民主党
⇒民主党のシックハウス対策関連2法案(概要)
快適さや便利さを求めるあまり、私たちの住環境は化学物質で取り囲まれてしまっています。住居の内装、建材、家具、日用品から発生する化学物質(揮発性有機化合物)によって目やノドの痛み、喘息、イライラなどという健康障害(化学物質過敏症)を引き起こしています。これが、シックハウス症候群です。
また、いわゆる不登校といわれる生徒や病気で長期に学校を欠席している22万人の生徒の中にも、学校施設の化学物質による過敏症で登校できないシックスクール症候群の生徒も相当数いるのです。このような現状に対し、政府は充分な対策をとっているとは言えません。今の政府に任せていたら、あなたもわたしも突然シックハウス症候群になってしまう恐れがあります。民主党は、化学物質汚染から未来を守るため、市民、行政、医療、産業界の連携のもと、果断に問題解決に取り組みます。
1.原因を究明し、いつでもどこでも治療できる体制を整えます。
国の常設機関を設立してシックハウス症候群の発症メカニズムを徹底的に調査し、有効な治療方法を確立します。同症候群に関するアンケート等により実態を調査で把握すると共に、国は原因化学物質の削減状況、健康被害状況を国会に調査、報告するようにします。
シックハウス症候群の診断基準をつくり、医療保険で診療を受けられるようにします。各都道府県にシックハウス症候群を治療するための病院、診療所を配置するとともに、重症患者向けに長期滞在型の療養センターを創設します。地域には、相談所を設け医療、住環境などあらゆる問題に対応できる体制をNPOとの連携も含め整えます。
2.屋内の健康被害ゼロをめざします。
建築物の居室内の空気環境を保全するため、完了検査の際に化学物質濃度の測定を義務付ける法律を整備します。また、シックハウスフリー住宅の建築、改築に住宅金融公庫等の割増融資が受けられるようにします。住宅建材、家具に使用する化学物質と、その放出量の表示を製品に義務付け、一定基準をクリアすれば適正マークを支給し、消費者が安全性を確認できるようにします。化学物質フリーの学校を必要に応じて建設して、患者である子供が安全に学べる場を確保します。国民に認識を高め、理解が進むように取り組みます。
3.子供達に安心で安全な学校を作ります
国および地方公共団体は、児童、生徒が健康に有害な化学物質の影響を受ける事のない快適で健康的な学校生活を送れるよう、シックスクールの実態を把握し、その原因を究明するとともに、その予防と対策のための調査研究を進めます。また学校を開設するにあたっても、原因物質の発生を抑えるため、学校用家具や教材の使用にも配慮するなど、教育関係者の英知を集めて有害な化学物質から解放された学校環境の実現を目指します。
1.原因を究明し、いつでもどこでも治療できる体制を整えます。
1. 原因物質の解明など発症メカニズムの研究
原因物質を解明、検証し、発症メカニズムを併せて研究していくため、国に常設機関を設置する。原因物質の指定を行い、それぞれの物質の室内空気濃度基準を設定し、併せて原因物質使用に関しての指針を策定する。また、不登校児童などの不登校と学校環境との関連性の解明も図っていく。
2. シックハウス症候群の実態調査
学校や職場での健康診断などにおいて、シックハウス症候群に関するアンケート調査を併せて実施する。また、国民全体でシックハウス症候群ゼロの取り組みのため国は原因化学物質の削減状況、健康被害状況について毎年ごとに調査し、国会に報告するようにします。
3. シックハウス症候群の認定、保険の適用
シックハウス症候群の病態の解明とともに診断基準を定め、それに基づき認定された患者が、医療保険の適用が受けられるようにする。患者を正しく診療のできる医療従事者の養成のため医科大学の内科あるいはアレルギー科でシックハウス症候群の教育を義務付ける。また、現職の医師については、講習を実施しシックハウス症候群に対応できるよう養成を図る。
4. 診療設備及びシックハウス症候群療養センターの整備
シックハウス症候群を診療できる病院・診療所を各都道府県に設置し、診療体制を整備する。また、治療方法の確立していない現状において重症患者のための転地療養のできる長期滞在型施設を整備する。
5. 相談窓口の設置
シックハウス相談支援センターを併設し、医療、住環境などあらゆる問題に関して相談・支援を行う。相談支援センターは、保健所やNPOとの連携も含めて体制を整え相談員の養成も併せて行う。
6. シックハウス症候群患者・完治者の雇用対策
シックハウス症候群の患者・完治者が、就くことのできる業務・職業などを研究し、雇用創出対策を進めます。
2.屋内の健康被害ゼロをめざします。
議員立法によって健康を守ります。第151回通常国会開始と同時に、市民やNPOの皆さんと共に議論を積み重ねてつくりました.
骨子
* 健康に重大に影響を与える有害物質を特定有害物質として定め、特定有害
物質の規制基準を定める。
* 建築物の建築や大規模修繕の工事完了に際して特定有害物質の検査を義務付け、検査の結果、規制基準に適合しない場合、是正措置を命ずる。
* 国は、特定有害物質に関する調査研究及びその啓蒙活動を推進する。
* 地方公共団体も同様に必要な措置を講じる。
* 学校等の施設については、居室以外も規制基準に適合するようにする。
1. 住宅に化学物質の濃度測定を義務付け
建築物の完了検査の際に室内空気の化学物質濃度の測定を義務付ける。測定は濃度基準が分かっている化学物質について厚生労働省が定めた方法を用いて行い、基準をクリアしたところには検査済証を交付し、安全な基準を満たさない住宅には使用を禁止する。また、シックハウスフリー住宅の建築、改築に対しては、住宅金融公庫等の割増融資が受けられるようにする。
2. 化学物質フリー製品の普及促進
住宅建材、家具等に使用する化学物質の放出量の表示を義務付け、一定基準をクリアした材料で作成された製品には、化学物質フリー製品として認定し、認定マークを交付する。
3. 公共建築物におけるシックハウス症候群対策
国及び地方公共団体が建設する公共建築物には、化学物質濃度の測定を義務付けると共に、化学物質の削減指針を作成し遵守を義務付ける。公営住宅を化学物質フリー住宅に建設・改築し、シックハウス症候群の患者に優先的に提供する。
4. 職場環境におけるシックハウス症候群対策
毎年、職場での化学物質濃度の測定を義務付け、濃度基準をクリアしたところには適正マークを支給する。職場での化学物質の削減指針を作成し遵守を義務付ける。シックハウス症候群の従業員に対しては、企業は専門家を交えて解決に努める制度を作成する。
5. 有害化学物質使用事業者への責務
シロアリ駆除剤などシックハウス症候群の原因の恐れのある化学物質を使用する事業者は、都道府県に登録するものとし、その使用にあたっては指針に沿って行うことを義務付け、違反したものには罰則を与える。
6. シックハウス症候群に対する広報・啓蒙活動
シックハウス症候群に対する認識を高めるために、調査研究によって収集された情報及び資料を公開することにより同症候群に対する啓発を図り、理解を深めることにより国民全体としての取り組みを推進する。
3.子供達に安心で安全な学校を作ります。
1. 実態把握および適切な措置について
学校保健法による環境衛生検査の実施をし、その健康診断検査項目にシックスクールのアレルギー疾患の有無を加えることで、シックスクールの実態を把握し、その結果に適切な対策を講じて、日常的に学校環境衛生が保たれるように十分配慮します。
2. 調査研究について
国及び地方公共団体は学校保健法による健康診断で把握されたシックスクールの実態をもとに、さらに科学的解明の充実に努め、予防と対策への調査研究を推進します。
3. 学校の環境の維持について
学校保健による学校環境衛生基準に、化学物質についての規定を早急に設けます。学校はその基準に従い、換気等の措置を行い、また、学校敷地内での農薬散布、ゴミ等の焼却についても、学校環境に悪影響のないように配慮します。
4. 学校の施設及び設備の整備等について
平成13年3月の改訂で化学物質についての規定が設けられた学校施設設備指針を目安として、学校用家具や教材の選定については、教室内の空気を汚染する化学物質の発生、または、発生の少ない教材を採用し、その施工方式にも配慮します。国は学校施設整備指針がシックスクールに関する新しい科学的見地を直ちに反映できるように指針の改訂に努めます。
5. 教育関係者への指導について
国及び地方公共団体は、教職員、その他教育関係者がシックスクールに関する理解を深め、適切な対応ができるよう、研修の実施、講習会の開催その他必要な措置を行うようにします。
6. 意見の反映について
地方公共団体は、シックスクール対策を効果的に推進するため、学校の設備や施設の整備について住民との意見交換を行い、住民の意見を施策に反映させるための必要な措置を行います。
以 上
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