民主党『次の内閣』は21日午後、民主党『次の内閣』IN新潟と題して、上越市内で農業政策公聴会を行うとともに、菅直人ネクスト副総理大臣(代表代行)を先頭に稲刈りやはざかけを体験。またバイオプラスチック工場を視察した。
予定を大きく上回って300人近い聴衆を集めて行われた公聴会は岡崎トミ子ネクスト環境大臣の司会で進められ、まず、直嶋正行ネクスト官房長官(政調会長)が挨拶。「参議院選挙でご支援、ご期待を担って第一党にならせていただいた。党を挙げて確認しているのは、参院選マニフェストで訴えた政策を、参議院から法律にして提出し、成立させていくことだ」と表明。民意を反映したわかりやすい法案を提出していく考えを示した。
同時に、解散総選挙も遠くないとの認識を示し、「そのときは民主党の政策と与党の政策のどちらがいいかご判断いただいて投票してほしい」と訴え、政策で選んでもらえる選挙の実現に向け、国民の期待に応えるべく政策立案に力を注いでいると強調した。
続いて新潟県6区選出の筒井信隆ネクスト農林水産大臣がマイクを握り、日本の農林漁業をつぶしてはいけないとの共通認識のもと、「効率重視で日本農業はつぶしてもいい」とする自民党農政と真っ向から対立しているのが民主党だと紹介。参院選の三大政策のひとつに農業問題を挙げた民主党のスタンスに、農業重視の姿勢が現れていると表明した。
また、「農業というと農家のためだけのように言われがちだがそうではない。食の安全という点では都会の人にとっても重要」と語り、食の安全確保のためにも民主党の農業政策では自給率向上を目指していることを明らかにした。同時に、環境保全、保水機能、CO2削減といった、農業の多面的機能も重視して政策づくりを進めているとした。
さらに、政府が進める品目横断的経営安定対策は大規模農家だけを対象にしたもので、「4町歩以下の農家は農業をやめろというものだ」と指摘。対する民主党の戸別所得補償は「農作物を販売している農家はすべて対象」だと説明するとともに、「大規模農家だけで地域はもっているわけでない。小規模農家も含めて農村は成り立っている」と語った。
同時に、「戸別所得補償法案を詰めていくのが民主党の課題。私たちの任務、決意だ」として、10月半ばの提出を目指していく考えを示した。
続いて、大畠章宏ネクスト金融担当大臣、増子輝彦ネクスト経済産業大臣、岡崎ネクスト環境大臣が、それぞれの立場から民主党の金融・経済・環境政策について説明。
さらに、続いて挨拶に立った菅代表代行は、東京の合計特殊出生率が1を切ったことをきっかけに、農業への関心を新たにしたと、農業を重視するようになった経緯を紹介。(1)地域社会で農業者が子どもを産み育てられるよう、農業経営安定化のための農業再生、(2)食料自給率の向上――という2つの目標達成を目指してきたことを明らかにした。
「この2つの目標を実現するためにはどういう政策をすればいいのかというとき、戸別的所得保障という考え方を提案させていただいた」と語り、以前からこの制度を導入してきたEUや米国では、だからこそ農業に活力があり、自給率向上に繋がっていると説明。自民党がいう「1兆円はばらまき」どころか「地域経済を活性化し、地域環境を守っていく有効な予算の使い方だ」と訴えた。
質疑応答では、友人から公聴会のことを聞いて100キロの道のりを車を走らせてきたという生産者や稲刈りの合間にやってきたという米農家、流通にかかわる女性などから、まず民主党への期待の声が寄せられた。その上で、戸別所得補償の財源の明確化や対象品目の質問、CO2削減につながる農作物生産そのものに対する支払いなどの検討など、様々な角度からの発言があり、篠原孝政調副会長が詳細にコメント。予定時間をオーバーして熱心な意見交換が続いた。
なお、公聴会には新潟選出の森ゆうこ、風間直樹両参議院議員も参加した。
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