政策調査会長 菅 直人
雇用・社会保障NC大臣 今井 澄
自民党は、予算関連法案であり、自らも最重要法案と位置づけた「健康保険法改正案」を先送りすることを決め、国会に提出したまま頬かむりを決め込んだ。
この改正案は、医療保険制度の抜本改革を先送りしたまま、患者自己負担を増やすという、3年前の改正と同じやり方の繰り返しである。したがって、民主党は政府案に反対であり、審議をすれば年金改正法案と同じ道をたどり、国民世論の猛反対を招くことは必至である。
解散・総選挙を目前にして、自民党は国民の批判を恐れて先送りすることを決めたのである。しかし、事は思い通りには運ばないことに気づいた。
この改正案をあきらめれば、7月1日から70歳以上の高齢患者から、薬剤数による自己負担を徴収しなければならなくなる。高齢者からの薬剤自己負担は、6月30日までは予算で措置して国が肩代わりすることにしてある。ところが、その予算が切れてしまうのである。そこで、自民党は悪知恵を働かせて、予備費を取り崩そうと考えた。しかし、本予算にないものに予備費を使うわけにはいかないので、「予備費を使って良い」という議員立法を提出せざるをえなくなったのである。
結局、健康保険の自己負担問題を国会で審議せざるをえなくなったわけで、自民党の頬かむりしようという目論見はうち砕かれた。「天網恢々疎にして漏らさず」であり、悪事は必ずばれるのである。
民主党は、本道に立ち戻って、医療保険制度の抜本改革、健康保険法改正問題、患者の自己負担問題を白日のもとにさらし、国民の前で議論することを求めていく。
以上
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