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2003/06/27
国民・地方いじめの骨なし方針(コメント)
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民主党経済財政ネクスト大臣
仙谷 由人

○ 本日、いわゆる「骨太方針第3弾」が閣議決定された。その内容は国民全般、地方全体に極めて厳しい内容である一方、中央省庁の権益は完全に保護されるというまさに小泉内閣・自民党政権の体質を如実に表したものである。
○ その第一が「増税宣言」である。税制改革の項に「平成18年度までに…必要な税制上の措置を判断する」、「国の地方」の改革の項に「『18年度までに必要な税制上の措置を判断』して、その一環として地方税の充実を図る」とあり、これは「増税断行宣言」にも等しい。経済再生も構造改革も何ら実現しないままに増税を行うことは言語道断であり、また税源移譲の陰に増税という痛みを盛り込むことは、姑息としか言いようがない。
○ 社会保障についても、第3弾においてようやく示した「構造改革の目標」に「国民の安心の確保」を掲げながら、社会保障改革の内容はこれでもかと言うほどの痛みの羅列である。年金等の運用で数兆円もの損を出しながら自らの改革は全く行わず、また将来の給付のあり方を示さないままに安心しろと言うのは、「お上至上主義」の極地である。
○ 今回の目玉とされた「三位一体改革」においても、一方的に地方に対して痛みを押しつけている。税源移譲の規模は全く示さず、補助金を削減する、地方交付税を削減する、リストラをしろと国・地方が共同責任を負うべき財政危機の処理を地方に押しつけるばかりである。そこに「分権型社会の創造」や「自主・自立・多様性」などの理念はなく、単なる財政再建の一手段としてしか、地方分権を捉えていない。
○ 一方で、霞が関の権限を縮小させる規制改革と中央政府の人員・人件費を削減する行政改革については、方向性すら決まっていない。総合規制改革会議が「最低限」として求めた最重要項目についてさえ、満額回答は一つも無い。中央官庁の権限及び人員の縮小は全く行われていない。
○ 不良債権処理は平成16年度に「正常化を図る」が「終結を目指す」に後退し、郵政公社の民営化や道路公団改革に至っては一言も触れられていない。小泉構造改革は何ら成果を実現できないままに、結局国民への痛みの押しつけ一本槍となることが明白となった。今回初めて閣議決定前に自民党に了承を求めたことは、構造改革放棄の証左であり、小泉総理は構造改革よりも自らの再選を選んだのである。その結果、官僚と自民党抵抗勢力の共同作業によって、骨太方針は「骨なし方針」となった。国民の大いなる痛みと引き替えに自らの再選と権力を護持することに腐心する小泉総理に、国民の明日を委ねることはできない。

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