第一 目的の改正
国税通則法の目的を、国税についての基本的な事項及び共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備し、かつ、国税に関する法律関係を明確にするとともに、税務行政の運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の納税義務の適正かつ円滑な履行及び国民の権利利益の保護に資することとすること。
(第一条関係)
第二 税務行政運営の基本理念等
一 税務行政運営の基本理念
1. 税務行政の運営は、国民の納税義務の適正かつ円滑な履行が確保されるよう、公正を旨として行われなければならないものとすること。
2. 国税当局は、税務行政に関する国民の理解を得るため、必要な情報の提供を行うとともに、税務行政に関する国民の意見、苦情等に誠実に対処しなければならないものとすること。
3. 国税当局は、その職務の執行に当たっては、国民のプライバシーを尊重しなければならないものとすること。
4. 国税当局は、その職務の執行に当たっては、国民の権利利益の保護に常に配慮するとともに、国民が納税に関して行った手続は、誠実に行われたものとして、これを尊重することを旨としなければならないものとすること。
(第四条の二関係)
二 税務行政運営の基本方針
国税庁長官は、一に定める税務行政運営の基本理念(三において「基本理念」という。)にのっとり、税務行政の運営の基本となる方針を定め、これを公表しなければならないものとすること。
(第四条の三関係)
三 基本理念等に関する文書の作成及び普及
1. 国税当局は、基本理念及び納税の主体たる国民の権利利益の保護のために必要な事項に関する文書を作成し、及び普及しなければならないものとすること。
2. 1の文書は、平易な表現を用い、納税の主体たる国民の立場に立って書かれたものでなければならないものとすること。
(第四条の四関係)
第三 質問又は検査の事前通知等
一 税額の確定に係る調査等のための質問又は検査の事前通知等
1. 国税庁、国税局、税務署又は税関の当該職員は、納付すべき税額の確定に係る調査等のための所得税法第二百三十四条第一項の規定その他の政令で定める国税に関する法律の規定による質問又は検査(以下それぞれ単に「質問」又は「検査」という。)をしようとする場合には、質問又は検査をする日の十四日前までに、その相手方に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならないものとすること。ただし、検査をしようとする物件が隠滅される等調査の目的を達成することが著しく困難になると認めるに足りる相当な理由がある場合は、この限りでないものとすること。
(1) 相手方の氏名(法人については、名称)及び住所又は居所
(2) 当該職員の氏名及び所属する官署
(3) 調査を必要とする主たる理由
(4) 質問又は検査の根拠となる法令の条項
(5) 質問をする事項又は検査をする物件
(6) 質問又は検査をする日時及び場所
(7) 2に規定する変更の申出に関する事項
(8) その他財務省令で定める事項
2. 1の通知を受けた者は、当該通知をした国税庁、国税局、税務署又は税関の当該職員に対して、質問又は検査をする日時又は場所の変更を申し出ることができるものとすること。
3. 国税庁、国税局、税務署又は税関の当該職員は、1のただし書に規定する場合において、質問又は検査をしようとするときは、その相手方に対し、1の(1)から(5)まで及び(8)に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならないものとすること。
(第三十三条の二関係)
二 税額の確定に係る調査の結果に関する情報の提供
国税庁長官、国税局長、税務署長又は税関長は、当該職員が質問又は検査を行った場合には、当該質問又検査の相手方に対し、当該質問又は検査に係る調査の結果に関する情報を提供するものとすること。
(第三十三条の三関係)
第四 施行期日等
1. この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
2. 所要の経過措置を設けること。
(附則関係)
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