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2007/09/20
新たな国連決議も自衛隊派遣の根拠にならない 山岡国対委員長
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 国連安保理で採択された決議の前文に、海上自衛隊がインド洋で参加している給油など海上阻止活動への謝意が盛り込まれたことについて、山岡賢次国会対策委員長は20日午前、政府による「国民をごまかすような」世論対策だとの見方を示した。

 山岡委員長は、「政府が働きかけをして、国民に誤解を与えるような結果につながる行為をされているのではないか。もう少し厳しく言わせていただければ、国民をごまかすようなこと」だと批判。その上で「安全保障政策は原理原則の問題で、決議は化粧しただけの話だ」とも語り、テロ対策特別措置法延長に反対する民主党の考えに何ら影響しないとした。

 「国民をごまかす行為」とする理由に関連して山岡委員長は、国連決議には「一般」と「特定」の2種類があると説明。特定決議として湾岸戦争時の安保理決議678、687、1441を例に挙げ、「一番先に採択された678はイラクのクウェート侵攻を国際社会として食い止めなければならないということで採択された特定決議だ」と解説した。

 また、政府が現在、特措法の根拠としている1368は、国連決議ではあるが、「みんなでテロをなくそう」という単なる一般決議にすぎないと指摘し、この決議をもってアフガンに軍隊を派遣する根拠には全くならないとした。同時に、米国はそもそも同時多発テロへの報復として「これはアメリカの戦争だ。個別自衛権でいく」と主張し、ある意味で国連の制約を嫌って始めた独自の戦争であり、久間防衛庁長官も当時、「あれはアメリカの戦争」と発言していたことにも山岡委員長は言及。さらに、集団的自衛権を米国と結んでいるNATOは、軍隊派遣は合法といえるが、日本政府は「集団的自衛権は憲法違反」としているうえ、「アフガンの行為は戦争行為だ」と世界も日本も認めるところへ、特措法を作って自衛隊を出ているのが今の姿だと山岡委員長は分析した。

 「それが許されるのであれば、特措法をつくれば何でも合法となってしまう」とも述べ、危険がはらむ安全保障の問題については、原理原則をきちんと守るべきだと強調。「その原理原則からすると1368でも不十分なのに、『感謝する』という一般決議が出たから軍隊で行くべきだというのは、国民に誤解を与えるものであり、厳しく言えば国民をごまかす行為である」と、重ねて批判した。

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