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2003/06/18
政府税調「中期答申」について
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民主党税調会長 峰崎 直樹

○ 政府税制調査会より総理に対して中長期的な税制のあり方を示した「中期答申」が提出された。極めて増税色が濃い内容であるとともに、昨年提示された基本方針に引き続き「抜本改革」には程遠いものとなっている。

○ これは、本来税制の中長期的な検討に不可欠である将来社会の姿に関する検討をなおざりにしたままに、今後の高齢化の進展に伴う給付の増大を、単純な国民負担増に求めているためである。このような結果を招いている最大の要因は、口先ばかりで何ら構造改革を実現しようとしない総理の姿勢にある。

○ また中間答申では、「年金の国庫負担割合の引き上げ」の先送りを求めている。国権の最高機関である国会が議決したことを、政府の一審議会が否定することは言語道断であり、許されるものではない。このような答申を行った政府税制調査会の猛省を求めるとともに、その背後にいる財務省の責任を厳しく問うものである。

○ 所得税・消費税については今後の方向性が明確に打ち出されているが、資産課税については高齢社会における負担のあり方との関係が明確に示されていない。また相続税・贈与税については、課税ベースの拡大という負担増のみを一方的に取り上げており、同時に検討すべき税率の引き下げが除外されている。本来、この課題は本年度税制改正で行った相続税・贈与税の税率見直しの前に検討されるべき課題だったと言わざるを得ない。

○ 所得税については控除の見直しを通じた負担増を明確に打ち出している。しかし控除の見直しにおいては高所得者に有利な「控除主義」から、必要な人に確実な支援が可能となる「給付主義」への転換が不可欠である。また給与所得控除は「クロヨン」など国民の税に対する不信感を背景に創設されたものであり、見直しにあたってはこの不信感の解消が前提になるものと考える。

○ 政治そのものである税制については、単に財政的な観点にとどまらず、民意の動向と将来の社会の方向性を踏まえつつ、国民の負託を受けた政治家が国民の前で、議論を行うことが重要である。民主党は昨年8月にとりまとめた「税制改革の基本構想」において、将来のあるべき社会を見据え、抜本的改革を提案しているが、今後はこの構想をさらに国民の議論に付していきたい。

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