下請代金支払遅延等防止法(昭和三十一年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
第二条第六項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、同項を同条第九項とし、同条第五項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に、「又は修理の行為」を「、修理の行為、知的成果物の作成又は役務の提供」に、「第三項第一号又は第二号」を「第六項第一号、第二号又は第三号」に、「前項第一号又は第二号」を「前項第一号、第二号又は第三号」に改め、同項を同条第八項とし、同条第四項中「該当する者」の下に「(成果物作成委託又は役務提供委託を受ける者にあつては、その親事業者により取引上の地位を不当に利用されるおそれのないものとして政令で定める者を除く。)」を加え、同項第一号中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、同項第二号中「前項第二号」を「前項第三号」に、「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 個人又は資本の額若しくは出資の総額が一億円以下の法人たる事業者であつて、前項第二号に規定する親事業者から製造委託等を受けるもの
第二条第四項を同条第七項とし、同条第三項第一号中「又は修理委託」を「、修理委託、成果物作成委託又は役務提供委託(以下「製造委託等」という。)」に改め、同項第二号中「三億円」を「一億円」に、「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 資本の額又は出資の総額が一億円を超え三億円以下の法人たる事業者(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条に規定する者を除く。)であつて、個人又は資本の額若しくは出資の総額が一億円以下の法人たる事業者に対し製造委託等をするもの
第二条第三項を同条第六項とし、同条第二項の次に次の三項を加える。
3 この法律で「成果物作成委託」とは、次に掲げるものをいう。
一 事業者が知的成果物(文章、図面、写真、映像、音楽、プログラムその他の人的役務によつて得られる知的な成果をいう。以下同じ。)をそれが記録された物品の販売その他の方法により他人に提供すること(広告宣伝その他これに類する目的のためにするものを除く。)、知的成果物を請け負つて作成すること又はその使用する知的成果物を作成することを業として行う場合にその知的成果物の作成(放送番組、広告等個々の人的役務を総合的に構成することによつて得られる知的成果物にあつては、その個々の人的役務の提供を含む。第八項において同じ。)を他の事業者に委託すること。
二 事業者がプログラム制御機器等(あらかじめ記憶させたプログラムを用いて制御を行う機器又は当該プログラムを記憶させたその半製品、部品若しくは附属品をいう。以下この号において同じ。)の販売若しくは請け負つてする製造又はその使用するプログラム制御機器等の製造を業として行う場合にそのプログラムの作成を他の事業者に委託すること。
4 前項の「プログラム」とは、電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。
5 この法律で「役務提供委託」とは、事業者が他人の需要に応じてする役務の提供を業として行う場合にその役務の提供を他の事業者に委託すること(製造委託、修理委託又は成果物作成委託に該当するもの及び建設業(建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二条第二項に規定する建設業をいう。以下この項において同じ。)を営む者が他人から委託を受けた建設工事(同条第一項に規定する建設工事をいう。)を他の建設業を営む者に委託することを除く。)をいう。
第三条第一項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改める。
第四条第一項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、「次の各号」の下に「(役務提供委託をした場合にあつては、第四号を除く。)」を加え、同項第七号中「前号まで」の下に「(役務提供委託をした親事業者にあつては、第四号を除く。)」を加え、「親事業者について次項各号の一」を「製造委託若しくは修理委託をした親事業者にあつては次項第一号若しくは第二号、成果物作成委託若しくは役務提供委託をした親事業者にあつては同号若しくは同項第三号」に改め、同条第二項中「場合は、次の各号」を「場合にあつては第一号又は第二号、下請事業者に対し成果物作成委託又は役務提供委託をした場合にあつては同号又は第三号」に改め、同項に次の一号を加える。
三 正当な理由がないのに下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに給付をやり直させること。
第五条中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改める。
第六条中「第六号まで」の下に「(下請事業者に対し役務提供委託をした親事業者にあつては、同項第四号を除く。)」を加え、「親事業者について同条第二項各号の一」を「下請事業者に対し製造委託若しくは修理委託をした親事業者にあつては同条第二項第一号若しくは第二号、下請事業者に対し成果物作成委託若しくは役務提供委託をした親事業者にあつては同号若しくは同項第三号」に改める。
第七条第二項中「第六号まで」の下に「(下請事業者に対し役務提供委託をした親事業者にあつては、同項第四号を除く。)」を加え、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第三項中「親事業者について第四条第二項各号の一」を「下請事業者に対し製造委託又は修理委託をした親事業者にあつては第四条第二項第一号又は第二号、下請事業者に対し成果物作成委託又は役務提供委託をした親事業者にあつては同号又は同項第三号」に、「すみやかに」を「速やかに」に改める。
第九条第一項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改める。
第十条及び第十一条中「三万円」を「二十万円」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
理 由
下請取引の公正の確保及び下請事業者の利益の保護を図るため、規制の対象を役務の下請取引全般に拡大するとともに、親事業者と下請事業者を区分する基準を細分化し、あわせて、違反行為に対する罰則を強化する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
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