1(3つの特徴) 農林漁業はどん底―「化石資源使い捨て・集権ニッポン」だから!
1. 植物を育て―人間と動物が衣食住に供し―その廃棄物を微生物が土にして―そこからまた植物が育つ―農林漁業はこのような循環を原理とする産業です。地域ごとに異なる自然に合わせて生産し地域で消費する地域分権産業でもあり、衣食住の全てをまかなうことができそれさえあれば人間が生存できる基本産業でもあります(他の産業にない3つの特徴)。江戸時代のニッポンはこれでやってきました。
2. しかし明治維新以来、工業化と中央集権化が進み「化石資源使い捨て・集権ニッポン」に変わりました。農林漁業さえ化石資源に頼り、農薬、化学肥料・抗生物質まみれとなり、自然を経営に合わせたり(単作化等)、中央市場中心にもなりました。衣服も天然繊維から石油製品(合成繊維)になり、住居も国産木材からコンクリートや石油製品(プラスチック・接着剤等)になりました。農業の工業化であり、3つの特徴の否定です。
3. その結果、空気も水も土も汚れ、心身は疲れ、地球は温暖化し、衣・食・住の安全性への不安が強まりました。化石資源使い捨て・集権原理はニッポンを発展させましたが、しかし同時に、農林漁業を崩壊させ、ニッポン全体も行き詰らせたのです。
2(4つの役割)農林漁業を基本産業に―「バイオマス循環・分権ニッポン」を!
もう一度農林漁業を下記4つの役割を果たす基本産業に復活させることが目標です。
1. 安全な衣食住を安定的に供給する(農業の農業化※)
安全な衣食住の安定的供給は環境や食料安全保障の観点からも国内農林漁業で自給すべき役割です。輸入に頼ることは万一の場合の食料不安感を国民にもたせる上に、窒素・リン等々の物質の日本への過剰な集積・収奪をまねくことになります。自給率を10年以内に食料50%(現在41%で先進国中最低・最悪。小麦 9%・豆類5%・魚介類55%・海藻61%)、木材30%(現在20%)とし、衣料も10%(現在ゼロに近い)は国産天然繊維とし、50年以内にいずれも 100%程度とし、農林漁業本来の役割を復活します。
※農業の農業化=農業がもともと持っている前記3つの特徴を復活すること
(イ)国民(消費者)が強い関心を寄せているのが食の安全です。そのために循環経営(後記)を確立するとともに、トレーサビリティ(成分等の追跡可能性)をすべての食品に確立します。内閣府に食品安全委員会を設置し、食品行政を一体化し、食品Gメン・国際食料検査官を創設します。
食料を安定的に供給し、国民を飢えさせない第一義的な責任は政府にあります。食料安全保障とは国民すべてが常時必要とする基本的食料に物理的・経済的にアクセスできることであり、基本的人権です(ローマ宣言―96年世界食料サミット)。いつ、いかなることが起ころうとその人権を保証するためにもわが国の農林漁業は必要不可欠です。国内農林漁業の持続的生産活動により食料の安全供給を続けます。00年度食料関連産業(農漁業・食品加工流通業・飲食店)国内生産高は105兆8千億円で、全産業の1割強を占めており、産業政策からも極めて重要です。
(ロ)合成樹脂を使う新建材や接着剤等石油系化学物質が原因で、シックハウス症候群が広がっています。公共施設はもちろんですが、化学物質を使わない安全な国産木材による建物・家具を広めます。
(ハ)心身と環境によい天然繊維※のコストをバイオ革命等で大幅に低下させ、広めます。
※天然繊維=綿・麻などの植物繊維、絹・羊毛等の動物繊維、セルロースをパルプ等から再生したレーヨン・キュプラ・アセテート等再生繊維
2. エネルギーと化学製品を供給する(工業の農業化)
エネルギー・化学製品の供給も1と同様、国内農林漁業で供給すべき役割です。
(イ)バイオマスは石油と同じ成分をもっている「緑の石油」なので、その廃棄物でさえ石油代替の資源になります。間伐材、木造建築廃材、稲ワラ、もみがら、米糠、廃食用油等々からエタノール、メタン、水素、生分解性プラスチック(ポリエチレン・ポリプロピレン)等を作ります。10年以内にエネルギー(燃料・電気)とプラスチック等化学品の10%(50年以内に50%)をバイオマスからつくります。
※花粉症―化石燃料の排出ガスがすぎ等花粉と混合すると、花粉症が発生します。できる限りバイオ燃料に変える等で防止します(すぎ中心の単層林から広葉樹との複層林に変えることはいずれにしても必要)。
(ロ)生産過程も、石油化学工業のように大規模プラントによる高温高圧過程ではなく、微生物固定の小規模バイオリアクターによる常温常圧過程に変えます。
(ハ)その廃棄物はすべて再利用可能ですから使い捨て(焼却や埋立て)をやめ、ゼロエミッションを実現します。
(ニ)バイオ産業を育て、雇用を増やします。バイオエネルギー・ケミカル製品については燃料関係税を非課税にするなど税制上の優遇措置を取ります。バイオマスが豊富にある農山漁村でバイオ産業を振興すれば、公共事業依存の地方経済が活性化されます。地球温暖化対策と農林漁業・農山漁村振興そして新産業育成の本命は「工業の農業化」であり、バイオマスの活用です。そのためにバイオ革命をIT革命と並ぶ国家戦略として進めます。
(ホ)農水省は00年林政改革大綱で、「木材のガス化、液化等によるバイオマスエネルギーとしての利用、木質プラスチック等の新素材としての利用」を打ち出しました。実際に長崎で間伐材等からメタノールを作るプラント、新潟でまいたけ廃菌床からエタノールを作るプラント、また熊本で家畜糞尿、食品残渣から電力等をつくるプラントを始めました(3つのプラント予算合計1億8千万円)。またNEDOや各省庁が自治体や企業等のバイオマス活用事業に対する補助事業を開始しました。さらに文科省、農水省、経産省、国交省、環境省は02年「バイオマス・ニッポン総合戦略」を決定し、バイオマスの総合的活用に取組む方針を打ち出しました。いずれも正しく、画期的ですが、小規模すぎたり、実体がなかったりという欠点があります。民主党は、いずれも飛躍的に拡大・充実し、各地域のバイオマス活用事業に税制面・資金面・技術面を含めた全面的支援をします。
3. 空気と水と土をきれいにする(公共事業の農業化)
(イ)空気―「農的生物※」で地球温暖化ガス吸収、酸素供給をし、空気をきれいにします(大気浄化・保全、気候緩和等)。わが国の森林だけで年1億トンのCO2を吸収(自家用車4500万台分CO2排出量は年1億3500万トン)、7300万トンのO2(日本国民の呼吸量の2.6倍分)を生み出しています。
わが国は京都議定書で温暖化ガス排出量90年比6%減少を約束しました。森林・林業基本計画を完全に実現すればこの内半分以上の3.9%を森林で吸収したとみなすことが認められました。たとえば北海道面積の3割相当の海域にコンブを繁殖させるだけで、日本排出の二酸化炭素の半分を吸収・固定できます。緑のダム、海の森構想(後記)で国際公的を達成します。
(ロ)水―「農的生物」と田畑を「緑のダム」と位置付け、水を保全・浄化(水資源涵養、洪水防止、水質浄化)します。21世紀は食糧危機とともに水危機がきますから、水資源(飲用、農業用、工業用)確保と汚濁防止は極めて重要な役割です。
(ハ)土―「農的生物」が元気になるきれいな土を守り、土砂流出・崩壊を防ぎ、廃棄物を分解します。そのために化学物質の投棄禁止を徹底します。土の浄化なくして、それと常に接している空気・水の浄化もなく、農的生物も育ちません。
※農的生物=森林・農作物・水性動植物・海藻・微生物等
空気と水と土の浄化の3つは次項の「心身の育成・浄化」とともに国内農林漁業でのみ果たせる無償の(対価を受けない)公益的役割ですから、農的生物の保全育成を公共事業としても進めます。ダムや三面コンクリート水路など農的生物を壊す公共事業でなく、緑のダムや水生動植物がつきやすいコンクリート・石・土の水路など農的生物を再生する公共事業に転換します。「海は森の恋人、河川・田畑・湖沼池はその仲人」であり、一体として対応します。
4. 心身を育成・浄化する(農都一体化)
この役割も国内農林漁業でのみ果たせる無償の公益的役割(※添付ファイル参照)です。
(イ)やすらぎ・保健―農山漁村におけるやすらぎ、いやし、及び医療・療養等の機能も活用します。農作業等を通じて心身障害の回復・機能向上を促す園芸療法を福祉施設や病院に広げます。
(ロ)教育―現在子供達は受験戦争とTVゲームなどの世界に生きて、人と人との付き合いができなくなっています。これを変えるために農林漁業と農山漁村の教育力に注目します。五感を活用した水、土、自然、動物そして人とのふれあいによる体験学習こそ豊かな感性と人格形成上何ものにもまさる教育力をもっています。生命の尊厳を教え・真の道徳教育にもなります。小・中・高において自然体験、農林漁業体験の学習を重視し、起業・経営体験学習とともに基礎学力学習との2本柱とします。また、日本的な原風景の保全は、国民に歴史・文化の重みと誇り、地域への愛着を喚起するためにも大切です。
(ハ)交流・移住―欧米と比較して、わが国は都市と農山漁村の交流が希薄であり、交流推進政策が必要です。旅館業法上の簡易宿泊所について規制緩和をし、農山漁村滞在型余か活動促進法に基づく農林漁業体験民宿を進めます。都市と農山漁村の3つの交流・移住(グリーンツーリズム構想―田舎セカンドハウス構想―200万人定住構想)を広げ、明治以来の向都離村時代を向村離都時代に転換します。
(ニ)田園都市―交流・移住は都市と農村の分離を前提にしていますからそれだけでは不充分です。都会に農業地域を作り、農村で産業化、IT化等都市的機能を広げて、各地域を田園都市(田園の機能と都市の機能を併せもつ地域)に変えます。都会においてこそ農業(体験農園、屋上農園等)を進めます。それは「みどり空間」を提供し、「防災・避難空間」としても活用されます。逆に農山漁村こそ、大量のバイオマスを産出する「資源地域」です。農山漁村にバイオエネルギー、バイオケミカル製造プラントを数多く建設し、バイオマス産業の中核地域とします。
50年以内に市と道州の2段階制とする。廃県置州により連邦分権国家とすべきですが、その市を田園都市にします。
3(5つの再生策)所得補償と国境措置で他産業と同じ土俵にのせた上で、市場原理にまかせます−循環・協業経営を!
産業措置と市場原理の最適組み合わせ(ベストミックス)でもう一度循環・分権産業として農林漁業を再生させます。下記5つの再生策で4つの役割を復活して50年以内に輸出産業となることをめざします。
農林漁業は自然の中での生命体の生産ですから自然条件の制約を大きく受けます。生産の季節性、生産期間の固定性・長期性(1〜30年)という特徴をもっています。生産過程や機械の稼働率を自由に変えることはできません。これらの本質的不利性をそのままに市場原理にゆだねれば、資本も人も農林漁業に向かわなくなり、崩壊してしまいます。
前記4つの役割を果たす農林漁業は必要不可欠なのですから、産業として存続させなければなりません。そのために産業措置(所得補償と国境措置)をとることによって他の産業と「同じ土俵」(レベルプレーリングフィルド)にあげ、あとは市場競争(自己努力・自己責任)にゆだねます。同じ土俵の上にあげないままで市場競争にゆだねてしまうこと(農工一体論)も、逆にすべてを市場競争の適用外とすることも、いずれも間違いです。
1. 所得補償―農林業の多面的機能(空気と水と土と心身を保全・浄化する役割)の金額評価は年80兆円超です(漁業についての試算はまだ確立していない)。これほどの役割を無償で供給している産業は他にありません。この対価として、一定規模(主業農家※平均経営面積・北海道10haその他は3ha)以上の経営体に所得補償(直接支払方式・保険方式併用)をします。年間所得は農業3.5兆円、林業4千億円、漁業9千億円ですから、その3割程度にあたる1 兆円規模を目途とします。その財源は、年3兆円の農水予算の補助金整理で確保します。これを機に補助金行政とともに形成された政官業の癒着構造※を断ち切ります(補助金行政から所得政策へ)。
※主業農家=65歳未満専従者ありの農家で約40万戸。副業農家は160万戸で、稲作農家の80%、水田の50%、コメ出荷額の30%を占める。
※現行所得補償=中山間地所得補償1ha2万1千円で年総額700億円、森林交付金1ha1万円で年総額230億円。
※現行補助金=WTOで削減要求されている「黄」政策の農業保護助成額00年度7478億円、「青」政策の減反補助・稲作経営安定対策3500億円。
※政官業癒着構造=農林漁業政策は農水官僚―自民党農水族―業界の既得権益癒着構造でゆがめられてきた。癒着構造打破の手段は政権交替と分権化。所得補償・国境措置・規制撤廃・家畜伝染病防止などを国の仕事、それ以外は全て自治体の仕事とする(将来的には所得補償も)。
2. 輸入制限―日本は先進国中「条件不利地域」です。欧米のように広大かつ平たん肥沃な土地をもたず、効率(コスト)面で努力を超えた不利性があり、国際的自由競争にそのままゆだねてしまえば農林業は崩壊します。前記4つの役割を果たす国内農林漁業は必要不可欠ですから、その存続のために必要な時はWTOルールの範囲内で国境措置(セーフガード※)を発動します。FTA(自由貿易協定)でも段階的に農産品を対象に含めますが、輸出産業としての競争力をもつまではその発動権を留保します。
※セーフガード=輸入急増と国内産業損害との因果関係を証明すれば、4年間発動できる(一定量までの輸入に通常関税、超過分に高関税)。輸出国は報復できない。経営の効率化が条件。
3. 市場競争の導入で自己決定・自己責任
(イ)生産規制(強制減反)を廃止※し、農家の自己決定・自己責任に任せます。
減反廃止の結果予想される米価安には所得補償で、余剰米増加には消費拡大と国際備蓄で対処します。消費拡大のため発芽玄米等新形質米※・無洗米・米粉化や、学校給食への拡大、さらにバイオマス活用、飼料用活用を進めます。国際備蓄制度(WTO農業交渉で日本政府が提案中)で、8億人の飢餓人口等からの援助要請にいつでも直ちに応じられるようODA(政府開発援助)予算でコメを備蓄します。
所得補償が導入されるまでは過度的に参加者支援方式(減反参加者にのみ補償―有機農業面積1割減反参加とみなす)と作付権売買制度を検討します。
※減反廃止の結果=全水田の3割100万haを超える減反政策を止めれば、33万ha復田、コメ生産量170万トン増加(1120万トン)コメ価格は短期的に60キロ8千円程度、中長期的には1万2千円(現在1万6千円)程度となると食糧庁が試算している。
※新形質米=動脈硬化、アルツハイマー防止効果があるアミノ酸が白米の10倍含まれる発芽玄米や低アミローゼ米、低アレルリン米等。
(ロ)参入規制(株式会社の農地取得規制等)を緩和し、農業法人の設立要件も緩和します。新規参入者(特に女性)への支援拡大等でU・J・Iターンを進めます。過去1年間の新規就業者は農業4千人(うち女性1割余り)林業1千人(うち女性3%)、漁業1400人(うち女性0.7%)ですが、これを大幅に増加します。
(ハ)農地転用規制は都市計画の一環として位置づけながら一部地域を除き強化し、現在452万haの農地を500万haに増やします。既に世界的食料危機が始まっている中で、農地が保全され、持続的に農業生産活動がなされることによって、将来も安定的に食料が供給されるという安心感を国民に与える役割は何よりも大切で、これも無償の公益的役割(外部経済)です。地域住民がどこを農地として残すか、所有と利用の関係はどうするか協定を結ぶ制度を導入します。
(ニ)流通規制(計画流通米制度)を撤廃し、複雑な多段階流通システムを簡素化します。地方の農産物を中央市場に集め、また地方に送るという中央集権的な流通システムをやめ、地産池消と産地直送を進め、「旬を食卓に!」を実現します。
4. 循環経営※で消費者(国民)と一体化
農林漁業者は所得補償と国境措置で守られますが、それ以上は自己努力、自己責任が要求されます。特に循環化による安全な食料供給努力と協業化による効率化努力です。JA(農協)はその努力を支援する組織に改革されます。
※循環経営=農薬・化学肥料・抗生物質等や化石資源を多用せず、廃棄物を出さず、各地域の自然条件を生かした農林漁業経営。農林漁業間、農蓄間、田畑間の連携を含めた複合経営の方向を目指す。
(イ)循環(有機)農業の地域システム構想―わが国の農薬使用量は面積当たり国際水準の6倍です。有機農業は高温多湿の日本では無理だという意識が強く、あまり進んでいません。現在有機認証農家(3千戸―有機農家は推定1万戸)の農産物に有機表示を認める制度がある程度です。個別の農家だけでは難しいので、地域全体でシステム化して広める必要があります。そのために持続農業促進法を改正して国・自治体に循環経営促進に関する基本方針策定、有機農産物流通の促進策、有機肥料、生物農薬等の支援を義務づけます。
不耕起栽培、アイガモ農法、キガ農法等農法改革も進め、10年以内に全農地の5割以上で有機農業を実現します。
(ロ)緑のダム構想―農林漁業の基本は水であり、栄養分を含んだきれいな水が必要です。森林こそ水を浄化保全する緑のダムですからこれを充分に整備します。わが国は国土の67%、2500万ha(内人工林1040万ha)が森林という高森林率を誇っていますが、木材の80%を輸入に依存しています。国産木材が利用されないために、林業経営が低迷し、植林間伐が放棄され、農山村が疲幣しているのです。ダムの建設中止と撤去、民有林を含めた森林の整備(植林・間伐・枝打ち・下草刈り等)を公共事業として取り組み、国産木材のコストを大幅に下げます。すべての間伐材等をゴミとせず、バイオエネルギー・ケミカル品の原材料等として循環活用します。
(ハ)海藻海中林(海の森)構想―水産資源を増やすのは休減船だけではなく、海藻です。日本沿岸全域を海の森にします。コンブ・ワカメ・ノリなどの海藻類は魚介類の産卵場・生育場にも餌にもなります。直接海藻を植え付けることはもちろん、海におけるすべての工事で海藻がつきやすいコンクリートを使用します。植物が持つ多面的機能をすべて持っているから、海水をきれいにし、赤潮も防ぎます。日本の海再生のキーワードは海藻です。また、養殖業において抗生物質等化学物質の使用を止めることも必要です。
この3つの構想に適合した循環経営体に割増しの所得補償を交付します。
5. 協業化・法人化で規模拡大・効率化
(イ)家族経営のみでは効率の大幅向上は望めませんが、かといって大規模経営に農地を集中するだけでは農村集落が崩壊します。家族農家が農家であり続けながら規模拡大・効率化するために協業化・法人化を進めます。小規模の副業農家も協業化で、一定規模以上の経営体になれば所得補償の対象とします。
現在、米農家の生産費のうち21%は農機具費、12%は肥料・農薬費計33%ですが、10年以内に循還化と協業化等により経費を3分の1以下に、そして生産費全体を半分以下にします。
(ロ)農業法人の構成員(土日のみ従事して時間賃金を受け取る副業農家も含め)はサラリーマンと同様の労働条件で従事します。
(ハ)経営意欲が低下している小規模所有者や都会に居住する不在所有者が多い林業でも、中小零細経営体が圧倒的比率を占める漁業でも協業化を進めます。
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