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1999/03/08
一九九九年度地方財政計画及び地方交付税法等の一部を改正する法律案、地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案に対する質問(高嶋議員)
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民主党・新緑風会 高嶋 良充

私は民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました一九九九年度地方財政計画及び地方交付税法等の一部を改正する法律案、地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案について総理及び関係大臣に質問致します。

 はじめに、地方財政危機は日増しに厳しさを増しており、一ヵ月前に衆議院本会議で本法案が上程された以降も、その深刻さは一層増大しております。このままでは地財危機が景気回復のブレーキとなり、日本経済の根底を揺るがすのではないか、そんな危機感から、我が民主党・新緑風会はあえて質問をさせて頂くことをご理解いただきたいと存じます。また、同会派で二名の質問をお許し頂いた斉藤議長に心から敬意を表します。

まず総理、本日、中村法務大臣が辞表を提出しました。中村法務大臣は憲法批判発言など問題を連発し、法相には不適格であり、辞任は当然、遅きに失したといえるでしょう。
 問われるべきは、このような人を法務大臣に起用し、さらに疑惑が表面化しても、機敏な対応を取られなかった総理の責任はどうされるのでしょうか。総理にお伺いします。

 続いて、九九年度の地方財政について伺います。
地方財政計画のなかで歳入、歳出の伸び率は一・六%増とされていますが、都道府県の当初予算の策定状況を見てみますと、緊縮予算を組んでいるところが多く、全体としてマイナス予算になる見込みであります。地方単独事業も大幅に縮小されており、公共事業を先導役として〇・五%の経済成長を達成するという政府の見込みは、早くも破綻しているのではないでしょうか。こうした現状についてどう考えておられるのか、総理及び経済企画庁長官のご認識をお伺い致します。

構造改革が放置されたまま、たび重なる景気対策に動員され、自治体はいま、体力を使い果たしています。地方単独事業どころか、国の補助事業にも付き合いきれないという声が聞こえてくるほどであります。自治体の予算編成では、国の要請する景気対策のための積極予算か、市民が求める財政再建のための緊縮予算かの二律背反に悩みながら、多くの自治体が国の政策に背を向け財政再建の道を選択した事は、国の景気対策への無言の抵抗であり、単独事業の縮小は国の従来型でバラマキの公共事業政策の転換を求めるシグナルとして受けとめるべきではないでしょうか。総理および自治大臣の所見をお伺いします。

地域経済を下支えする自治体の公共投資への協力なしに景気回復は望むべくもありません。機能不全に陥った国主導のセーフティネットを作り替え、国・地方間の税財源の配分を変えるという構造改革を決断されるべきであります。構造改革なしに、小手先の応急措置を繰り返しても、景気回復が望めないことは、この十年間の経験が示しているといえます。「失われた十年」という言葉がございますが、これ以上時を失うことは許されません。セーフティネットを整備する重要性については、総理も認めておられますが、残念ながら、総理には、新たなセーフティネットを担う主体が中央政府から地方に代わらなければならないという観点がおありではない。そのために、税財源の問題を素通りして、「市町村の取組みを支援する」といった型通りの答弁に終わっているのであります。改めて、セーフティネットの再構築と税財源移譲による構造改革について、総理のご見解を伺います。

次に、地方交付税制度の問題についてお尋ねします。
端的に言って、現行の地方交付税制度はすでに制度疲労の極み、瀕死の状態であります。全国三三〇〇近い自治体のうち、地方交付税を交付されていないのは一二〇団体でしかありません。九六%の自治体が自前の税収と資金調達で運営できないということは、これはもう制度が破綻しているというほかありません。総理はどう思われますか。自治大臣のご所見はいかがでしょうか。

財政再建に取り組む自治体では、中央政府の歳出拡大路線を尻目に「身の丈にあった」歳出構造へ転換を図る、血のにじむような努力が続けられています。膨大な調整財源と補助金を使って、政策誘導する現行の制度を維持することはもはや困難だということは明白であります。政府は、これからも従来の手法を取り続けるおつもりですか。通常収支不足を補てんする交付税特別会計の地方負担分の借金はどう処理されるのでしょうか。自治大臣、今後の方針をお示し下さい。

次に、地方特例交付金についてお尋ねします。
地方特例交付金は、地方税の代替的性格を有する財源とされています。しかし、課税権の主体が地方自治体である地方税とは似て非なるものであります。将来の税制の抜本的な見直し等が行われるまでの間の特別措置ということでございますが、見直しの方向性を示さないのは無責任といわざるをえません。将来、地方税源は確保されるのでしょうか、自治大臣、お答えいただきたいと思います。

 最後に自治大臣、あなたは新進党時代から「たゆまざる改革」を標榜され「改革の旗手」として入閣されました。私はあなたの分権改革の手腕に期待しておりました。なのに、先日、自治省の幹部を引き連れて、故郷に錦を飾る「大臣お国入り」をされたと聞き、残念でなりません。大臣も悩まれた末のお国入りと聞きましたが、自治体をひざまずかせるような「大臣お国入り」は、国と地方の対等な協力関係を求める分権時代にはふさわしくありません。総理および自治大臣の地方分権への決意を、改めてお伺いし、私の質問を終わります。

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