以下の方針により見直しを行い、財政構造改革の推進に関し必要な法制の整備を行う。

[1] 財政健全化目標については、目標の最終年度までに、単年度の国・地方の公債発行額と借入金の総額の対GDP比を3%以下とすることとする。

[2] 経済活動の著しい停滞等があった場合には、目標達成期限を延長できるようにする。

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