民主党政策調査会長 枝野 幸男
1. 一昨日、平均株価がバブル崩壊後最安値を更新し、20年ぶりの安値をつけた。この最近の底なし沼の株価下落は、小泉経済政策が完全に行き詰まっていることの証明である。実体経済、とりわけ金融システムに重大な問題があるにもかかわらず、そこに手をつけようとしないことが、こうした事態の最大の原因である。
2. 民主党は、かねてより、以下のとおり、株式市場の信頼回復と株式市場を活性化するための税制改正等を主張してきた。現下の憂慮すべき事態に鑑み、政府は面子にこだわることなく、これらの措置を直ちに実施すべきである。
○ 時限的に株式譲渡益課税をゼロ税率化する。
○ 株式譲渡損と他の所得との損益通算範囲を拡大する。
○ 長期間の株式保有を促進するため配当課税を軽減し、配当二重課税を廃止する。
○ 個人投資家の市場に対する信頼を回復させるため、日本版SEC(証券取引委員会)を設置する。
3. 本質的には、小泉欠陥予算を民主党予算案のとおりに組み替えるための補正予算を、直ちに編成すべきである。安易な財政出動に頼るのではなく、税金の使い道を変えることで経済は再生できる。また、時価会計凍結などマーケットの信頼を損なう「奇策」ではなく、民主党金融再生ファイナルプランのような「王道」を行き、金融システムを再生すべきである。最近の株価下落の牽引役が銀行株であり、取引先に増資引き受けを押し付けるメガバンクの悪あがき増資が、マーケットの不信任を受けていることを、率直に認めるべきである。
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