民主党 ネクスト・キャビネット
財政金融担当大臣 岡田 克也
1. 預金保険機構は、経営危機に陥っている大手百貨店そごうに対し新生銀行(旧日本長期信用銀行)が有する貸出債権2,000億円を買い取り、そのうち970億円を債権放棄する方針であるという。これは、国が税金によって私企業を救済するものであり、到底容認できるものではない。残る1,000億円の貸出債権についても、そごうの再建が順調に進まない場合、新たな損失が発生する可能性が高く、さらなる国民負担の増大につながりかねない。また、何よりも、経営危機に陥っているゼネコンなどの問題企業をそごうと同じように救済するため、税金が垂れ流し的に使われる先例となるおそれが大きい。
2. 今回の決定の前提となったのは、預金保険機構がニュー・LTCB・パートナーズ・CVとの間で結んだ旧長銀買収に係る基本合意の中にあるいわゆる瑕疵担保特約であり、これが今回の税金による私企業の救済という重大な事態につながったものである。民主党はかねて、この瑕疵担保特約の妥当性について疑問がある旨国会において指摘してきたが、今回の決定により民主党の主張が正しかったことが裏付けられた。
3. 税金により私企業を救済するという究極のモラル・ハザードにより、今後もさらなる国民負担の増大が懸念される。民主党は、国による債権放棄は断じて容認しない。
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