輿石東参議院議員会長(党代表代行)は、4日午前参議院本会議で、民主党・新緑風会・日本を代表して質問に立ち、自民党に政権担当能力があるのかどうかを鋭く指摘した。
輿石会長は、「政権を放り出すような無責任な総理を選んでしまったことに何の反省もなく、党内で政権をたらい回しにすることだけに熱心で、政治空白をものともしない。国民無視の自民党に、このまま政権を担当する能力があるのか」と迫った。福田首相は、「政治や行政に対する信頼を取り戻す。国民、消費者の立場に立って政治・行政を進めることで責任を果たす」と答え、自民党の無責任さには触れなかった。
また、輿石会長は、民主党が第一党となった参議院の役割について、「国民のためにならない法案には断固反対。しかし、国民のためになる法案なら賛成。政府のやることには何でも反対といった無責任な態度はとらない」としたうえで、参議院で可決した議員立法について衆議院で廃案にするのは民意に反する暴挙と論じた。さらに、首相問責決議の可決、国政調査権の発動、国会同意人事などに触れ、首相に見解を質した。首相は、「個別の法案の中身を見て、建設的な議論をしていく。国民のためになる法案なら反対しない」と答えた。
この他、輿石会長は、政治とカネ、年金、消費税、農業、教育、地方と都市の格差、外交などで首相に見解を質した。首相は、いずれの質問にも具体的な明言を避け、抽象的な答弁に終始した。
輿石会長は、最後に、「政治とは生活」「政治とは愛」との党の理念を述べ、「働く人の給与は9年連続で減少し、年収200万円以下の人が1023万人と、21年ぶりに1000万人を超えた。市場重視、競争重視の政策による格差の広がりに歯止めはかかっていない」とし、「自民党の構造改革は、弱い立場の人たちを忘れた改革」と断じた。
さらに、「私たちの目標は、自民党に反対することではない。正しい理念をもって、政権に就くこと、国民により良い政治を行うこと」と誓って質問を終えた。
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