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2002/01/24
【衆院予算委】筒井議員、雪印牛肉詐欺事件で農水省の対応を追及
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 2次補正予算審議の行われている衆議院予算委員会で24日、民主党2番手の筒井信隆議員は、BSE(牛海綿状脳症)問題に絞って約1時間の質疑を行った。

 筒井議員はまず、雪印食品がオーストラリア産牛肉を国産肉に偽装して業界団体に買い取らせた事件について、すでに支払われている買い取り代金の返還はもちろん、今後同社を買い取りの対象から外すとともに、農水省として同社を詐欺罪で告訴・告発する義務があると農水省の対応を質した。事実関係を調査するなどの答弁を繰り返す武部農相に対し「農水省の対応は遅過ぎる」「買い取り制度から外すのか外さないのか、告訴・告発するのかしないのか」と再三問いただした結果、農相はようやく「そうすべきだと思っている。買い上げもできかねると考える」と答弁。

 続いて筒井議員は「なぜ日本でBSEが発生し拡大したのか、農水省の甘い見通し、危機管理意識の希薄さ、発生後の対応のまずさなど農水省の責任は重い」と厳しく指弾、農水省がEU委員会による日本のBSEに関する評価を断った経緯とその過程での農相の関与と責任を具体的に質した。

「EU委の評価を断るという事務方の説明に、それが適切だと言ったのは事実か」「この判断は間違いだったと反省しているか」との問いに農相は「OIE(国際獣疫事務局)が新たな評価基準を設けるからとの説明に、それが適切と思った。判断が間違いだったとは考えていない」「今にして思えばEUの評価を受けた方がよかった」「農水省の対応全体としては間違っていたが、評価を断った件は別」などと答弁を二転三転させ、委員長からも叱責を受けた。

 筒井議員はまた、EU委が肉骨粉の使用に警告を出した96年当時に畜産部長だった熊沢前農水事務次官が約9,000万円の割増し退職金を手にした問題を取り上げ、「当時肉骨粉の使用禁止を決定していれば、日本ではBSEは発生しなかった。このような前事務次官に、通常の退職金どころか割増し支給までするのは国民感情に反するのではないか」と農相や首相の感覚の鈍さを強く批判。

 最後に筒井議員は「農相が安全だと話せば話すほど牛肉の消費が落ち込んでいる。そういう大臣がやめることこそが国民の行政への信頼を回復させ、牛肉の消費量も上がるのではないか」と述べ、小泉首相に武部農相の更迭を迫ったが、首相は「農相がやめて牛肉の消費が回復するとは思いませんね。二度とこういうことが起きないよう努力することも責任の取り方の一つ」と開き直った。

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