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2000/07/14
政府税調中期答申について(談話)
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民主党税制調査会
会長 久保  亘

 本日、「わが国税制の現状と課題――21世紀に向けた国民の参加と選択」と題する政府税制調査会の中期答申が総理に提出された。答申は、少子高齢化と人口減少、国際化・情報化の進展と企業活動の変容、ライフスタイルの多様化など、今日のわが国経済社会の構造変化に対応し、国民の参加と選択の上に立った税制の抜本的改革の必要性を訴え、約400ページにわたり、わが国税制の現状と問題点、課題を提示している。戦後わが国の税制を方向づけたシャウプ勧告からおよそ半世紀という節目の時期を迎えて、加藤寛政府税制調査会長らが精力的に審議を重ね、このような詳細な答申をまとめられたことには心から敬意を表する。

質・量ともに厚みのある答申だけに、別途詳細な検討が必要であるが、さしあたって次の問題点を指摘しておきたい。

第一に、答申は、国と地方の税源配分のあり方の見直しを「危機的な財政状況」を理由に先送りしたが、今後の税制改革の最大の課題は、地方分権を支える地方税財源の抜本的拡充、そのための国から地方への大幅な税源移譲にこそあると考える。

第二に、答申は、消費税について、今後その役割がますます重要なものになるとしているが、いうまでもなく財政構造改革はまず歳出の徹底的な見直し、削減を通じて進めるべきであり、消費税を安易に増税することは断じて許されない。

第三に、答申は、個人所得課税の各種人的控除について、単純な増税論と既得権擁護論の両論併記に終わっており、税制上の控除と社会保障給付の役割分担の見直し、控除から給付への転換という観点からの議論の掘り下げが不十分といわざるを得ない。

第四に、地球温暖化防止等の環境保全の観点から近年導入論が高まっている環境税についても、答申は「引き続き幅広い視点から検討する」との消極的な結論にとどまっており、きわめて不十分である。

 それらはともあれ、答申は、今後の税制の抜本的改革へ向けた議論のたたき台として有益な提起であり、民主党税制調査会として今後さらに詳細な検討を行った上で、国会での議論の深化のために引き続き努力する所存である。

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