トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2002/01/28
【衆院予算委】与党、第2次補正の単独採決を強行
記事を印刷する





 28日、衆議院予算委員会において平成13年度第2次補正予算をめぐる質疑が行われたが、アフガニスタン復興支援会議からのNGO排除問題で内閣不一致が表面化して審議が中断。与党は、はっきりとした政府の統一見解を求める野党委員を除いて委員会採決を強行し、政府の補正予算案を可決した。

■原口議員、NGO排除問題で内閣不一致を追及

 予算委員会の一般質疑では、まず民主党の原口一博議員が質問に立った。原口議員は、NGO排除問題への鈴木宗男自民党議運委員長の関与をめぐって、田中外相と野上事務次官らの答弁が正反対であることについて質した。

 田中外相は、野上次官および重家中東アフリカ局長が、外相との電話でNGO排除の経緯を説明する際、「鈴木さんはむずかしい人だから」などと鈴木議員の名前を挙げたことを当時のメモを示しながら改めて証言。また、鈴木議員の名を挙げたことを否定しながら委員会での証言を拒否している野上次官の対応について「言語道断」と批判した。

 ところが、参考人として出席していた重家局長が「記憶にない」などと曖昧な答弁を繰り返したため、審議がストップ。野上次官が出席して再開された質疑で、次官が改めて鈴木議員の名前を語ったことを否定したため、原口議員は、福田官房長官に政府の統一見解を示すよう求めて、この問題に関する質疑の継続を留保した。

■野田議員、“2次補正は改革逆行予算”

 続いて質問に立った民主党の野田佳彦議員は、第2次補正予算案について、「“改革推進公共投資”という耳あたりのいい言葉で括られているが、役所や官僚宿舎の整備費などが目立ち、とても改革推進とは思えない。最近の経済状態に鑑み、構造改革を加速しつつ、デフレ・スパイラルに陥ることを回避するというが、どれも違う」と切り込んだ。

 塩川財務相は「新しい基軸に重点を置いた」などと、説明にならない説明を繰り返したが、野田議員は「2兆5000億円のやっと見つけた虎の子のへそくりは、本来、七転八倒している中小企業対策や雇用対策に充当すべきだ」と、強く主張した。

 続いて、雪印食品の牛肉の産地偽装事件に関連して質問。企業責任を追及する農水省に対して「社長責任に迫っているが、農水省の責任はどうなるのか」と批判。雪印食品のトップ責任を追及するのであれば、武部農水相も責任をとるべきだとして辞任を迫った。

 最後に、扇千景国交相に、一度発注を凍結した高速道路工事を再開した経緯について説明と見解を求めたが、「資金手当てのメドがついたということ」などとして開き直った。

 その後、一般質疑を終えた段階で予算委員会は休憩に入り、その間に政府側はNGO排除問題をめぐる見解(*)をまとめて野党に提示した。しかし、その内容が「引き続き事実関係の確認に努める」というものに過ぎなかったため、野党側は受け入れを拒否し、理事会での協議を要求。その間に、与党は単独で委員会を再開、第2次補正予算案などを強行採決するという暴挙に出た。

注)政府見解
1. 昨年来NGOの在り方については与党も含め各方面の議論がなされ、その過程で外務省に対しても様々な意見表明がなされたことはある。
2. アフガン支援国会議へのNGOの参加決定にあたり、特定の議員の主張に従ったことはない。
3. 本件に関して、1月24日の予算委員会における田中外務大臣の答弁と外務省事務当局の答弁との間に相違があるが、政府としては、引き続き関係者の申述等を聴取し、事実関係の確認に努める。
4. よって、現下の経済状況に鑑み、第二次補正予算の一日も早い成立をお願いしたい。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.